第4章 記号類の使い方(2)

その2 囲みの記号

1.p104 1.カギ類

同じ人が続けて話している場面で段落が変わると開きカギがあるのですが、それに対する閉じカギがないのです。
上下巻の翻訳もので上巻に6ヵ所あります。
点訳担当者は前にも同じような経験があり、その当時、調べてみたところでは原書にも閉じカギがなかったそうです。翻訳小説にはありがちなのでしょうか。
閉じカギがないのは触読される方には混乱のもとなのでしょうか。原本にはなくても閉じカギを追加したり、不要と思われる開きカギを削除したりして良いのでしょうか

【A】

英語では、複数の段落にわたる一人のセリフ、あるいはひとまとまりの引用文をコーテーションで囲む場合、各段落の始まりに開き記号を書き、最後の段落の終わりにだけ閉じ記号を書くことが多くあります。
翻訳物で、これをそのまま日本文にあてはめて、カギを用いている場合がありますが、日本文ではこのようなカギの用い方はしませんので、点訳では、始めと終わりのカギだけを書きます。
なお、補足ですが、英語点訳では、原文の通りに点訳しますが、日本語では、カギの開き記号だけがあって閉じ記号がないのは、日本語の文としてはあり得ないので非常に気になると思います。

2.p104 1.カギ類

1.原本で通常の会話文は「 」で囲まれ、電話の相手の会話は『 』で囲まれています。『 』内部には「 」で囲んだ語句もあるのですが、原本通り『 』にふたえカギを用いてよいでしょうか。または別の処理をした方がよいのでしょうか。
2.原本では一貫して〈 〉で囲まれている語句がありますが、点訳上、地の文に出てくる場合と、会話カギの中に出てくる場合で、異なる囲み記号になってもよいのでしょうか。

【A】

1.ふたえカギは、カギの中にカギが必要な場合と「てびき」p106【備考】の場合に用いますので、会話文に『・・・』が用いられている場合は第1カギに置き換えるのがよいと思います。文脈上、特殊な場合に『・・・』が用いられるなど、区別の必要があれば、第2カギを用います。その場合は、内部の「~」をふたえカギに点訳するのがよいと思います。
2.一般に会話文に第1カギを用いた場合、そのほかの強調には第2カギを用いるのが自然ですが、原文に使われているカギの種類が多い場合は、会話文以外の強調に第1カギと第2カギを振り分けて用いることもできます。
〈・・・〉に第2カギを用いた場合、第1カギの中でも第2カギを用いることができますので、ほかに支障がなければ、地の文でも、第1カギの中でも第2カギを用いるのが最もよいと思います。
〈・・・〉に第1カギを用いた場合は、第1カギの中ではふたえカギを用いるのが
最も基本的な点訳方法ですので、異なる囲み記号を用いることになります。

3.p104 1.カギ類

「てびき」では、「基本的には第1カギを用いる」、「第1カギ、二重カギと区別して他のカギが必要なときは、第2カギを用いる」となっています。
この「区別して他のカギが必要なとき」とは、どのようなときなのでしょうか。
「てびき」p105 5番目の例《将来の“夢”を~》では、第2カギが使われていますが、「~」以外のカギ“~”〈~〉などが使われている箇所は、全て「区別して他のカギが必要なとき」になるのでしょうか。
原文で、特に区別が必要と思われる箇所ではなく「~」“~”〈~〉が取り混ぜて書かれているような場合も、第1カギと第2カギを使うべきでしょうか。
例 電話口の会話で、こちらは「~」、相手は〈~〉
会話は「~」、メールの文面は《~》
現在の会話は「~」、回想シーンでのセリフは“~”
会話は「~」を使った上で、地の文で商品名に〈~〉
言葉を強調する際の“~”は、上記てびきの“夢”と同じ用法かもしれませんが、今ひとつわかりません

【A】

第1カギは会話に使われることが多いので、会話文と区別して語句の強調などには第2カギが用いられることが多いと思いますが、原文によっても異なりますし、会話以外にも第1カギを用いることがありますので、それぞれの原文に応じて使い分けることになります。
厳密な使い分けのルールは決まっていませんので、第1カギでは足りないときに第2カギを用いるという基本的な考え方で判断してください。
挙げられた例で考えてみますと
電話口の会話で、こちらは「~」、相手は〈~〉 ⇒ 文脈で分かりますし、特に区別する必要が無ければ、ともに第1カギでいいと思います。
会話は「~」、メールの文面は《~》 ⇒ これも文脈で分かれば、ともに第1カギでいいと思います。もし、メールの文面が長く、行頭を下げて書いてあれば、引用文の書き方で、インデントを用い、カギを省略する方法もあると思います。
現在の会話は「~」、回想シーンでのセリフは“~”⇒ これも、文脈で分かれば第1カギでいいと思います。
会話は「~」を使った上で、地の文で商品名に〈~〉⇒ 商品名などを強調する場合は会話文とは異なりますので、一般的に第2カギを用います。
言葉を強調する際の“~”⇒ これも会話などに第1カギを使用していれば、第2カギを用いることが多いと思います。会話文が無い場合など、第1カギを用いる場合もあります。

4.p104 1.カギ類 (1)

第3版にあった「第2カギは“~”・<~>などに対応させる」という記述がなくなりました。
①原本で使われている“~”・<~>をあえて第1カギを用いて書くことはありますか。それは具体的にどのような場合でしょうか。『てびき』には、そのような用例が見当たりません。
②例えば、p111【処理】の用例“wine”と“酒”のコーテーションマークを第2カギを使わずに第1カギに置き換えることはできますか。
③原文で強意・強調のため“~”または<~>で囲まれた言葉があります。
・原文中に「~」が使われておらず、“~”または<~>のみが使われていた場合は、“~”または<~>をすべて第1カギに置き換える。
・原文中に「~」が使われていて、さらに“~”や<~>が使われている場合は、これらのカギ類を第1カギ・第2カギ・ふたえカギのいずれかで使い分けるということでしょうか。
④『てびき』の「第1カギ・ふたえカギと区別して他のカギを必要とする場合に、第2カギを用いる」の部分を「原本で“~”・<~>などが使われている場合は、第1カギ・ふたえカギと区別して他のカギを必要とする場合」と考えてよいでしょうか。逆に区別する必要がないときは、“~”や<~>が使われていても、第1カギを用いるということなのでしょうか。
⑤実際に点訳を進めていくと複数のカギ類が混在し、特に強意・強調のための墨字のカギ類“~”・<~>はその処理が複雑になってきます。講習会受講生に第2カギの用法を説明するときに、混乱を与えないためのキーポイント(キーワード)はありますか。

【A】

④ ⑤ 点字のカギ類は、墨字のカギ類より数が少ないですから、墨字のこの記号には点字のこの記号と1対1では考えないようにした方がよいと思います。ですから、墨字の「~」、『~』、“~”、<~>、に点字のどの記号を対応させるのかを最初に考えるのではなく、墨字の形にとらわれず、点字では
(1) 基本的に第1カギを用いる。
(2) カギの中に更にカギが必要なときには、基本的にふたえカギを用いる。
(3) それ以外のカギが必要なときは、第2カギを用いる。第2カギは、地の文にも、カギの中にも用いることができる。
という点を押さえればよいのではないでしょうか。
ただ、「てびき」では、墨字の「~」は、墨字でも基本的に用いられるカギなので、ほぼ第1カギ、墨字の『~』はカギ類の中に用いることが多いので、ほぼふたえカギを対応させる。としています。
① 会話文などをすべて“~”で囲んで書いてある場合は、そこに第1カギを用いてよいと思います。資料類などで、カギ類が<~>だけしかない場合は、第1カギを用います。
② 置き換えることができます。
③ 上に書きましたように、原文中に「~」が使われていなければ、“~”<~>などに第1カギを用いてよいと思います。原文中で、“~”が会話に、<~>が語の強調に用いられていれば、“~”に第1カギ、<~>に第2カギを用いることになると思います。
原文中に「~」が使われていて、さらに“~”や<~>が使用されている場合は、地の文に用いる場合は第2カギかまたは第1カギ、“~”や<~>がカギの中に用いられている場合は、第2カギかふたえカギになります。

5.p104 1.カギ類

第2カギの中に第2カギを書くことはできるでしょうか。
<うん。“感受性を高めるため”って言われてた>
<“ほらね”って、どういう意味で言ったの?>
のように<~>の中に“~”がある場合です。
1タイトルの中で、第1カギ、第2カギ、二重カギをすべて使用していて、上記の、中と外の囲み記号を両方第2カギに当てているのですが、もしこの書き方がよくない場合、どのような書き方が望ましいのでしょうか。

【A】

第2カギの中に第2カギを用いることを禁止するルールはありませんが、読みやすさの点から、お勧めはできません。ご質問の場合、外の〈~〉は会話文のようですので、外を第1カギにするのが自然ではないかと思います。原本の文脈から第1カギを用いることができない場合は、外を第2カギにして中の“~”をふたえカギにすることもできます。

6.p104 1.カギ類

ふたえカギについてお尋ねします。
「てびき3版」ではふたえカギは墨字の『~』に対応していました。
ところが4版では、第1カギ・第2カギの中でカギ類が必要となった場合しか使えなくなり、カギ類の中以外で使えるのは書名など限定的となりました。
3版からの変更点である墨字の形に対応しなくなった理由を教えてください。

【A】

「てびき3版」では、《第1カギ・ふたえカギは、墨字の「~」・『~』にほぼ対応させ~》となっていました。「完全に対応させ」とは書かれていません。それは、「3版」発行当時は、墨字でも、ほぼ、正しいカギの使われ方がなされているという前提だったからです。
墨字でも、「~」は地の文に用いられ、『~』は「~」の中に用いられるのが基本的なカギの使い方です。墨字の原稿用紙の用い方や、各新聞社の規則では、『~』はタイトルなど以外は、「~」の中にのみ用いることになっています。
ところが、近年は「てびき」の「ほぼ」の表現が忘れられ、完全に対応するかのように解釈されるようになってしまっていました。
日本の点字の規則を決定している「日本点字表記法」でも、《会話文または引用する文や語句は、前後ろを第1カギで囲んで書き表す。それらの中に更にカギ類が必要であればふたえカギで囲んで書き表す。・・・第1カギと区別して他のカギを必要とする場合には第2カギを用いる。・・・》となっています。
最近の墨字の印刷物は、カギが本来の用法で用いられていなかったり、「~」『~』だけでなく、“~”や《~》〈~〉など多様な囲み記号が用いられ、点字のカギ類と形の上で対応させて用いることはできない状態になっています。
このようなことから、「てびき4版」では点字の記号を書き表すルールとして、「日本点字表記法 2018年版」に準じることとしました。
もともと、点字の記号類は、墨字とは形の上で対応させることはできません。これはカギ類だけでなく中点や波線などでもそうです。形の上での対応ではなく、用法・機能を考慮して対応させることになります。

7.p104 1.カギ類(3)(4)

一つの文中であるかどうかの判断の仕方と、並列したカギ類の間のマスあけについてお尋ねします。
文頭に主語等がないと、一文中かどうかの判断に迷います。
① 「あなたはどこからきたの」「教えて!遠い国から?」「これからどこへいくの」と、それぞれが思い思いに問いかけた。
*複数の人の会話を「と」で受けている場合。「~」の並列の後、「と」で受けている場合は、複数の人の発言であっても一つの文と考え、閉じカギと開きカギの間は一マスあけと考えてよいでしょうか。
② 「あなたはどこからきたの」「教えて!遠い国から?」「これからどこへいくの」と、問いかけた。
*一人の発言の並列。「と」で受けている場合(第3版のような「やつぎばやに」の語句はない)。一人の発言で「~」はそれぞれ独立した文だが、「と」で受けているので、最初から最後までが一つの文と考え、閉じカギと開きカギの間は一マスあけと考えてもよいでしょうか。
③ 「あなたはどこからきたの」「教えて!遠い国から?」「これからどこへいくの」それぞれが思い思いに問いかけた。
④ 「あなたはどこからきたの」「教えて!遠い国から?」「これからどこへいくの」やつぎばやに問いかけた。
*複数人あるいは一人の発言の並列。いずれも「と」で受けていない場合。複数人・一人の発言であっても「~」はそれぞれ独立した文。カギを閉じた後に新しい文が始まると考え、すべて二マスあけ(従来通り)。
一人あるいは複数人の会話であることは、一つの文であるかどうかの判断に影響しますか。

【A】

一人の発話か複数の人の会話かは、一つの文かどうかの判断には影響しません。
一つの文の中に、いくつかのカギで囲まれた語句や文が含まれる場合にその間が一マスあけになります。
カギで囲まれた部分の前に主語があったり、後ろを助詞・助動詞で受けていれば分かりやすいのですが、そうでない場合に判断に迷うことがあるかもしれません。
①②は、全体が一つの文ですから、閉じカギと開きカギの間を一マスあけます。
③④は、閉じカギと開きカギの間も、最後の閉じカギの後ろも二マスあけになります。④の場合は、「やつぎばや」の直前に主語が省略されていると考えてよいと思います。

8.p104 1.カギ類 (3) (4)

次のような場合、閉じカギの後ろのマスあけはどうなりますか。
①地の文の途中、カギで囲んだ文の閉じカギの後に「と」などの助詞がない場合
a.批判もたくさんあったが、「感動した」「明日から頑張ろうと思えた」そんな書き込みが増えていた。
b.麻衣子は手を組んで、「がんばれ、がんばれ」心の中で叫び、祈った。
②カギで囲んだ会話文の途中に地の文が挿入されている場合
c.「最初、かけてくる方は」六十代の男性がいう。「相談することがなければいけないと思ってかけてくるから、介護のこととか、病気のこととか、何か質問を用意するんです」

【A】

b.は「がんばれ、がんばれ」の後ろに「と」があるのが自然な形で、あきらかに一つの文ですので、
麻衣子は、「がんばれ、がんばれ」■心の中で叫び、祈った。
と一マスあけになります。
a.は、
批判もたくさんあったが、《「感動した」「明日から頑張ろうと思えた」》そんな書き込みが増えていた。
と、「そんな」が前の《~》をまとめて受けていて、後ろだけでも独立した文の形になっています。ですので、「そんな」の前を二マスあけた方がよいと思います。
閉じカギの後、開きカギがくる場合は、カギがあるので文と文の間でも一マスあけでいいのですが、閉じカギで文が終わっている場合は、後ろを二マスあけるのが自然です。
「感動した」■「明日から頑張ろうと思えた」■■そんな書き込みが~。
c.は、閉じカギの後ろ、「六十代の男性がいう。」と文になっていますので、
「最初、かけてくる方は」■■六十代の男性がいう。

「4版」で p103 (3)のように規則を変更したのは、文の中に、文がある(重文、複文)ことも多いが、閉じカギと開きカギの間であれば、一マスあけでも読むのに支障がないと判断したからです。閉じカギの後ろに、助詞等がなく、後ろに文が始まっている場合は、二マスあけることになると思います。

9. p104~105  1.カギ類 (3) (4)

カギ類が続いたときのマスあけについて、伺います。カギ類が並んだ後に句点がある場合、カギ類の間は、それは1文として、一マスあけか、2文として二マスあけか、どちらでしょうか。
例:
(1)
「少年の面影を残しているけれど、本の選択はなかなかにハードだ」「彼は
今自分の中に潜む理由のない暴力と向き合っている・・・・・」(『犬の
しっぽを撫でながら』)。
(2)
全国5200校の高校長が参加する協会からも、延期を求める声が上がった。
「生徒は不安を募らせている」「校長も説明に苦慮している」。文部科学省に
出された要望書には切実な言葉が並ぶ。

【A】

1文の中に異なった要素(語句や文)が並んでいる場合、基本は「てびき」
p152 6.(2)に従い二マスあけになります。
しかし、それぞれがカギで囲んであれば、一マスでも誤読されないという
判断からくる、いわば機械的な処理です。
ですので、カギで囲まれた文が並んでいて、その最後の閉じカギの直後に
句点があれば、そこまでを一文と判断して、一マスあけにしてよいと思います。
ご質問の二つの例はいずれも一マスあけになります。

10.p105 1.カギ類

用例「ぼくは、はっきり『いやだ。』と言ったよ。」が、仮に原文で『ぼくは、はっきり「いやだ。」と言ったよ。』となっている場合も、外側のカギを第1カギ、内側のカギをふたえカギにするのでしょうか。
《A》
基本的にはそうなります。ただ、そこだけ機械的に、外側のカギと中のカギを入れ替えると不自然な場合もあると思いますので、原本全体の囲みの記号の使い方を検討した上で判断する必要があります。

11.p105 1.カギ類

「てびき」には、第1カギの中にカギが使われる場合はふたえカギを用いるのが基本とあります。
しかし「てびき」「カギ類」p105の中に次の例があります。
将来の”夢”を発表する時間に、「ぼくの”夢”は宇宙飛行士です」
この点訳として、第1カギのなかの、カギが必要なコーテーションマークのついた夢には第2カギが使われています。これはその前の文の夢に第2カギを用いているからなのでしょうか。それともコーテーションマークがついた語は第2カギでもよいのでしょうか(以前はこういう場合第2カギを用いていました)。

【A】

これは、前の文の“夢”に第2カギを用い、第1カギの中の“夢”が、それと同じことを指しているので、このような場合は、第1カギの中でも第2カギを用いた方が自然であると考えられる例として示したものです。
「第1カギの中にカギが使われる場合はふたえカギを用いるのが基本」ですが、第2カギは、必要な場合は、カギの中でなくても、カギの中でも、どちらでも使用できる記号ですので、「てびき」の編集上、その例も示さなくてはならないために考えたものです。
コーテーションマークには第2カギを対応させることを示した例ではありません。
一冊の本を点訳する場合は、いろいろな場面が出てきますが、「てびき」の用例はごく限られたスペースに短い文の中で、規則に適した例を示すので、多少強引なところもあることも事実です。
ですので、そのようなことも考え合わせた上で、「てびき」の用例をご覧ください。

12.p106 1.カギ類 【備考】

書名などが『~』で囲まれている場合は 墨字原本で『~』が使われている場合と解釈してもいいですか。

【A】

p106【備考】の「など」は、「書名に限定せず、作品名や映画のタイトルなどまで」ということを指しています。そのほかの文や語句まで広げているわけではありません。

13.p106 1.カギ類 【備考】

次のような語句が原文で『~』で囲まれていた場合、ふたえカギを用いてもよいでしょうか。
『X JAPAN』『氣志團』などのグループ名
『木乃婦』(京料理の店)
『GYOZA OHSHO』(餃子の王将)
『岩戸山』町名
『鳳条』(表札に書かれている姓

【A】

グループ名、店名、町名、名字などは、タイトルとはいえませんので、地の文に書かれているときには、第1カギ、または第2カギを用いるのがよいと思います。

14.p106 1.カギ類 【備考】

一般に、初出・著者紹介などでは、<シリーズ名>『書名』「作品名」と囲み記号で区別さていることが多いようです。本文等で、それぞれが違う形の囲み記号を使われていても、シリーズ名は第2カギ・書名はふたえカギ・作品名は第1カギと統一して考えてよいでしょうか。

【A】

統一するという考え方もあると思いますが、原文と大きく異なった書き方をする場合は、書き方を点訳書凡例などで説明すればよいと思います。

15.p106 1.カギ類【備考】

『幕末―その常識のうそ』の中で『日記』は『薩州御用録 巻の一』、『遠征記』は『ペリー提督日本遠征記』を指しています。
『日記』と『遠征記』はタイトルとは言えず他のカギに変えた方がいいのでしょうか。

【A】

この本の中で、『薩州御用録 巻の一』『ペリー提督日本遠征記』という正式なタイトルが一度書かれていて、その後に『日記』や『遠征記』が、『~』で囲まれているのであれば、書名を限定できるので、ふたえカギを用いて良いと思います。
ただ、一般には、『日記』や『遠征記』だけでは、元のタイトルを想起させるような略称からは離れていますので、正式なタイトル名が提示されていない場合は、第2カギまたは第1カギで囲むのがよいと思います。

16.p106 1.カギ類 【備考】

《愛の妙薬》《人しれぬ涙》《春の夢》《冬の旅》など、原本で、曲名が《~》で囲まれています。点訳者は第2カッコで点訳しています。これをカギを使用するように校正したいと思いますが、第2カギ、ふたえカギ、第1カギのどれがよいでしょうか。
また、地の文で原本の『~』と対応してふたえカギを用いることができる例を具体的に教えてください。「てびき」では「書名など~」、点訳フォーラムでは「タイトル」と書かれていると思います。

【A】

ご質問の場合の《~》は、第2カギが一般的な書き方になると思います。他のカギとの関係で差し支えなければ第1カギを使用してもよいと思います。
ふたえカギを地の文で用いることができるのは、「てびき」の規則には「書名など」と書かれていますが、「など」の範囲について、点訳フォーラムでは、「書名に限定せず、作品名すなわち音楽や映画のタイトルなどまで」と考えています。これは、あくまでも原文で『~』が用いられているときになります。

17.p106 1.カギ類 【備考】

『「サピエ図書館」登録点字文書製作基準』のように、原文で『~』の開き記号に続けて「~」がある場合、ふたえカギと第1カギを入れ替えたほうがいいでしょうか。著者紹介の書名でも『「~」~』のように使われていますが、外側を第1カギ、なかをふたえカギにしてもいいのでしょうか。それとも中のカギを第2カギにするのでしょうか。

【A】

この場合、外側の『~』はタイトルを囲んでいると考え、ふたえカギを用い、中のカギを第2カギにするのが、自然な点訳と思います。
ただ、「製作基準」は、『点訳のてびき』『坊っちゃん』といった図書ではなく、資料集であるという判断で、外側を第1カギ、中をふたえカギにすることもできます。図書と資料集などを厳密に区別する必要がある場合は、このような点訳方法もありますが、一般書では、タイトルが『~』で囲まれていれば、ふたえカギを用いてよいと思います。

18.p106 1.カギ類 【処理1】

「カギ類の内側に同じカギ類を用いてあって、誤読の恐れがある場合には、他のカギ類におきかえる」とあります。誤読の恐れがある場合とは、例えば、どのような場合でしょうか。原本の以下の文の場合は、いかがでしょうか。
「依存症をその人個人の病気の問題と捉えたら、ペナルティは意味を持ちません。ペナルティによる「孤立」は孤独感を生みます。孤独感を持ったまま、人は生きていけないんです。・・・」と、施設長の高田さんは話します。

【A】

ご質問の文の場合は、「孤立」をふたえカギ、または第2カギにします。
カギ類の規則では、最初に、p104 (1)で、「~、その中にさらにカギ類が必要であれば、ふたえカギを用いる。~ 第2カギを用いる。」とあり、これが大原則となります。ですから、【処理1】では、ほとんどの場合が誤読のおそれがあると解釈してください。誤読のおそれがない場合として、【処理2】を掲げています。

19.p106 2.カッコ類

彼は動揺していた。(1984年(私は)それを届けるかどうか迷っていたのだが)
上記の文章のように、第1カッコの中の開きカッコの前をマスあけする場合、マスあけが生じることで、閉じカッコと誤読のおそれがない、ということで、第1カッコの中でも第1カッコを使ってもよいのでしょうか?

【A】

カッコの中のカッコは二重カッコで書くことが原則ですので、この場合は二重カッコにします。

20.p106 2.カッコ類 (1)

第1カッコ内にさらにカッコが必要であれば二重カッコを用いる。これらは墨字の( )・(( ))にほぼ対応する、とありますが、墨字原文で( )内に(( ))以外のカッコが用いられている場合は二重カッコにしない方がよいのでしょうか?

【A】

墨字で本来(( ))はカッコ内のカッコに使われる記号でしたが、パソコン上ではこの形が出てこないことから、カッコ内のカッコに〔 〕や< >など、異なる形の記号が使われることが多くなっています。p109コラム23の用例にありますように、墨字で異なる形であっても、カッコ内のカッコであれば、点字では二重カッコを用いるのが適切です。

21.p106 2.カッコ類

第1カッコ中の説明のカッコを、二重カッコにした場合、二重カッコが二つ続いてもよいのでしょうか。
(原文)
運用基準案(特定秘密の指定及びその解除並びに適正評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準(仮称)(案))を見ていても、・・・

【A】

二重カッコを続けて書いても誤読の恐れはありませんので、原文の通りに、(仮称)と(案)を二重カッコで続けて書くことができます。
キジュン に続けて、キジュン((カショー))((アン))と書き、続けて第1カッコの閉じ記号を書きます。
文脈によっては、「てびき」p135やp192のように、カッコの使用の仕方を工夫することができますが、この場合は、原文通りに点訳するのがよいと思います。

22.p106 2.カッコ類

第2カッコは、語句や文の説明の時に使うとあります。実際に使うことがないのですが、【 】は、第2カッコとして使うことができますか。
第2カッコの例は、「てびき」p107に一つだけありますが、これだけではよくわかりません。語頭に【品目例】と書いて 後ろに品目が羅列してある場合、第2カッコを使って書いてもおかしくないですか。

【A】

第2カッコは、第1カッコ以外のカッコ類が必要な場合に用いますが、2種類のカッコ類が必要なことは、ほとんどありませんので、第2カッコはあまり使用する機会はありません。
カギ類もそうですが、カッコ類は墨字のこの記号に対応すると言うことはありません。「てびき」p109「コラム23」にありますように「機械的に形で対応」させることはありません。
p107は、すべての記号の使用例を入れる必要から、この例をいれたもので、
(視覚障害者のための触読文字)のあと、一マスあけて、第1カッコで囲んで(名詞)と書くこともできます。p108 【備考】と同じ用法です。
【品目例】の場合は、点訳では、カッコ類を使わずに、品目例の後ろに第1小見出し符を用いることもできますし、棒線や、二マスあけにすることもできます。カッコ類を用いる場合は、第1カッコがよいと思います。
第2カッコを用いる例としては、翻訳物などで、原著者の注と訳者の注に異なるカッコが用いられていて、原本にそのような凡例があり、点訳で文中注記符を用いないで書く場合などでしょうか。

23.p106 2.カッコ類

一般の文の中に(笑い)があり、実際に笑っている状況ではなく、心の中の思いを説明しているような時は続けていいのでしょうか。
例:しらーっとした冷ややかな空気が流れていく時間は、何とも耐え難いものだ(笑い)。

【A】

(笑い)については、前の語の補足説明というわけではなく、戯曲などでのト書きと同じ用法ですので、一般文章中でも、(笑い)(笑)は前を一マスあけます。

24.p106 2.カッコ類

(笑い)ですが、p169の(2)に「ト書きは第1カッコで囲んで書き、前後ろを一マスあるいは二マスあけて書く」とあります。一般の小説の場合、p106 (3)が判断の基準になるのでしょうが、第1カッコの前を一マスあけるか続けるかで迷います。注釈的説明とそうでない場合を見極める、明確な判断の基準になるものがあるでしょうか。
(事例 著者によるあとがき)
このあとがきを書き始めてから一時間以上。何しているんでしょうかね、私は(笑)
長谷川さんみたいな彼氏。私だったら嫌だなあ(笑)
この作品を読んで少しでも泣いてしまいそうになった人は私と好みが一緒です。おめでとうございます(笑)

【A】

(笑)は、戯曲や対談に限定せず、ほかの文章中でも、前をあけます。
カッコは、原則として注釈的説明に用いられるものですので、ほとんどの場合、前に続けて書きます。
前をあけるのは、p106 (3)に書かれているように、独語や回想以外は、(略)(中略)(後略)(続く)(終)(了)(完)(株)(社福)(一社)など、編集上の注意書きや略語などです。(笑)(泣)など人物の表情や動作を示す場合も同様になります。p194 「2.マーク類の書き方」【処理2】にある絵文字・顔文字の(ニコニコ)(プンプン)なども、(笑)と同じであると判断しています。

25.p106 2.カッコ類

(中略)の 前後のマスあけについての質問です。
白い襟付きシャツをノータイにし、革ジャンパーを引っかける。(中略)アランドロンのは背広型になっている。
この場合 句点の後は二マスあけ。(中略)後のアランドロンの前も二マスでよいでしょうか?
文中は一マスの意味が分かりません。どの様な時を言うのでしょうか?

【A】

ご質問の文の場合は、(中略)の前後ろ共に二マスあけでいいと思います。
句点の後は二マスあけですし、後ろは「アランドロンのは~」と
新たな文が始まっていますので、二マスあけでいいと思います。
(中略)で前後一マスあけになるのは、「てびき」p107の6番目の例のように、
明らかに一つの文の中に用いられているときです。
「てびき」の例のほか、読点や点線の後に(中略)があって、後ろに文が続いている場合は、一マスあけになると思います。

26.p106 2.カッコ類

二重カッコについてお尋ねします。
「てびき」には第1カッコの中にさらにカッコ類が必要であれば二重カッコを用いるとありますが、それ以外の使い方をしてはいけないのでしょうか。
原本に「駅名の次のカッコは開業年、末尾の〔 〕内が現在の所在地」とあり駅名が並んでいます。
〔 〕は訳者註の時くらいしか使わず、カッコやカギに置き換えると習いました。このような時〔 〕の代わりに二重カッコを使ってはいけないでしょうか。

【A】

この場合、二重カッコは適切な使いかたではありません。
二重カッコは「てびき」p106にあるようにカッコの中にさらにカッコが必要なときに用い、一般にはそれ以外には用いられません。
ご質問の例の場合は、「末尾の〔 〕内」と言っているのですから、駅名の次のカッコと同じ第1カッコを用いても誤解はないと思います。説明も「マツビノ■カッコナイガ■ゲンザイノ■ショザイチ」と書けばよいと思います。
もし、他の文脈との関係から、同じカッコでは具合が悪い場合は、第2カッコを用いる方法もあると思います。

27.p106 2.カッコ類

本文中の空白について、教えてください。
会話とは別に、夢の中での思いが〈~〉山カッコで書かれています。
〈   〉
〈   〉
〈  それで私が…やっぱり  どこへ〉
上記のように囲みの中が空白だったり、点線とは別に空白があったりします。
本文中には点線も多く使われており、空白をどのように表記したらいいのか、迷います。
点挿で空白と入れるか、凡例で断って3マス程度のマスあけにするのでしょうか。

【A】

空白の部分を点線にするのが最も一般的な方法です。
第1カッコの開き記号だけを書いて、マスあけをして閉じ記号を書くのは、読みにくくわかりにくいので、避けるようにしてください。
原文のスペースを表すためにマスあけを入れても意図が伝わりませんし、囲み記号の内側をマスあけすることや、1行の中に3マス以上の空白を入れることは規則上も誤った方法となります。
原文で、(  )と(・・・)に特にはっきりした使い分けがなく、ともに無言や間を表すのでしたら、どちらもカッコの中を点線にするのがよいと思います。

28.p106 2.カッコ類

(前略)(中略)(後略)について、「てびき」には、(中略)の例が一つだけ載っています。それだけでは、判断しにくいので、確認させてください。
1.■■--■(前略)もとより竜馬はひとかどの一人物なれども、・・・
2.兄弟の結びをなし(中略)、錦旗一たび揚らば・・・
3.■■(前略)草莽の志士・・・とても策無之事(中略)乍失敬、・・・これなきか。(後略)
4.賛成せり。(中略)老坂に至る
5.■■「(前略)大平通り御嶽・・・
以上のマスあけはどうなりますか。

【A】

(前略)(中略)(後略)の前後のマスあけについては、文脈の中で判断するしかなく、機械的なルールはありません。判断の目安としては、
1.(前略)(中略)(後略)が記号類と隣接している場合は、記号間の優先順位に従う。
2.(前略)(中略)(後略)の前で、明らかに文が終わっていれば、カッコの前を二マスあける。
3.(前略)(中略)(後略)の後ろに新しい文が始まっていると推測できる場合はカッコの後二マスあける。
以上から判断してください。

1.■■--■(前略)■もとより竜馬はひとかどの一人物なれども、・・・
2.兄弟の結びをなし■(中略)、錦旗一たび揚らば・・・
3.■■(前略)■草莽の志士・・・とても策無之事■(中略)■乍失敬、・・・これなきか。■■(後略)
4.賛成せり。■■(中略)■老坂に至る
5.■■「(前略)■大平通り御嶽・・・

1.は、段落で棒線から新たな文が始まっていると考えれば、(前略)の後ろ一マスあけ、
2.は、(中略)の後ろに読点があるので、文の途中と考え、(中略)の前は一マスあけ、
3.段落で文が始まっていると考え、(前略)の後ろ一マスあけ、(中略)の前後は、「とても無策(策無き)こと、(中略)失敬ながら、」となっているので、もしかしたら返り点で上に返るところかも知れないので、文中と考え、前後一マスあけ、
4.は、「老坂に至る」の後がどうなっているのか、判断がしにくいのですが(中略)のところから文が始まっていると考えれば、一マスあけ、
5.カギで文が始まると考えて、(前略)の後ろは一マスあけでよいのでは無いかと思います。

ただ、1.5.の(前略)や、4.の(中略)がまとまった文と思われる場合は、後ろ二マスあけになることもあります。文脈によって判断する必要があります。
この原本については分かりませんが、元の資料にあたることが可能であればより明確になると思います。

29.p107 2.カッコ類 (4)

「SF(の)」という時は、外大大SF(ノ)でしょうか、外大大SF■(ノ)でしょうか。p107(4)の最初の文言からすると、カッコ類の開き記号との間はマスあけなしと解釈してよろしいでしょうか。カッコの中が説明ならマスアケなしでよいと思いますが。

【A】

外大大SF(ノ)
と続けて書きます。
「てびき」p107 (4)の規則に従います。
前の語の注釈的説明ではありませんが、助詞・助動詞は本来前に続けて書くものですので、外字符の後であってもカッコで囲むことによって、アルファベットと間違うことがなくなれば、続けて書くことができます。
例えば、文中注記符なども同じことが言えます。
《SF*の》 の*に文中注記符を用いる場合
外大大SF⑤⑥②③ノ
と続けて書きます。

30.p108 2.カッコ類 [参考]

(原文)
原則として決裁・供覧文書以外を公文書としないというこれまでの定義は・・・
ガイドラインでは、検証が可能となるように、決裁(起案)・供覧文書に必要な情報を「記入または別紙を作成して添付」する・・・

後半の「決裁(起案)・」ですが、起案は決裁の説明とは思えず、「あるいは」の意味の、補足として、挿入カッコ、ケッサイ■(キアン)・ となると思いますが、よいでしょうか。

【A】

このような場合も、ケッサイ(キアン)と続けて書きます。
カッコは、前に続けて書くのが原則であり、前でマスあけするのには、独語、回想、略語など特殊な場合で、この部分は独立していますので、省略すると文脈に齟齬が生じます。(「てびき」p108 [参考])
決裁(起案)の場合は、カッコ内がなくても、文章は成り立ちます。
このように、前の語の言い換え・置き換えのような働きの場合は、カッコの前はマスあけしないで書くことになります。
彼(彼女)は学生です
のような場合も、カッコは前の語に続けて書きます。

31.p106 2.カッコ類

『~』はふたえカギ、((~))は二重カッコとなっています。二重カッコは「にじゅうかっこ」でいいのでしょうか。

【A】

点字の記号としては、カギ類の中に用いる、⑤⑥③⑥~③⑥②③のカギを「フタエカギ」、カッコ類の中に用いる⑤⑥②③⑤⑥~②③⑤⑥②③のカッコを「数2ジュー■カッコ」といいます。これらは、墨字の『~』、((~))と対応して用いられることが多いのですが、墨字の記号と全く同じ名称ではありませんので、注意する必要があります。
墨字の記号は、記号名が定まっていませんので、音訳などで用いられる一般的な読み方を以下に示します。
墨字の『~』は「ふたえかぎ」とも言われますが、一般には「にじゅうかぎ」と言われることが多いと思います。
墨字の((~))は、「にじゅうかっこ」または「にじゅうまるかっこ」と言われます。
墨字の〈~〉は、「やまがたかっこ」と読みます。
文化庁の「記号類の使ひ方」には、『~』は、「フタエカギ」、((~))は「フタエガッコ」と書かれています。(「てびき3版指導者ハンドブック」4章編巻末参照)

32.p109 「コラム23」

『[現代版]絵本 御伽草子 木幡狐』『ピエタとトランジ<完全版>』の[~]<~>は第2カギを使いますか。またそれぞれ本の名前と一マスあけでよいですか。

【A】

『[現代版]絵本 御伽草子 木幡狐』『ピエタとトランジ<完全版>』のように版次や巻次などを示す場合は、墨字で[~]や<~>が用いられていても、点字では通常第1カッコを使用します。カギは強調の役目をしますので、版次や巻次に用いると書名とのバランスを欠き、違和感が生じます。カッコの前後の文字との間は一マスあけします。

【新規】 p109 「コラム23」

【 】の扱いについて質問します。原本はドキュメンタリーです。
会話文、強調は第1カギを使っています。
①引用文の部分は下がっています。
(原文)一二月二九日の朝日新聞は次のように伝えた。
【モスクワ=駒木明義】ロシアのプーチン大統領は二七日、・・・

【モスクワ=駒木明義】の部分をカギなし小見出し符をつけると、二マス下がっていても大丈夫でしょうか。
また、モスクワ=駒木明義の=は棒線でよいでしょうか。

②【写真1】【写真2】と示され、キャプションがついています。本文中に、【写真1】と【写真2】を見てみよう。など解説が書いてあります。
写真、本文中の【 】は何の記号を使うのが適切でしょうか。

【A】

① 「モスクワ支局員の駒木明義が発信」のような意味になると思いますので、小見出し符ではなく、第1カッコで囲んで書くのがよいと思います。
(モスクワ■■駒木■明義)■■ロシアの~
となります。
小見出し符類は、引用文を、行頭二マス下げで書く場合は、用いることができません。「てびき」p121 (2)に「3マス目から見出しを書き・・・」とありますので、5マス目から書き出すことはできません。
また、「=」を棒線にすると、対等な関係の「イコール」のようにも思われますし、4マスも必要になりますので、ここは意味の上からも、二マスあけの方が適していると思います。

②写真1、写真2の点訳方法にもよると思いますが、キャプションを書くときに、各見出しの最後にまとめて、シャシンと見出しを立て、1、2の番号順にキャプションを入れていく場合は、本文の【~】は無視して、記号を用いずに書くこともできます。
【写真1】【写真2】をカッコ類で囲んで、キャプションを書く場合は、本文でも同じ記号を用いてもよいと思います。

【新規】 p109 「コラム23」

カギの使い方についてお願いします。新聞の見出しです。
【ご病床  鏡に映す十三夜(ここで改行)
―「少し欠けてるね」と陛下】
とあります。
【~】は第2カギにして、第1カギはそのまま第1カギのままでいいでしょうか。それとも反対にした方がいいでしょうか。2行のままでいいでしょうか。

【A】

新聞の見出しは、その記事そのものの点訳でも、読み物などに引用されている場合でも、行頭5マス目、7マス目などから書き出します。このように見出し全体が囲みの記号で囲まれている場合は、行頭を下げたことによって見出しと分かりますので、囲みの記号は点訳しません。また、原文のレイアウトによって途中で行を替えて書いてあっても、点字の書き方で点訳して良いと思います。例えば
■■■■■■ゴビョーショー■■カガミニ■ウツス■数13ヤ(改行)
■■■■■■■■--■「スコシ■カケテルネ」ト■ヘイカ
行頭7マス目から書いた場合は、このようになります。
ただ、この見出しが、原文の本文中に、行を替えずに引用されている場合は、本文と区別するために、全体をカギで囲みます。その場合は、第2カギで囲んで良いと思います。第2カギの中の第1カギは、第1カギのままで構いません。

33.p109 3.指示符類

「てびき」や「指導者ハンドブック」に、語句の指示として指示符を用いる例はありますが、一般書では強調の表現で使われることが多くあります。
「ハンドブック 4章編」p23には、「(強調表現の使用は)必要最小限度に」とありますが、どういう場合に使えますか?
強調や引用の傍点で、指示符の使える例を教えて下さい。

【A】

「指導者ハンドブック」のp23の表現は、「日本点字表記法」からの引用で、指示符類が日本の点字の記号として作られたときから、変わらない表現です。つまり、学術書や試験問題などで、語句や文の指示にどうしても必要になったので、「表記法」で記号として定めたものです。
ですから、一般書でも語句の指示には第1指示符を用いることはありますが、強調には、まず使用しないと考えてよいと思います。
一般書では、「ハンドブック第4章編」p21の練習1のように「傍点筆者」とある場合などで、傍点を囲む場合に使用できます。2番目の練習は、指示符の練習の所なので使用していますが、ここに指示符がなくても、あとの文脈で分かりますので、使用しなくても構いません。
「どの強調に用いるか」と考えていくと、墨字には非常に多くの強調表現がありますから、どれにも必要な感じがしてきます。しかし、指示符類を使用すると点字では読みやすさを損なう恐れが大きくなります。まずは、「一般書の強調表現には指示符は用いない」という方針で点訳に臨んだ方がよいと思います。
その上で、傍点などが、その本の中で、明確なルールで強調に使われていて、文脈上、点字での煩雑さを考慮しても、どうしても必要と思われる場合などに、使用を検討されたらいかがでしょうか?
例えば、大阪という地名がその箇所だけオオザカと濁音の読みになっていて重要な意味があり、原文に傍点がある場合、指示符があればうっかりよみとばさず着目できると思います。また推理小説で、手紙やメッセージの中のある言葉に傍点があって、後からそれが大きな意味を持って来るような場合には、点字でも指示符を用いてもよいと思います。いずれにしても、ごく限られた場合と言えます。

34.p109 3.指示符類

指示符で囲んだ文の中に、第1カギ 促音 と続く文章が入った場合です。
一般書では指示符を使わないという考え方をするとのことでしたが、このエッセイでは、ハイライト+太字と強調された箇所は、著者が伝えたい箇所と判断して、第1指示符を使いました。
原文の、以下の部分を第1指示符で囲みました。

両親は仏壇で目があって、「元気ー? 私は元気ー!」って報告する存在。

この中の《「私は元気ー!」って報告する》のところが、第1カギの閉じ記号と促音符が続き、第1指示符の閉じ記号の形になります。
誤読されてしまう恐れがあると考えるべきでしょうか。それとも、文章の流れから判断できると考えていいでしょうか?

【A】

第1指示符の中に第1カギがあり、その閉じ記号の直後に促音がくるのは、読みにくく誤読の恐れがあります。
実際にはカギ閉じだったところで指示符の閉じと誤解してしまい、カギはまだ続いていると思って読んでしまう可能性があります。それが違っていたことに気付くのは文末まで何マスも読んだ後になってしまいますので、誤読の恐れがあるケースとなります。
どうしても指示符を用いなければならない場合は、第1カギの部分を第2カギに替えるなどの処理が必要になります。
一般書では、「傍点筆者」のような記載があってやむを得ない場合以外は、やはり極力指示符を用いないことをお勧めします。
墨字では太字であることと文字を同時に認識して読めますので、強調表現は多用されますが、点字では、第1指示符で囲んでもその意図は伝わりにくく、さらに今回のような読みにくさも生じますので、使用にあたっては十分に検討をしてください。

35.p109 3.指示符類

今認知症に関する本を点訳しています。
その中で、認知症の方の手記が書かれており、その一部に筆者が傍点を使って認知症の方の心の内を表しています。
傍点は語句についているため、読点、カギなどにはついていません。一つの文章と思われる時でも原文に従いついている語句だけを指示符で括って点訳した方がよいのでしょうか? 又は読点、カギに傍点がふられていなくても傍点がふられていると解釈して一度の指示符でまとめて括って点訳して良いのでしょうか?

【A】

一般的に、傍点は句読点や記号類には振られていない場合も多々あるようです。縦書きの場合、読点の横には振りにくい、また中にカッコで囲んで英文・単語などが入ると傍点を振るべき所でも振られていない場合もあります。
筆者がどの範囲を指摘しているのかを判断して指示符を使用することになると思います。
一連の心の内であれば、指示符を閉じたり、開いたりを繰り返すよりは、一つの指示符で囲んだ方がよいと思います。重要な語句を区切って傍点を振っているのであれば、語句だけを一つの指示符で囲むことになると思います。

36.p110 4.外国語引用符

一般書の中で、「Part1~3」という表現があります。
その前には Part1 Part2 Part3 とあります。
パートワン から スリー と読むのが一般的と思いますが、これを点字ではどう表現したらいいでしょうか?
4パターン考えられると思いますが、どれも問題があるように感じます。
他に表現する方法があれば教えてください。
① Part1だけを外国語引用符で囲み、その後ろに波線 数3と書く。
パートワンから3(さん)となってしまい、意味も変わってしまうのでは?
② 全体を外国語引用符で囲む
全体を外国語引用符というのも、少々違うような気がします。
原本で日本語記号の波線が使われています。
③ Part1~Part3
3の前にPartを補う。これが一番誤解はないように思いますが、ここまで補っていいのかどうか?
④ Partだけを外国語引用符で囲み、その後ろに数1~数3と書く
パート いち ~ さん となってしまう。

【A】

① は、不自然な形になりますので、この方法は避けた方がよいと思います。
②~④は、どの方法も考えられますが、
②の場合は、外国語引用符の中には波線は使用できませんので、範囲を表すハイフンに置き換えるのがよいと思います。
④の場合は、Part1などと単独で書かれているときと書き方が異なってしまうので、少し気になります。
③の書き方が、他と比較して、もっとも自然だと思われます。

37.p110 4.外国語引用符

テレビで「ドキュメント1DAY~緊急事態宣言下のある一日~」という番組名がありました。この「ドキュメント1DAY」は、ドキュメント■数1引大大DAY引 と書いていいでしょうか。

【A】

「ドキュメント1DAY~緊急事態宣言下のある一日~」は「ワンデイ」と読みますので、「てびき」p111の「Lesson 1」の例のように、「1DAY」を外国語引用符で囲みます。外国語引用符の中では英語の表記になりますので、単語ごとに区切り、「1」と「DAY」はマスあけします。
ドキュメント■引数1■大大DAY引■--■キンキュー~
となります。

38.p110 4.外国語引用符

英数字を使った事業所名の切れ続きについて、「YouTube」は一続きに書くと語例集にあります。ニュースサイト「Level7」はホームページでは、アルファベットと数字が一続きに見えます。読みは「レベルセブン」とあります。一続きに書くのでしょうか。「YouTube」のように英語の固有名詞を一続きに書く区別は何でしょうか。

【A】

外国語引用符の中は、英語の書き方になります。英語点字は墨字の英語の書き方に従います。日本語点字の表記の切れ続きやマスあけの規則はあてはまりませんのでご注意ください。
「YouTube」は、英語ではこのように二つ以上の単語が一続きに書いてあって一語としての意味を表す場合がありますので、原文のとおりに書きます。
「Level7」は、原発事故の放射性物質の総放出量のレベル7を表すようです。英語ではLesson1などと同様に、引大Level■数7引 と書きます。

39.p110 4.外国語引用符

英語と略称が書かれている文について質問します。
① ハビタット国際連合体(Habitat International Coalition HIC メキシコに本部をおく居住権擁護のNGO)は~
② ある本に製造物責任(Product Liability:PL)法に~
①、②とも略称である HIC・NGO・PLは縦書きに書かれています。
この時の英語と略称は続いていると考えて略称まで外国語引用符で囲んで書いていいのでしょうか。「てびき」p47のコラム内、p138の「Wanted:An~」の用例とは違うと思いますがどうでしょうか。また②での「:」も英文中のコロンの扱いで点訳するのでしょうか。①の「Coalition」と「HIC」の間のスペースはスペル間のスペースよりも幅広くなっています。

【A】

①②とも、外国語引用符を閉じたあとに、外字符を用いて略称を書くのがよいと思います。
「てびき」p47コラムは、「外字符で書くべき略称と外国語引用符で囲むべき外国語が複合した語」について述べていますので、この場合とは異なります。
また、p138の例は英文の中での点訳を示しています。
①②は、カッコ前の語を英語で示した場合の書き方と、その略称を並列して書いていますので、英語で示した部分だけを外国語引用符で囲み、「:」は日本語点字の適切な記号(読点や棒線など)に置き換えるか、マスあけに代えるのがよいと思います。
① ハビタット国際連合体(引大Habitat■大International■大Coalition引■外大大HIC■■メキシコに■~の■外大大NGO)は~
② ある本に製造物責任(引大Product■大Liability引■外大大PL)法に~
のようになります。

40.p110 4.外国語引用符

一般書の中に次のような記述があります。
GAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)
このカッコの中の「・」はどの様に点訳すればよいのでしょうか。
カッコの中は全体を外国語引用符で囲もうと思いますが、外国語引用符の中では「・」は省略して1マスあけにしてよいのでしょうか。それともコンマかピリオドに替えた方がよいのでしょうか。または全体を囲むのではなく個別にした方がよいのでしょうか。

【A】

原文通りにそれぞれの単語を外国語引用符で囲んで、中点を用いても間違いではありませんが、マス数も多くなり、読みにくさもあると思いますので、
一つの外国語引用符で囲み、コンマを用いるのがすっきりしていると思います。
外大大GAFA(引大Google②■大Amazon②■大Facebook②■大Apple引)
となります。

41.p110 4.外国語引用符

ASAP(as soon as possible/大至急)
このフレーズの、外国語引用符・スラッシュ・カッコの点訳に迷います。
引ASAP(as soon as possible)引■(大至急)
と書いていいでしょうか。

【A】

このフレーズは、《ASAPは、as soon as possibleの略で、大至急という意味です》ということを表していますので、
外大大ASAP(引as■soon■as■possible引■大至急)
と書くのが、よいと思います。
ASAPは略語ですから、外字符を前置し、英語の部分を外国語引用符で囲み、外国語引用符の後ろは一マスあけて、日本語を入れます。

42.p110 4.外国語引用符

1.『How to Be Happy Tough Human』Beran Wolfe, Farrar &Rinehart Incorporated,1931. の文について
『引How to Be Happy Tough Human引』■引Beran Wolfe, Farrar & Rinehart Incorporated, 引■数1931でしょうか。
それとも数字の1931の後で外国語引用符を閉じるべきでしょうか。その際の数字の表し方は、日本語点字と同様に、数字の前に数符をつけて表してよいでしょうか。

2.『Songs From St.KILDA』(Anne Lorne Gillies)
と『曲名』(歌手名)が書いてあるのですが、
カギとカッコ内にそれぞれ外国語引用符で点訳してよいでしょうか。それともひとつの外国語引用符内で点訳することになるのですか。

【A】

1.これは、書名と著者名、出版社名、発行年ですので、一つの外国語引用符で囲むのがよいと思います。そのためには、日本の記号である『~』を英語の記号であるコーテーションマークにする方法があります。
外国語引用符の中でも、1931のような数字は数符を用いて日本文と同じように書きます。英語の書き方は、「てびき」p136~p140を参照してください。
1タイトルの中では、『~』の処理は統一しておいた方がよいと思います。日本の文献はふたえカギで囲みますが、英語の文献の『~』はコーテーションマークにして、書名・著者名・発行所・出版年をすべて一つの外国語引用符で囲んだ方がよいと思います。
なお、「てびき」p135【備考】にあるように、外国語引用符と英語のコーテーションマークは形が同じですが、外国語引用符の中にコーテーションマークを用いることができます。

2.『~』にふたえカギを用いて、それぞれに外国語引用符で囲んでもよいと思いますが、曲名・歌手名を一つの外国語引用符で囲み、『~』をコーテーションで点訳してもよいと思います。
引“Songs From St.KILDA”■(Anne Lorne Gillies)引
となります。
どちらも間違いではありませんが、英語の曲名と歌手名ですので、一つの外国語引用符で囲んだ方がすっきりすると思います。
ただ、多くの曲名と歌手名が書かれていて、日本語の曲名と歌手名も同じ記号で書いてある場合などは、書き方を揃えた方がよい場合もあると思います。

43.p111 5.点訳挿入符

原本に、
「阿る」は「おもねる」と読む。
という一文があり、その点訳に悩んでいます。
2案考えました。
①「アソサンノ■アノ■カンジニ■オクリガナノ■ル」ワ■「オモネル」ト■ヨム。
「阿る」の字そのものを点訳挿入符はつけずに書き下した案です。
②「アル点挿アソサンノ■アノ■カンジニ■オクリガナノ■ル点挿」ワ■
「オモネル」ト■ヨム。
「ある」と読まないのですが、「ある」と最初に入れて点訳挿入符で説明を入れた案です。
①案のほうが違った読みが無くてわかりやすいのではないかと思うのですが、点訳挿入符無しでも漢字の説明は可能かどうか悩んだところです。やはり②案が無難でしょうか。また、他の点訳例があれば教えてください。

【A】

①も②もよく考えられた案と思いますが、
①は、原文にこのように書いてあると誤解されてしまいます。
②は、「阿る」は「ある」とは読みませんので避けた方がよいと思います。
以下、①と②を少し修正した形ですが、

A.①のカギ内を点訳挿入符で囲んだ形
「点挿アソサンノ■「ア」ニ■「ル」ノ■オクリガナ点挿」ワ■「オモネル」ト■ヨム。

B.②を少し修正した形
「オモネル点挿アソサンノ■「ア」ニ■「ル」ノ■オクリガナ点挿」ワ■「オモネル」ト■ヨム。

のどちらかがよいと思います。少し回りくどくなりますが、Bの方が原文に近いと思います。
なお、「阿」を特定する説明に、「阿蘇山」以外に、「阿弥陀」や「阿修羅」などもあります。漢字を特定する際に、固有名詞の理解には個人差がありますので、注意が必要な場合もあります。

44.p111 5.点訳挿入符

もともとぼくには「辞書狂(教)」的なところがある。その「狂」が刺激を受けたのかもしれない。
この原文を点訳する場合、「ジショキョー(キョー)」点挿クルウ■オシエル点挿
でいいのでしょうか?
次の「狂」にも点挿クルウ点挿が必要でしょうか?
また、(教)を勝手に省略してもいいものでしょうか?

【A】

「ジショキョー」点挿「キョー」ワ■「クルウ」、■カッコナイニ■
シューキョーノ■「キョー」点挿テキナ■~
ソノ■「キョー」ガ■~
上記のように考えてみましたが、前後の文脈にあっているでしょうか。
この場合「教」を「オシエル」と書いても、文意が通じないように思いましたので、このようにしてみました。
「辞書狂(教)」とあった場合、「ジショキョー(キョー)」と原文通りに書くとわかりにくくなりますので、点訳挿入符で漢字が二つ書いてあることを示せばよいと思います。

45.p111 5.点訳挿入符

主人公は正美といいます。彼女の父親が正美を主人公にした小説を書きました。ただ、本の中では、雅美になっています。最初に出てくる雅美にだけ、傍点がついています。この場合点訳挿入符で説明を入れる必要はありますか。
漢字の説明をしても仕方ないような気もしますが、入れるとしたらどう説明するのか悩んでいます。

【A】

小説の主人公の漢字を変えたことが、全体の物語の理解に重要な意味がある場合は、説明を入れることになります。
そうでなければ、漢字の説明は必要ないと思いますが、原文に傍点があるのであれば、そこの部分にだけ、漢字が異なることを入れた方がよいかもしれません。
雅美 点挿カンジガ■コトナル点挿
雅美 点挿「マサ」ノ■カンジガ■コトナル点挿
雅美 点挿「マサ」ヲ■「タダシイ」カラ■ユーガノ■「ガ」ニ■カエタ点挿
などが考えられます。
あるいは、雅美 点挿シュジンコートワ■カンジガ■コトナル点挿
などと入れた方が分かりやすい場合もあるかもしれません。

46.p111 5.点訳挿入符

見出しに、漢字を説明する点訳挿入符を添えてもよいですか。

【A】

見出しは目次にも掲載しますし、見出しに点訳挿入符で囲んだ説明があると長くなり煩雑になります。見出しのイメージも変わってしまうと思いますので、できるだけ点挿は入れない方がよいと思います。本文を読めば分かる場合は、必要ありませんし、どうしても必要な場合も、見出しが終わった後に行を替えて点挿を入れるなどの工夫をしたらどうでしょうか。

47.p111 5.点訳挿入符

「載ったら乗らない」という見出しがあります。その意味が本文に、「新聞に書評が載ったので、その新聞に猫を乗せて写真を撮ろうとしても、猫が乗ってくれない」という説明が書かれています。本文中にも、「載ったら、乗らない」という言葉が出てくるので、説明は本文だけでいいですか。
また、「乗る/載る」もあります。/は中点にするつもりですが、ノル(ジョウシャノ■ジョウ)では、新聞に猫が乗るとはちがう意味になってしまうでしょうか。「乗らない」の時はどの位置に説明のカッコを入れたらいいでしょうか。

【A】

見出しには点訳挿入符は入れない方がよいと思います。本文も読めば意味が分かるようでしたら漢字の説明は必要ないと思います。
「乗る/載る」は、点訳挿入符で説明するとしたら、「新聞の上に乗ると新聞に掲載される」のような説明でよい場合もあると思います。漢字の説明が具体的に必要な場合は、ジョーシャノ■ジョート■ケイサイノ■サイのように音読みの違いで説明するのがよいと思います。
「乗らない」は、おそらく文脈で分かるのではないかと思いますが、判断が付かないような場合は、「乗らない」のうしろに、「ウエニ■ノラナイ」または「ノッカラナイ」などと説明を入れることになります。

48.p111 5.点訳挿入符

「かぜがまえ」についてです。『さいはての彼女(原田マハ著)』に「凪」という女の子が〈風を止めたくないので〉「止」を書かない字を使っています。今のところ「(風の字の)かぜがまえ」にしようかと思っていますが、他に良い表現がありましたら教えてください。

【A】

几の形を説明するときに、「かぜがまえ」または「かぜかんむり」と書くのは分かりやすいと思います。
ただ、どのような文脈で出てくるのかによって、点訳挿入符で少し詳しく漢字の説明をした方がよい場合もあると思います。
たとえば、
ナギ点挿ナカノ■「トメル」ヲ■カカナイデ■カゼガマエダケノ■カタチ点挿
ナギ点挿カゼガマエノ■ナカニ■「トメル」ト■カク■「ナギ」ヲ■カゼガマエダケニ■シタ■カタチ点挿
等の説明が必要かもしれません。
文脈によってご検討ください。

49.p111 5.点訳挿入符

次の文章の点訳について質問です。

高天原にあらわれた最初の神は、天之御中主神といいます。
これはどう読むと思いますか?
〈アメノミナカヌシノカミ〉と読むのです。
(出典「古事記ー日本のはじまりー」)

初めの漢字記載の「天之御中主神」の部分の点訳はどのようにするのでしょうか。
あとに出てくる実際の読み〈アメノミナカヌシノカミ〉ではなく、何と読むか質問しているので、漢字の説明を入れる必要があると思いますが、「てんの/おんちゅー/あるじ/かみ((6文字の漢字))」の様な書き方はおかしいでしょうか? 点訳挿入文を入れるにも、点訳挿入文だけでなく、原文の読みを何らかの形で表したものに付けなければいけないと思うので、困ってしまいました。

【A】

アメノ■ミナカヌシノ■カミ点挿カンジ■6ジデ■テン■ノ■オン■ナカ■シュ■カミ点挿ト■イイマス。
のように書いてはどうでしょうか。
最初に答えをいう形になりますが、正しい読みで点訳するのがよいと思います。

50.p111 5.点訳挿入符

最近、1冊の本の中に、読みは同じで漢字が違う人名や地名というのが良く出てきます。本によって、要所要所に点訳挿入符で説明を入れるなどの方法で対処できる場合もありますが、本によっては、一つの場面に頻繁に読みが同じ人物が出てきて会話したり、他の人物とやり取りしたりします。例えば、「○○は△△のもとへ駆け寄る」といった具合です。
1.前置きなく文頭に○○は… △△は… と出てくる文も多いのですが、点字を読む方にとって、文を最後まで読めばどちらの人物か見当がつく場合、注や記号がない方が読みやすいでしょうか。それとも、文頭ですぐにどちらか分かった方が読みやすいでしょうか。
2.区別がつくように工夫する場合、凡例や点注で断ったうえで片方の名をカギで囲むことを考えましたが、第1カギだと、会話文の中では二重カギになり、形が変わります。第2カギだと、1箇所に4マスも増えることになり、煩雑な気がします。どういう記号を使えばいいでしょうか。
ケースバイケースであることはもちろんなのですが、一般的に言ってどうすればよいでしょうか。

【A】

一般に、文章を読めば分かる場合は、注記や記号などで区別をしたりする必要はありません。
また、区別のために何か工夫をする場合でも、毎回入れるのではなく、文章を読んでどうしても分からないときにだけ入れるとよいでしょう。
点訳書凡例などで断って、カギ類などの記号類を用いてもよいのですが、後ろにカッコで囲んで簡潔な説明を入れる方が分かりやすい場合も多いと思います。マス数は少し多くなると思いますが、後ろに付いているカッコは必要のない場合は飛ばして読むことができるので、むしろ便利だと思われます。
カッコの中は、最初に断ってできるだけ簡潔にします。
たとえば、伊達市(北海道と福島)の場合は、北海道の方にダテシ(キタ)としたり、伊達市と伊達氏の場合で区別が付かない場合は、頻度の少ない方に、(チメイ)(ヒト)と入れるなどの工夫をしたらどうでしょうか。
これらも、文脈で判断が付けば入れる必要はありません。

51.p111 5.点訳挿入符

現在、国語関係の読みものを点訳しています。内容は、「漢字の単語について対立する2つの読み方を上げ、どちらが本来的・一般的か論じる」、「漢字の表記や送り仮名について、2~3つの書き方を上げ、どれが適切か論じる」というものです。
見出しには、「不気味」vs「無気味」のようにvsを挟んで対立する語が併記されています。
同じ読みで表記が異なる語が繰り返し出て来る本で、点訳挿入符の入れ方について迷っています。
①点訳挿入符内では、なるべく音を合わせるようにと思って来ましたが、必ずしもそうでなくてもよいのでしょうか。
例えば、「若輩」vs「弱輩」を比較する項で、「若輩(じゃくは自若のじゃく)」「弱輩(じゃくは強弱のじゃく」とするよりも、「若輩(わかい)」「弱輩(よわい)」とした方がわかりやすく、内容も短くなります。
②必要最小限について
点訳挿入符についての質問例の中で、地名「伊達」の書き分けについての解説があり、必要最小限に「伊達(きた)」というような入れ方をしてもよいとされていました。
「不気味」と「無気味」が何度も文中に出てくる場合、最初は「不気味(ぶは不安のふ)」「無気味(ぶは有無のむ)」としますが、2度目以降は「不気味(ふ)」「無気味(む)」まで簡略化することはできますか。
同じく最小限ということでは、「的確」vs「適確」では、1度目は「的確(てきは目的のてき)」「適確(てきは適当のてき)」と入れますが、2度目以降は「的確(目的のてき)」とするか、「的確(目的)」まで簡略化できるのか迷っています。「のてき」の部分はマス開けを挟むこともあり、繰り返し出てくるたびに書くと意外と長くなるので、できることなら省略したいと思うのですが。
③数字の読み方が問題となる語について
例えば「十中八九」は点字では「数10ちゅう■数8数9」と書きますが、「じゅっちゅう」と読むか「じっちゅう」と読むかが問題となる項では、凡例で断った上で、「じゅっちゅう■数8数9」vs「じっちゅう■数8数9」と書き、見出しの最後に2マスあけて点訳挿入符で(数10ちゅう■数8数9)と入れています。
このように取り扱うと決めても、「一人前」を「ひとりまえ」と読むか「いちにんまえ」と読むかの項では、意味の解説の中に「一人分」の意味も、「技能などが人並みであること」の意味も取り上げられており、意味によって点字では数字を使うことも使わないこともあるので、見出しの最後に数字を使った点字表記を併記するべきか迷いがあります。
これらのことについて、凡例で断るなど、わかりやすく処理できる方法はありますでしょうか。

【A】

原本の特徴をよく捉えられており、基本的に、お考えの点訳方法に賛成ですし、その点訳方法で、点字で読んでも理解しやすいと思います。
① 前後の文脈にもよりますが、「輩」の説明がなくてもよければ、「わかい」「よわい」で十分分かると思います。
②「不気味」と「無気味」の2度目以降の簡略化も「ふ」「む」でよいと思います。「的確」「適確」についても、2回目以降は「もくてき」「てきとう」でよいと思います。
③数字の読みについては、原本の性質上、点字では数字で書くか仮名で書くかに厳密にこだわらなくてもよいと思います。「ジッチュー■数8数9」「ジュッチュー■数8数9」と書いてあれば、数字の10であることが分かりますので、点訳挿入符で正しい点字表記を入れなくても内容の理解には影響がないように思います。

52.p111 5.点訳挿入符 【備考1】

花の色はうつりにけりないたずらに我が身
世に経る(降る)眺め(長雨)せしまに
大江山生野(行く野)の道の遠ければまだ
文(踏み)も見ず天の橋立
音で遊ぶ、和歌の掛け詞の例文です。カッコの部分の点訳はどうしたらいいですか。

【A】

まず初めに、途中に点訳挿入符などを入れないで、和歌として点訳します。そして、その後に点訳挿入符で掛詞の説明をします。
ハナノ■イロワ■ウツリニケリナ■イタズラニ■ワガ■ミ■ヨニ■フル■ナガメ■セシ■マニ 点挿 「フル■ナガメ」ワ■「ナガアメガ■フル」ト■カケテ■イル 点挿
オオエヤマ■イクノノ■ミチノ■トオケレバ■マダ■フミモ■ミズ■アマノ■ハシダテ 点挿「イクノ」ヲ■「ユク■ノ」ト■カケ、■テガミノ■フミト■フミイルノ■フミヲ■カケテ■イル 点挿

【新規】 p112 5.点訳挿入符 【備考1】

原本に「作詞した高田ひろお(本名・博雄)さん」とありますが、カッコの中の点訳の方法を教えてください。

【A】

この原本で、「ひろお」と「博雄」の表記の違いについて言及している箇所がなければ、(本名・博雄)の部分は点訳しないで、「タカダ■ヒロオ■サン」だけでよいと思います。本名が漢字であることを説明する必要がある場合は
タカダ■ヒロオ点挿ヒラガナ、■カッコナイニ■ホンミョー■カンジ点挿
または
タカダ■ヒロオ点挿ヒラガナ、■カッコナイニ■ホンミョー、■カンジデ■ハクシノ■「ハク」ニ■エイユーノ■「ユー」点挿
など、必要に応じて入れることになります。
ただ、これだけ説明するのに1行以上を要しますので、特に必要がない場合は、漢字の説明は省略してよいと思います。

53.p112 5.点訳挿入符 【備考2】

②③⑤⑥の点が3マス連続する状態で用いることができないために回避する方法が示されていますが、具体的な事例を示していただけないでしょうか。

【A】

(胸部)のようにカッコ内に書かれた語に点訳挿入符で「ムネノ■ブ」と説明を補う場合、キョーブの直後に入れると、点訳挿入符の閉じ記号と第1カッコの閉じ記号が連続します。このようなときは、いったん(キョーブ)と書いてカッコを閉じた後に、一マスあけて点訳挿入符を開きます。このように、一方の閉じ記号と一方の開き記号が連続する場合は、間をマスあけします。開き記号どうし、閉じ記号どうしが連続する場合に間をマスあけすることはできませんので、点訳挿入符内の文章表現を工夫するなどします。たとえば点訳挿入符内に「(1)は~」などと記載する場合、「イカノ■(1)ワ~」とカッコ前に言葉をつけたり、「~は割合(%)」であることを記載する場合、「~ワ■ワリアイ、■タンイ■外p」とカッコを用いずに書いたり、閉じカッコのあとに句点を付けて点訳挿入符を閉じるなど、点訳挿入符の内側に第1カッコが接しないように工夫します。

54.p112 5.点訳挿入符 【備考2】

次のような文章で、視線(指線)の部分の点訳ですが、カッコ内に点訳挿入符を使おうと思うと閉じカッコとの関係で使えないのですが、このような場合はどうしたらよいのでしょうか。
本のページの手触りを意識し、視線(指線)で活字を追いながら、紙上ワークショップをお楽しみください!

【A】

このような場合、シセン(シセン)と書いても、同じ読みの繰り返しで、分かりにくいだけですので、
シセン点挿ミル■セン、■カッコナイニ■ユビノ■セン点挿
などのように、同じ読みの語がカッコ内に書かれていることを説明するとよいと思います。

55.p112 6.段落挿入符

『指導者ハンドブック 第4章』のp30の例の回答p102を見ますと、7マス目見出しと5マス目見出しの間に段落挿入符で前文のようなものが書かれています。
この際7マス目見出しと5マス目見出しを行あけせず続けて書かれていますが、5マス目見出しの前を行あけすると間違いになるのでしょうか。p31のポイント解説にありますように、段落挿入符を使わない場合は行あけするということでしょうか。
これまでこの種の前文は7マス目見出しの内容と考え、段落挿入符を使った場合も、5マス目見出しの前を行あけしていました。

【A】

行あけしても構いません。
段落挿入符は囲みの記号で初めと終わりがはっきりしているので、見出しの上でも行あけしない例を載せました。また、4章ではまだ見出しの書き方も学んでいないので、単に記号を用いる練習という意味でもこのような形にしています。
5マス目からの見出しの前で1行あけて構いませんし、このような例で必ずしも段落挿入符を用いる必要はありません。