第4章 記号類の使い方(5)

その5 その他の記号類

1.p121 2.小見出し符類

以下の我が町の広報の記事の点訳についての質問です。
ほぼ掲載記事のままに記します。
(時)3月28(土)午前10時30分
~正午(開場は午前10時15分) (所)
福祉会館(市民会館隣) (内)曲目:
いのちの歌、群青、パプリカほ
か、出演:若井有里亜(指揮)、西
元真澄(ピアノ)、上原千穂(バイ
オリン) (問) ▲▲少年少女合唱団
◯本 ?? 090-××××-
××××
以上の記事です。
実際の記事と全く同じには表せていませんが、ほぼこんな感じの記事です。
なお、(時)、(所)、(内)、(問)は、日時、会場、内容、問い合わせ先の略記号を記事には使っています。
今回お伺いしたいのは、内容の曲目の箇所のコロンについての点訳です。
この場合のコロンの点訳をどのようにと迷います。
■■(ナイヨー)■キョクモク第1小見出し符■イノチノ■ウタ・・・
■■シュツエン第1小見出し符■ワカイ■ユリア(シキ)、■ニシモト・・・
の点訳でよいでしょうか。
それともコロンを
(ナイヨー)■キョクモク■ーー■イノチノ■ウタ・・・
と続けてよいでしょうか。
また、「てびき」にあるように、2マスあけも可でしょうか。
この記事が 「てびき」p123やp173の文例と同じ例であるのか迷い質問させていただきました。

【A】

この項目の中では、(時)(所)(内)が大きい見出しで、曲目、出演はその下の見出しです。また、広報などではこのような小さいお知らせが、毎号決まった形式で大量に入ります。(時)(所)をカッコで囲んで書く書き方も毎号同じように点訳されていると思いますので、変えるわけにはいかないと思います。
このような条件のもとでお答えしますと、小見出し符類は使えないことになります。二マスあけは分かりにくいので、棒線を使う方がよいと思います。
または、「曲目」「出演」をカギ類で囲んで、そのあとを一マスあけにする方法もよいかもしれません。
また、継続して点訳されているのであれば、このような書き方は毎号のように出てきますので、特例として(発行者に断って)、助詞を補って、
「キョクモクワ■~。■■シュツエンワ■~」と書く書き方もあります。
そのほうが分かりやすいのではないでしょうか?

2.p121 2.小見出し符類

小見出し符の使い方で、「てびき」p121のように行あけをせずに書く場合もあります。また、小見出し符を用いて書いた本文が終了して、次の小見出し符を使って本文を書く際に、前を1行あけて書くこともあります。
上記のように前を1行あけて書く用い方はどんな場合でしょうか?
小見出し符の後の本文が点訳で5~6行に渡る場合など、何か基準があればお教えください。

【A】

特に基準はありませんが、小見出し符は読み始めるときには印がなく、語や文を最後まで読んでから今読んだものが小見出しだったと後で分かるという特徴があります。ですから、原文で1行あいている場合はもちろん、小見出し符の後の本文が長い場合、見出しの種類が多く、本来なら5マス目から書くような見出しに小見出し符を用いた場合など、読みやすさを考えて1行あけるとよいと思います。
また、小見出し符の後、一マスあけで本文を書くのではなく、改行して次の行から本文を書く場合は、一つの小見出しの範囲が終わって次の小見出しに移る際に行あけがあった方が親切です。

3.p121 2.小見出し符類

小見出し符を使った文章をインデントにできますか。
小見出し符は3マス目から書いたものに使いますが、インデントですと5マス目になってしまいます。インデントにしないで行あけだけにした方がよいのでしょうか。

【A】

小見出し符は3マス目から書く見出しの後ろに付ける記号ですので、5マス目から書く見出しの後ろに付けることはできません。
小見出し符を含む文章には、インデントは用いないのがよいと思います。
小見出し符があるのですから、全体に下げて書かなくても、読むのに不都合はないように思います。

4.p121 2.小見出し符類

「てびき」p122のコラム24に「囲みの記号の中でコロンが使われている場合は、小見出し符類を用いることはできない」とありますが、コロンでなければ小見出し符を使っていいのですか。段落挿入符の中で小見出し符を用いることは可能ですか。

【A】

囲みの記号の中で小見出し符類を使用することはできません。
p121 (2)に、「3マス目から見出しを書き~」とありますので、見出しの前に囲みの記号などがある場合は、小見出し符を用いることはできません。
段落挿入符の中でも、小見出し符類は用いることはできません。

5.p122 2.小見出し符類 【備考】

小見出し符は行の途中で用いることはできないと書かれていますが、次のような用い方はできるのでしょうか。銀行の資産などに関する表を書くにあたっての点訳挿入符内の説明です。(...)は小見出し符です。
((順位■■銀行名■国名...■総資産、■人口、■100万人当たりの資産の順に記す))

【A】

点訳挿入符の中でも小見出し符を用いることはできません。
また、ご質問の例の場合は、国名に小見出し符がついていますので、点訳挿入符の中でなくても小見出し符類を用いるのは問題があると思います。
((銀行名(国名)を小見出しとし、総資産、■人口、■100万人当たりの資産の順に記す。行頭の数字は順位。))
のように書いて、数字にピリオドを付け、国名をカッコ内に書けば、3マス目から始まる見出しに小見出し符を付けたことになりますので、小見出し符を用いることはできます。

6.p122 「コラム24」

英語表記にはセミコロンがありますが、日本語表記ではセミコロンはどうすればよいのでしょうか?
例 1999;17(3):34
JAMA2000;371:m3939
Lancet1918;2:694 の場合は外引符を使い英語表記できるのですが、外字符や数字のみの場合はどうなるのでしょうか。

【A】

日本語の記号にはセミコロンはありませんので、「コラム24」の「墨字のハイフンやコロン」と同じようにマスあけに代えたり、適切な日本語の記号に置き換えたりすることになります。セミコロンは、コロンより小さな区切りですので、一マスあけ以外は、二マスあけか、読点などが考えられます。
ご質問の例は、上は、参考書籍などの発行年や巻数(号数)などを書いたものだと思いますので、一マスあけでよいと思います。
下の例は、米国医師会雑誌掲載の研究論文の識別番号だと思いますので、これも一マスあけでよいと思います。

7. p123  3.文中注記符

原文の注記が*や※ではなく、(1)(2)や1.2.・・・のように書いてある場合は、どのように点訳すればいいでしょうか。

【A】

墨字では「てびき」p124の例のように「* 1」の形や、(注1)(1)など様々な形が見受けられますが、原本でどのように書かれているかに関わらず、語や文をマークしておいて後で説明を記載する方式で処理する場合に、点字では文中注記符を用います。なお、原文で(注1)のようにカッコに囲まれているからといって、文中注記符をカッコに囲む必要はありません。文中注記符だけを書きます。
文中注記符を用いる場合は、注の説明を書く箇所でも、墨字原本の書き方に関わらず、文中に用いた文中注記符を冒頭に記載して、対応を明らかにします。「てびき」p124の例でも、墨字原文では冒頭に「注1」とありますが、点訳例では数字をはさんだ文中注記符になっています。

8.p123 3.文中注記符

注の説明を表記する位置について質問いたします。
各章毎に注番号がふってあり、その説明が各章の最後に載っている原本です。点訳でも各章の終りに説明を載せます。
章の途中で分冊した場合、注が記載された巻に、その説明も記載するのがよいと思いますが、章の途中で分冊した、巻の最後に、その巻記載の説明を載せてよいのでしょうか。
また、章の途中で分冊した場合、注の番号を振り直す必要がないでしょうか。

【A】

原本の注に文中注記符を付ける場合、その説明の記載場所については、いくつかの方法がありますので、必要に応じて点訳書凡例で断わることになります。
原本の通りに番号を振って、原本通りの位置にその説明を載せた場合、文中注記符とその説明の巻が異なる場合も出てくると思います。
あくまでも原本通りにしてもよいですし、章の途中であっても、その巻の巻末に説明を載せてもよいと思います。たとえば、参考文献や引用文献のようなものでしたら、巻をまたいでも特に不便は感じないと思いますが、語の説明などで、どうしても、そこで注の説明を読んでほしいという場合は、巻末に入れてもいいと思います。
その場合、「てびき」p124 (7)に準じて、点訳書凡例を付けた方がいいと思います。
注の番号を振り直す必要はないと思いますが、注の数が非常に多い場合や、各巻巻末に説明を載せる場合などには振り直してもいいと思います。文中注記符とその説明が支障なく見つけられるようにすることが大切です。

9.p123 3.文中注記符

文学作品の注記の書き方についてお尋ねします。
各作品の最後にまとめて説明が記載してありますが、一言程度の短い説明は、文中に挿入しても構わないでしょうか。その際、説明文は簡略化できますか。例えば、文末の「こと」という語を省略するなど。
その語源が英語やフランス語という付記もありますが、これは省略できますか。
原文のままで点訳するべきか迷っています。

【A】

文学作品ですから、原文のとおりに点訳するのがよいと思います。原文の一部を省略したりすることは、原則として避けます。原文を省略するのは、墨字特有の表現で点字では影響のないものなどに限られます。「語源がフランス語」などは、墨字特有のものではありませんので、注記として書いてあれば省略しない方がよいと思います。
短い注記を、文中注記符を用いずに、該当する語の直後にカッコで囲んで記す処理をすることはできます。しかし、短いといっても、注記を挿入することは文の流れを中断しますので、十分注意したほうがよいと思います。

10. p124  3.文中注記符 【処理2】

《[1-1]などの表記は、各章末に出典やURLを示しています。》とあり、
…後押しする[1-1]。 …増加しています[1-2]。といった書き方がされています。
[ ]を文中注記符にすることはできますか。文中注記符の間には数字以外は入れることができないということですが、つなぎ符が入っているこのような場合は、第1カッコを使った方がよいのでしょうか。章末には出典として、1-1、1-2というように書かれており、囲みの[  ]がないのですが、その場合文中注記符、またはカッコをつけた方がよいのでしょうか。

【A】

文中注記符の中には数字以外は使用することができませんので、[1-1]をそのままでは文中注記符にすることはできません。
ですが、この場合は、文中注記符を用いて処理するのが適していますので、1-1、1-2などの書き方を変える工夫をする方がよいと思います。
おそらく、このハイフンの前の数字は、各章の1節、2節や見出し番号などを表しているのではないかと思いますので、その区切りごとに、文中注記符の番号を付けていくことにすれば、数字だけで十分後ろの説明と対応できると思います。
各章末の注記の説明のところで、各番号の区切り目に、1節、2節などを小見出し扱いで入れるなどの工夫をすればよいと思います。
または、そのような処理ができない場合は、ハイフンの後ろの数字が2桁以内であれば、[101][102]などの3桁の数字で表すこともできます。
注記の説明を入れるところでは、「てびき」p124の例のように、文中注記符を付けて番号を書きます。

11.p125 4.星印

朝日新聞土曜版be1面に、
くまもと☆農家ハンター代表 宮川 将人さん(41歳)
とあり、以下、本文が続いて、最後の文に、
名前の「☆」にそんな思いを込めている。
とあります。この星印は、どうすればいいでしょうか。
第1星印を使っていいでしょうか? 二つめの星印は、使い分けが必要ですか。

【A】

この☆には、星印を使うことはできません。
星印は「てびき」p125にあるように、段落や箇条の「前」に用います。普通の文章では、行頭3マス目から書くことに決まっています。(挿入文などを全体に二マス下げて書く場合は、5マス目になります。)
ですから、この例のように語の間に用いられている場合は、マスあけに代えます。そして、必要な場合は点訳挿入符で、そこに星印が付いていることを説明します。
この場合は、最後の文の関係で
クマモトト■ノーカノ■アイダニ■ホシジルシ
のような、説明が必要になります。
そして、最後の文は
ナマエノ■「ホシジルシ」ニ■ソンナ■オモイヲ■コメテ■イル。
と点訳します。

12.p127 6.スラッシュ 「コラム25」

on/off はそれぞれ外国語引用符で囲って間をマスあけとしていますが、全体を外国語引用符で囲って英語点字のスラッシュを使うのは間違いでしょうか

【A】

間違いではありませんが、英語のスラッシュは、読み慣れていない方も多いので、「てびき」に書かれている方法が、一般書の処理としてはもっとも分かりやすいと思います。

13.p127 6.スラッシュ 「コラム25」

外国の読み物を翻訳した原本に「何が起こることを望んで/期待していますか?」「その望み/期待は現実的ですか?」等質問になっている文があります。中点、マスあけなどで対処するのが一般的だと思うのですが言葉に置き換えることはできますか。または他にいい方法があるでしょうか。

【A】

スラッシュは、一般にはマスあけか、中点などの記号などに代えます。
この原本の場合は、原語では「or」の意味のスラッシュが用いられていて、訳者がそのまま「/」を使用しているのだと思います。
しかし、「望み」と「期待」は似たような言葉ですので、そのままマスあけや中点などで並べて書いても読みにくくはないように思います。この場合は、マスあけするか、中点を用いて並べて書くことをお勧めします。

これが、「期待」と「失望」や「on」と「off」のように、対義語であったり、二者択一を求めるような場合であれば、マスあけだけでは文の流れが不自然になりますので、何らかの工夫をしなければならないと思います。
この本で、ほかにもこのような「/」が用いられている箇所があり、文の流れが不自然になる場合には、以下のような方法が考えられます。
1.「てびき」p128の「コラム25」の「する/しない」のように全体をカギで囲む。
「コラム」の例は、原本にカギがありますが、原本に無い場合でもカギで囲む。
2.「マタワ」「or」などをカッコ類で囲んで補う。
キタイ■(マタワ)■シツボー
3.英語の中学生の学習書などでは、he[she]is~ のように、英語の角括弧を用いたり、対応する訳文に カレ(カノジョ)ワ■~デス。のように第1カッコを用いたりします。ただ、日本語のカッコ類は、英語の角括弧とは働きが異なり、前の語の注釈的説明の意味合いになりますので、このような場合以外はあまりお勧めしません。

14.p127 6.スラッシュ 「コラム25」

認知症の症状を整理してある原本での記号の処理について。
①性格の変化…温和→怒りっぽくなる/陽気→陰気/活動的→無気力
②実行機能障害…何かを行なうためのプロセス、段取りがわからなくなる
スラッシュを二マスあけに代えるか、スラッシュを一マスあけにして、「温和→怒りっぽくなる」■「陽気→陰気」のように、語句の塊をカギで囲むことなどを考えてみました。

【A】

①性格の変化…温和→怒りっぽくなる/陽気→陰気/活動的→無気力
この場合は、スラッシュの位置を二マスあけにするのが、一般的な処理でそれでもよいと思います。ですが、スラッシュの位置で行が移ると二マスあけの効果がなくなりますので、
「温和→怒りっぽくなる」■「陽気→陰気」■「活動的→無気力」
と書くと、その心配もなくなり、より分かりやすくなります。
「てびき」p127「コラム25」には、《仮名の語句と語句の間や、・・・その部分をマスあけに代えたり・・・中点や読点、コンマ、カッコ類などの記号に置き換えます。》とありますので、カギ類で囲むことも工夫の一つと言えると思います。

15.p128 7.空欄符号

(1)メール文テンプレートの作り方の解説中に
宛名や商品名など、その都度書き変える必要があるものは
「●●●●●」で表示するなど、視覚的に注意が向くように
して、書き換えを忘れない工夫を。
と、あります。
この「●●●●●」部分の「●」は 伏字記号以外の働きで用いられている記号だと思うので、「イツツノ クロマル」などと書くのだと思います。その際、点訳挿入符やカッコに入れて書くなどしたほうが良いのでしょうか。そのまま、記号の読みに置き換えるだけで良いのでしょうか。
(2)また、後に出てくる そのテンプレート文例中には、以下の例のように「●●●●●」や「●」が何カ所にも書かれています。
「●●●●●」の新商品発表会を・・・
日時 ●月●日(●) ●~●時
場所 ●●●●●

このテンプレート文例中の「●」部分も「イツツノ クロマル」や「クロマル」と書くのは、読みづらい気がするのですが、どのように表したら良いか、良い考えが思いつきません。点訳挿入符で断り、「⑤の点 マ」などを使用しても良いのでしょうか。

【A】

このような●は、ここに読者(使用者)が具体的な言葉や数字を入れる箇所ですので、空欄符号を用いるのがよいと思います。
点訳書凡例で、《原文で、●で表されているところは、④⑤⑥フフニ の記号を用いた。》のように断わり、空欄符号で書きます。
殆ど基本的な空欄符号を用いますが、特に長い文章を入れるような所は、「フ」の数を増やしてもよいと思います。
また、文字数が具体的に示されているような場合は、「フ」の数で調整するより、カッコで囲んで、「漢字2文字に相当する語」「仮名で2文字」などと添えた方が分かりやすいかも知れません。
ただ、点字の場合は墨字と文字数が異なりますので、あまりそこにこだわらず、●月●日も、基本的な空欄記号で書きます。