第4章 記号類の使い方(4)

その4 伏せ字とマーク類

1.p116 1.伏せ字

「〇×△〇×□△?」のように、聞き取れない外国語を〇や×を用いて表現しているところがありました。この場合、点線に置き換え、文脈から「何かは言っているけど分からない」ということは読み取れますので、とくに点訳挿入符で囲む説明も入れずに処理しようと思っています。ただ、けたたましく何かを言われている場面なのに、点線に置き換えてしまうと黙り込んだ感じで、雰囲気が違うようにも思います。
また、点線以外に、棒線などの記号も使用できるのでしょうか?

【A】

点線以外に棒線を使うことも考えられますが、棒線を使用しても、点線以上の効果はないと思われます。「Q&A第2集」のQ101にもありますように、点線で書いた上で、必要であれば点訳挿入符で原文の意図を補うのがよいと思います。
この本の場合は、前後の文脈でわかるようですので、点訳挿入符は入れないという判断でかまわないと思います。

2.p116 1.伏せ字

伏せ字記号の「その他 ⑤の点モ」は、どういう場合に使うのでしょうか。黒塗りの「▲」、「●」「■」などのどれにも使用してよいのでしょうか。
下記のように伏せ字で住所を記載してある場合、マスあけ・数符の位置など、どのように点訳したらよいでしょうか?
京都市〇〇区〇〇×丁目×番×
京都市〇〇区〇〇×-×-×-▲▲号室
また、以下の場合はどうしたらよいでしょうか。
床面積1階 ×××.××㎡
鉱物標本1箱「△△△△」

【A】

点字の伏せ字は、墨字の伏せ字の形に対応させて用いるのが原則ですので、殆ど○、△、□、×で間に合うと思いますし、▲や■が用いられていても、原文に△、□が用いられていなければ、点字の△、□の記号を用いてよいと思います。
「その他」の伏せ字は、4種類の伏せ字を用いたほかに必要な場合の予備として考えておけばよいと思います。
墨字の伏せ字には、○・△・□・×のほか、下駄記号(〓)やアスタリスク(*)などが用いられることがあります。特に、4種類の伏せ字とは異なることを示す必要がある場合には、「その他」の伏せ字記号を用いてもよいと思いますが、原本で用いられている伏せ字が*だけであれば、それを伏せ字記号の×(⑤メ)で表して構いません。
○か×がもっともなじみのある記号ですので、分かりやすい記号を用いるのが点字の読みやすさにつながると思います。
数字の部分に伏せ字の○や×が用いられていても、特に数符を補う必要はありません。数字の一部が伏せ字であったり、数符の後で数字の中に用いる記号(小数点や位取り点など)が伏せ字の中に用いられている場合に、「てびき」p116 1.(3)にしたがって点訳します。ご質問の中では、床面積にだけ数符を用います。

ご質問の住所を点訳すると以下のようになると思います。
原文の内容と異なっているかもしれませんが、○○が文字、×が数字と考えて書いてみました。= は第1つなぎ符、数は数符です。
▲号室は、数字かどうか分かりませんので、△記号を用いて前を一マスあけましたが、原文と異なっている場合は、原文に合わせてください。

キョートシ■⑤マ⑤マ=ク■⑤マ⑤マ■⑤メ=チョーメ■⑤メ=バン■⑤メ
キョートシ■⑤マ⑤マ=ク■⑤マ⑤マ■⑤メ=⑤メ=⑤メ■⑤ミ⑤ミ=ゴーシツ
床面積1階 数⑤メ⑤メ⑤メ②の点⑤メ⑤メ外mキ
②の点は小数点です。鉱物標本については、第1カギの中に⑤ミを原文の数だけ書きます。

3.p116 1.伏せ字

伏せ字記号以外のマークを伏せ字に用いている場合は どうしたらよいですか?
例1: **市
例2: ■■町

【A】

伏せ字の記号は、墨字の形にほぼ対応させますが、完全に対応させる必要はありません。
点字の伏せ字記号は、⑤の点にマ、⑤の点にメが最も一般的ですので、この原文でこれらの記号が用いられていなければ、⑤の点にマ、⑤の点にメを用いてよいと思います。これらが使われていれば、ほかの伏せ字記号を用い、4種類とも使われていれば、その他の伏せ字記号(⑤の点にモ)を用います。

4.p116 1.伏せ字

伏字の直後にカッコがある場合、
「今に莫大な利権が×××(とれる)からとて、全国民がただ一本調子に歓喜するのみなるは決して正義の日本の誇るべき姿ではない」
前文に伏字交じりの文章となっているので、(とれる)は伏字xxxの説明文だと思います。
伏字の後のカッコは続けていいのでしょうか。

【A】

この場合のカッコは、前の語の注釈的説明になりますので、伏せ字に続けて書いてよいと思います。
伏せ字やマーク類は、文章記号ではなく文字の代わりですので、記号類の中や、記号類と接するときには、他の文字と同じように扱います。
なお、参考まで申し上げますと、「てびき3版Q&A第2集」Q96にも、同じQ&Aがあります。

5.p116 1.伏せ字

「○○フェア」という語がでてきました。
「○○フェア」については、「てびき」p94の「その他の固有名詞」に含まれると考えていいのかなと思いましたが、「○○ジャム」は商品名?などを考えていたら、だんだんわからなくなってきました。
「○○ミス」という語があった場合、「○○」が「計算」なら「ケイサン■ミス」、「○○」が「凡」だったら「ボンミス」になります。
それがはっきりしない「○○」という伏せ字だったら、「○○■ミス」としてもいいでしょうか。伏せ字は区切る成分と判断してもいいでしょうか。

【A】

伏せ字は、「一続きに書き表すべき1語中」の文字との間を続けて書く(後ろが仮名なら第1つなぎ符を用いる)わけですので、「一続きに書き表すべき1語中」と言えない場合は、後ろの文字との間をマスあけをして書くことになります。
前後の文脈から伏せられている言葉や数字などが明らかに分かる場合は、一続きに書くべきかどうか判断できますが、分からない場合は、前後の言葉との間はマスあけすることになると思います。

6.p116 1.伏せ字 【備考2】

以下のような文があった場合、「京都 × SDGs」をどう点訳すればよいでしょうか。
対抗戦の「対」のような意味で使われているのではなく、コラボのような意味に使われているのではと思います。

「◯◯市 × SDGs」をテーマに、SDGsのうち最も興味のある項目を
「My SDGs」として選び、より良い○○市をつくるために~

【A】

「○○×SDGs」は、○○の部分にあらゆる組織を入れて、広範に使われています。
ここは、「×」をそのまま「カケル」と読んだ方が分かりやすいと思います。
「京都創成■カケル■外大大SDG外s」
「外務省■カケル■外大大SDG外s」
などです。

7.p116 1.伏せ字 【備考2】

「○○市×SDGs」の点訳例として「×」を「カケル」とするとありましたが、次のような場合も同様に考えていいのでしょうか。
対談を表す文章中、見出し語で「山本×鎌田」とある場合、「ヤマモト■カケル■カマタ」と点訳していいのでしょうか。

【A】

「×」が、伏せ字記号以外の働きで用いられている場合は、省略したり、その形の読みを書くのが一般的ですが、対談の場合は、マスあけまたは中点に代える方法が多く採られています。マスあけだけでは、わかりにくいこともありますので、
ヤマモト・■カマタ
のように書くのがよいと思います。

【新規】 p116 4.伏せ字とマーク類 【備考2】

以下の文章の『I×L×P×RECORDS』と『×』の×は、どういう風に点訳すれば良いでしょうか?

ちなみに流通をかけるにあたり我々は会社を作った。CDに記載した際にちゃんとしてる感がでるし、ここらで何か旗揚げしましょ、という気概のもとだ。もちろん事務所をかまえたりはしない、というか全然できない。名義上存在するだけのかいしゃではあったのだが、勝ってもいないのに兜の緒を締める屋号として、我々の大きな覚悟になった。
『I×L×P×RECORDS』
アイラヴポップミュージックの頭文字。『×』はハードコアパンクみたいでかっこいいからというふわっとした私の独断。
メジャーを離れてSUPER BEAVER自主レーベル設立。

【A】

全体を外国語引用符で囲み、×のところはマスあけにして、点訳挿入符で、一マスあいているところにはカケルの記号があることを断るのが、一般的な書き方になると思います。
引大I■大L■大P■大大RECORDS引■点挿マスガ■アイテ■イル■トコロニ■ソレゾレ■カケルノ■キゴーガ■アル点挿
となります。
なお、これに合わせて後ろの『×』も「カケルノ■キゴー」と書くのがよいと思います

8.p116 1.伏せ字 (3)

TEL:03-****-****のような場合と異なり、〒***-****のように郵便番号全体が伏せられている場合は数符を前置した伏せ字にしなくてもよいでしょうか。「Q&A第2集」Q95の解説に「電話番号のように数字が伏せられていることが明らかな場合は数符を入れます」とありますが、それは伏字の前や後ろに数字が入っている場合のこととして考えてよいですか。

【A】

数符を入れなくても間違いではないと思いますが、〒のあとには7桁の数字が来ることが分かっていますので、数符を入れた方が、郵便番号として読みやすいと思います。
ユー■数⑤メ⑤メ⑤メ=数⑤メ⑤メ⑤メ⑤メ

9.p117  3.ナンバーマーク

「C#」の書き方について質問します。
書名が「なるほどなっとくC#入門」となっています。
「C#」の書き方は、サピエにあるデータを見ると「外大C外ク」と書かれているようです。「外ク」はナンバマークか、ハッシュタグにしかならないと思いますが、プログラミング言語であれば、そういう使い方もできるということでしょうか?

【A】

おっしゃるとおり、「外ク」は、ナンバーマーまたはハッシュタグに用いる記号ですので、「C#」にそのまま用いることは適切ではないと思います。
一般書では、読みの通りに「外大C■シャープ」と書くのがよいと思います。
ただ、#が、音楽記号のシャープではなく、形の上ではナンバーマークが用いられているので、この表現が頻繁に出てくる専門書などでは、「C#」の読みが「シーシャープ」であることを一度書いた上で、点訳書凡例などで断って「外大C外ク」と書く方法もあると思います。
シャープ(♯)がキーボード上に対応するキーがないことなどの理由で、#を用いたという理由もあるようですので、プログラミングの専門書などでは、断った上で、簡略に表す方法もあると思います。

10.p118 3.ナンバーマーク (3)

一般書の本文中に「#ColorHasNoGender」の英文があり、単語の間がマスあけがなく書かれています。
「てびき4版」p138[参考]には英語点字ではマスあけは基本的には原文通り。
「やさしい英語点字入門」p82 1.には英語点字では単語と単語の間は一マスあけるのが原則
とあります。今回の場合はどのように書いたらよいのでしょうか。

【A】

#ColorHasNoGender は、ハッシュタグを付けた語句で、#の後ろのアルファベットは一続きに書くことがルールになっています。スペースを入れるとそこで一つのハッシュタグが終わることになりますので、ハッシュタグとして書く場合は原文通り一続きに書きます。
一般書の中では
⑤⑥ク■引大Color大Has大No大Gender引
または、全体をアドレス囲み符号で囲んで
⑥②③⑥ク大Color大Has大No大Gender⑥③⑤⑥
となります。
なお、『やさしい英語点字入門』は英語点字の基礎が説明してあって分かりやすい本ですが、「はじめに」にあるように、「点訳」の入門書ではなく「点字を使う人」のために書かれたものです。「本書は英語点字を初めて学ぶ方を主な対象としていますので、表記規則の細部まではカバーしていません。」と書いてありますので、この本の特徴を理解した上で使用されるとよいと思います。