パソコン点訳Q&A

 

目次

ここでは、「サピエ図書館」登録等の点字データを作成するために「点字編集システム」(BES・BESX)を中心に用語の解説やQ&Aを掲載します。

基本的な用語解説

用語解説

BES・BESX

点字編集システムで作成した点字データは、拡張子(ファイル名のドットより右の部分)がBESとなる。(BESデータ)
点字編集システムに追加されている、「点字資料製作支援」機能を利用して作成したデータは、拡張子がBESXとなる。(BESXデータ)
アイコンは、BESが青、BESXが赤で表示される。
BESXデータには、点字データの他、校正記録や下調べ記録などの製作支援データが含まれている。
「サピエ図書館」に登録する際は、BESXデータはBESに変換し、すべてBESデータで登録することになっている。
「点字資料製作支援」機能(BESX)を使用するかどうかは、点字編集システムの使用開始時に選択できる。また、BESのメニューからも変更できる。

インデント

引用文などで全体に行頭を下げて点訳するときに用いると便利な機能。自動的に文字を下げるので、毎行改行マークを入れる必要がない。校正などで、行移しの位置がずれてもレイアウトが崩れることがない。
行末インデントの機能もある。

改行マーク

改行するときには、語や記号類の直後でエンターキーを押し、改行マークを入れる。
改行マークの前にはスペースを決して入れない。
見出しが複数行になる場合、各行の行末に入れる改行マークの前にもスペースを入れない。

改ページマーク

ページ替えをするときには、語や記号類の直後でF6キーを押し、改ページマークを入れる。
改ページマークの前に改行マークを入れたり、前にスペースを入れたりしない。
目次が偶数ページで終わって本文に入るときは、最後の見出しのページ数の直後に改ページマークを入れる。目次が奇数ページで終わるときは、次ページの最初のマスにも改ページマークを入れる。区切り線を用いる場合は区切り線の直後のマスに入れる。
見出しがそのページの最下行に来たり、見出しが複数行になってその途中でページが変わるときなどに、何行か行を送って次ページに見出しを移動させる場合は、改ページマークではなく、改行マークを入れる。

禁止帯

行末処理を正しく行うために、各行の行末にある二マスの×印のことを禁止帯と言う。
ここにはスペース、改行・改ページマークを入力することはできるが、点字が入力されると一続きのまとまりは、行末処理により下の行へ自動的に移動する。

グラフィック

パソコン上で作図する機能で、点字編集システム内で作図することもできる。また点字・点図編集ソフト「エーデル」で作図することもできる。エーデルのデータは変換ソフト(BESE)を用い、BESのデータに変換することができる。

データ行と印刷行

データ行とは、ページが入るページ行を1行目と数え、両面印刷の場合は1ページ18行となる数え方を言う。点字編集システムを開いたときに、1/100ページなどのページ表示の次に、1行などと表示される。
ページを表示する行を入れずに、本文の行だけを数え、両面印刷の場合、1ページ17行となるのが印刷行である。

データページと印刷ページ

点字編集システムのファイルを開いたときに画面の下に 1/100ページ のような表示がある。これはこのファイルが全体で100ページで、現在表示されているのはその1ページ目であることを示している。これをデータページでの1ページといい、点訳図書の場合は標題紙にあたる。
印刷ページとは、点字印刷される際に印字されるページで、標題紙にはページは付いていない。殆どの場合本文の始まりが印刷ページの1ページとなる。
BESXの校正表のページ欄には、データページが表示される。

点字編集システムを使ってグラフィックデータを印刷する

1.必ず「点字編集システム7」をお使いください。
(最新バージョンにしておいてください)
2.メニュー「設定」から「点字プリンター、行・マス設定」を選択します。
その中の「グラフィック印刷設定」を選択します。「保存終了」します。
3.「グラフィック印刷設定」の「点種座標別」と「グラフィック表示時に22行の縮尺に変更する」にチェックを入れます。「OK」を選択します。
★一度設定すれば、その設定を記憶します。
★裏点を使ったグラフィックデータがずれてしまう場合は、点字プリンターの用紙セット位置を修正してください。
点字編集システムを使ってグラフィックデータを印刷する(PDF)

ファイル

点訳したデータのひとまとまりの単位。全6巻の場合は、6ファイルとなる。
点字編集システムの機能上は9999ページまでページを付けることができるが、サピエ図書館にアップし、印刷して利用するためには、1巻を80枚以内(データページで160ページ以内)に抑えることが望ましい。

文書情報

点字編集システムのメニューバー「ファイル」の中に「文書情報編集」がある。
この情報の入力は必須ではないが、多くのファイルを管理するのに便利であることに加え、次のような利点がある。
文書情報は、そのファイルから離れることがないので、グラフィックに関する情報や付属資料がある場合、備考欄に記入しておくとよい。
点字ピンディスプレイの中には、文書情報の書名をそのデータのファイル名として読む機能を有している機種もあるので、書名は入力しておくとよい。

ページ番号付加

ページ行に通しページ(1、2、3、4・・・)を自動入力できる。1ページを付けたいページにカーソルを移動し、「Shift+F6」またはメニューから選択して、ページを付ける。初期値は「1」だが、数字を変えれば途中からでもページ番号を付加できる。下がり数字のページ番号を付加することもできる。
標題紙・奥付などには、ページ番号を付けない。
印刷する場合には、点字プリンターで偶数ページのページ行は印字されないので、偶数ページのページ番号は削除しない。

編集画面表示(点字表示と仮名表示)

【墨訳表示】
「F4」またはメニューの「校正」から墨訳表示を選ぶことができる。墨訳表示の場合は点字と墨字が上下に並んで表示される。
英語の墨訳表示は、メニューの「設定」から2級英語有効・無効を選ぶことができるほか、従来表記・新表記・UEB表記(ベータ版)を選ぶことができる。
【表示切り替え】
「Shift+F11」またはメニューからの操作で表示を切り替えることができる。点字の一部を「カタカナ」「ひらがな」「英字」で表示する。「Shift+F11」を押すたびに、「カタカナ」「ひらがな」「英字」「点字」と切り替わる。濁点、半濁点や外字符・数符などを点字の形で補って表示するので、マスの位置は変動しない。表や目次などのレイアウトはそのまま表示される。
※墨訳表示や表示切り替えの仮名表示(カタカナ・ひらがな)は、晴眼者には読みやすい表示であるが、前置点の誤りや文字の入れ替わりなどは見逃しやすいので、見直しの際は点字表示でも確認することが望ましい。
例えば、下がり数字は仮名表示画面では便宜的に漢数字で表示されるが、これは点字表記規則上、漢数字を下がり数字で表すわけではないことなどを理解した上で使用する必要がある。

見出し指定

目次を自動作成するために、見出し行を指定する機能。目次を作成するために見出しごとにページを確認しなくてすむので、便利である。
ただし、設定によっては、「見出し始まり」「見出し終わり」と音声で読んだり、ピンディスプレイではその位置でブリンク(振動)したりする場合がある。
点字データを読む場合に、音声やピンディスプレイの設定をする必要があることから、点訳に際して、見出し指定した場合はすべての見出しを指定し、見出し指定を解除する場合はすべての見出しを解除するように統一することが望まれる。

読み上げ機能

点字編集システムには二つの読み上げ機能がある。
一つは、メニューの「設定」→「音声設定」の設定に基づき読み上げを行う機能で、主に視覚障害者が点字を読んだり入力する際に用いる。
もう一つは、校正のための読み上げ機能で、点字データを校正する方法のひとつである。目で点字を確認する代わりに音声を聞きながら原本照合をする際に用いられる。