点訳フォーラムの更なる周知に向けて

新型コロナウイルス感染拡大が続いています。全国に緊急事態宣言が出されて十日ほどになりますが、収束の兆しが見通せないまま連休を迎えようとしています。自粛要請に伴い、普段の生活はもとより、情報提供施設においても、業務の縮小や休館、これに伴うボランティア活動の休止といった影響が出始めています。この事態が長引けば、情報提供施設の生命線である利用者への情報提供事業そのものに甚大な影響を及ぼす結果になりかねません。一刻も早い収束を願うしかありません。
ところで、当初、新型コロナウイルス関連のニュースでは「終息」を用いていたようですが、最近は「収束」の方を使うことが多くなったと聞きます。
ここでクイズです。これまで「しゅうそく」という語が4回出てきました。点訳挿入符による注は必要でしょうか。必要な場合、どこにどのように入れたらいいでしょうか。
ちょうど、このタイミングでフォーラムに「咳エチケット」の切れ続きについての質問がありました。フォーラムの語例集では、「セキ■エチケット」となっています。
「2拍以下の和語は、外来語が長くても一続きになるのではないでしょうか?自立性の強い場合や複合名詞といい難い場合は区切って書くのでしょうか?どちらにもとれるように思いますが?」というものでした。
「咳エチケット」を、フォーラム語例集に収載した当時は、まだなじみのある言葉ではなく、複合語として熟しているとは判断できませんでしたので、区切って書くことにしたのですが、コロナウイルスの感染拡大とともに急速に広まり、毎日のように聞かれる言葉となりました。
そこで、続けて書く複合語と考えて、点訳フォーラムの語例集を変更することにしました。切れ続きは変化することを説明する例として、ぴったりではないかということでここに取り上げました。

さて、点訳フォーラムを立ち上げて4カ月が過ぎました。
この間、「Q&A」や「語例集」の追加・更新、そして点字・点訳に関する問い合わせの増加など、ホームページの内容も確実に充実してきていると思います。
点訳ボランティアの方々にとっては、点訳フォーラムで提供している資料を参照したり、疑問点を質問したりと、直接点訳に活用できるので、利用する方の広がりが見られます。
情報提供施設の職員の方々も、施設での研修会などに資料として活用し、ボランティアと情報を共有していただきたいと思います。特に点字担当職員としての経験が少ない方は、ぜひ気軽に点訳フォーラムにアクセスし、点訳フォーラムの情報を日頃の業務に活かしてください。

点訳フォーラムは「『点訳のてびき』に準拠した、全国で標準化された図書が数多くできる」よう、『点訳のてびき 入門編』からの継続性を踏まえた活動を目指しています。これこそが、読み手である利用者の最大の利益につながるものと信じています。
その意味で、点訳フォーラムの考え方を少しでも多くの方に知ってもらうことが何よりも欠かせない、と改めて実感しています。このフォーラムを活用されている方々から、ぜひ広めてくださるようお願いします。

皆さん、いよいよ連休です。残念ながら、今年は「ステイホーム」だそうです。でも、ポジティブに考えて、日ごろできなかったことをする良い機会かもしれません。
点訳フォーラムは、コロナに負けず、お家で点訳する皆さんを「点訳のてびき」に沿ってしっかりサポートしてまいります!
連休明けには元の活動に戻れることを願っています。(I)