第5章 書き方の形式(2)
その2 見出しの書き方
1.p154 1.見出しの書き出し位置
見出しの大きさが1種類の場合は、見出しを7マス目から書き始めることを原則とするとありますが、見出しの種類が2種類の場合は、書き出し位置の決まりはありますか。また、見出しの種類が3種類の場合、「はじめに」、「あとがき」、「著者紹介」などは一番大きな見出しに合わせるのでしょうか。
【A】
見出しの書き出し位置は、7マス目から書き出す見出しを基本と考え、それより小さい見出しは5マス目から、それより大きな見出しは9マス目から書き出します。
その本の中で、基本的な見出しを7マス目からとし、(1)(2)の番号が付いていたり、行頭から本文と同じ文字の大きさで書いてあったりする場合は5マス目からでいいと思いますし、原本でページが替えてあったり、1頁に見出しだけが書いてあったり、第○章などの語が付いている場合は9マス目から書く見出しにするなどと判断します。
「はじめに」「あとがき」「著者紹介」などは、その本の中の最も大きい見出しにあわせるのが一般的です。
2.p154 1.見出しの書き出し位置
原本で1番目の大見出しには、その下に中見出しと、小見出しがあるので、それぞれ、9,7,5マス目書き出しとしました。
次の大見出しには、中見出しがなく、小見出しと同じ形式の見出しのみとなっています。
このようなときは、9,5マス目書き出しとするべきでしょうか。それとも、9,7マス目書き出しとするのでしょうか。。
【A】
原本の中で、大見出し、中見出し、小見出しの書き方が定まっているのでしたら、9マス目の次に5マス目見出しもあると思います。
「てびき」の場合も、2章・3章と1章・4章・5章では見出しの段階の数が異なりますが、見出しの大きさによって、行頭のマスアケを揃えています。
3.p154 1.見出しの書き出し位置
①7マス目からの見出し ②5マス目からの見出し ③「5マス目からの見出し」④小見出し、としたとき、③と④の間にある見出しはどうしたらよいでしょうか。
例えば、「3マス目からの見出し」というのはありませんか。
【A】
3マス目から始まる見出しは、小見出し符を付けた見出しになります。点字では、そのほかに3マス目から始まる見出しはありません。
以下にいくつか考えられる方法を書いてみます。
1.最も大きい見出しを9マス目からにする方法があります。
2.この原本の見出しに、第1章、第1節、1.2.などの言葉や番号が付いていれば、「てびき」p155 (3)から、複数段階に7マス目見出しを用いることができます。
例えば ①7マス目から、第1章~、②7マス目から、第1節~、③7マス目から 1.~ ④5マス目から (1)~、⑤小見出し
などとできます。
3.番号などが付いていない場合、7マス目からの見出しにもカギ類などを用いる方法もあります。
4.あまりお勧めではありませんが、第1小見出し符を用いた見出しの下に、第2小見出し符を用いることもできます。
なお、「点訳のてびき第3版Q&A第2集」Q116では、見出しの段階を示す数字などがない場合の工夫として、《行頭のあけ幅が同じでも、より大きい見出しにカギ類を付ける、より小さい見出しを棒線で囲む、またはカッコ類で囲むなどの方法》があることを示しています。
最も大きい見出しを9マス目からにするのが、もっとも望ましい方法で、それ以上必要な場合は、そのほかの方法も考えてみてください。
4.p154 1.見出しの書き出し位置
見出しの大きさが2種類の場合、7マス目と5マス目見出しにしなくてはいけないのでしょうか。9マス目、7マス目見出しにしてもよいのでしょうか
【A】
9マス目と7マス目の見出しにしてもかまいません。
標準の見出しを7マス目からと考えるとよいと思います。
標準の見出しを7マス目からにして、それよりも小さい、分量の少ない短い見出しが並んでいるような原本でしたら、7マス目と5マス目とし、
7マス目からの見出しより、大きい、例えば、「○○章~」のような見出しや、ページ替えをするような大きな見出しがある場合は、9マス目と7マス目というような決め方でも良いと思います。
7マス目と5マス目、9マス目と7マス目のどちらにしなければならないという規則はありません。
5.p154 1.見出しの書き出し位置
7マス目からの見出しと5マス目からの見出しを使っているとした時に、原本の最後に参考文献や年表、参考資料などがある場合、見出しを著者紹介等と同じように7マス目から書いてよいですか。5マス見出しにすると、その直前の7マス見出しの中の見出しのように思えてしまいます。
【A】
原本全体の参考文献や年表、参考資料であれば、大きい見出しと揃えて書きます。ご質問の場合は、7マス目から書くことになります。
6.p154 1.見出しの書き出し位置
原本の目次に出ていない見出しが、文中にたくさんある場合は、小見出しを使って点訳すべきでしょうか。以下のような場合ですが、
1章 見出しA
1.1 見出しa1
1.2 見出しa2
1.3 見出しa3
2章 見出しB
2.1 見出しb1
で、本文中には見出しa1、a2の中に見出しがたくさんあります。
【A】
点訳書の見出しの大きさを考える場合は、本文の見出しにそって考えます。ご質問の原本は、本文には3段階の見出しがあり、第1章、第2章の見出しの下に、1.2.3.の見出しがあり、その下にさらに小さい見出しがあるとのことです。
この場合は、最も小さい見出しを5マス目からの見出しとし、1.2.の見出しを7マス目から、第1章、第2章を9マス目からの見出しとします。
そして目次には、原本にはなくても5マス目からの見出しも載せてもよいのです。
点訳書の目次は点訳書独自のものですので、原本の目次にかかわらず、点訳書の本文に準じて作成します。
7.p154 1.見出しの書き出し位置
本文の見出しは2段階(7マス目と5マス目)で目次は大見出しのみです。目次にはない項目が二つあります。
・前書きの前にページ替えで
バチカン市国(太字、見出し)次行から
人口(太字):615人
面積(太字):約0.44平方キロメートル
など5項目
・巻末にページ替えで
関連年表(太字、見出し)次行から
349年(太字) ペテロの墓の上に、聖堂建設
2022年(太字)まで17項目
いずれも1ページです。この目次にはない二つの見出しは3マス目からでよいでしょうか。また小見出し符を使うとするとどこに使ったらよいでしょうか。
【A】
前書きの前の「バチカン市国(太字、見出し)」は、下がり数字の1ページになります。とすると「まえがき」は下がり数字の2ページからになります。
「バチカン市国(太字、見出し)」は原文ではどのように書かれているのでしょうか?この文字だけが書いてあるのか、地図などと共に書いてあるのでしょうか。
目次は、「まえがき」の下がり数字の2ページから始まってもよいのですが、7マス目から「バチカン市国」の見出しにして、地図などを省略していれば、点訳挿入符で「チズ■ショーリャク」と入れることも考えられます。
その場合、目次に、7マス目からの見出しと同じ扱いで、「バチカン市国」といれ、下がり数字の1ページから始まってもよいと思います。
「関連年表」も7マス目からの見出しとして、目次に入れてよいと思います。
8.p154 1.見出しの書き出し位置
原本で次のようになっています。
Prologue
ボイステックの未来
prologueの中に見出しはありません。Prologueは9マス目からの見出しです。
このような場合、
■■■■■■■■Prologue■■ボイステックの
■■■■■■■■■■未来
とすればよいと思うのですが、
■■■■■■■■Prologue
■■■■■■■■■■ボイステックの未来
という書き方をしてもよいのでしょうか。
【A】
Prologueの後ろに「ボイスティックの」が十分に入りますので、2行目を二マス下げる書き方は避けた方がよいと思います。
「Prologue」と「ボイステックの未来」を行を分けて書きたいのであれば、「てびき」p157 副見出しの(3)の書き方として、二マスあげて書くことはできると思います。他の見出しに影響がなければになりますが。
9.p154 1.見出しの書き出し位置
先生と生徒の問答集の校正をしています。
原本の見出しは次のような書き方になっています。
哲学人生問答 01
人の評価と自分の考えとの線引きがわかりません。
問答は01から41まであります。
上の行の「哲学~」と下の行の「人の評価と~」は同じ高さで書かれています。
「哲学~」は5マス目からの見出しです。
「哲学■人生■問答■01■■人の評価と~」とするか、棒線でつなぐのがよいと思うのですが、点訳者は、2行とも同じ5マス目から書き出しています。このような書き方でもよいでしょうか。
【A】
《哲学人生問答 01 人の評価と自分の考えとの線引きがわかりません。》までが一続きの見出しになりますので、「哲学~」と「人の評価~」の書き出し位置を同じにするのは、適切でないと思います。
二マスあけか、棒線でつなぐか、または、「哲学~」の書き出し位置を7マス目からにして、「人の評価~」を5マス目から書くなどの方法があると思います。または「哲学人生問答」の番号にピリオドを付けて一マスあけにする方法もよいと思います。
■■■■哲学人生問答■■数01.■人の評価~
番号が裸数字ですので、問答の後ろは二マスあけの方がよく、そうすると後ろにピリオドを付けた方が落ち着きます。
10.p154 1.見出しの書き出し位置
見出しの書き方について質問させていただきます。現在校正中の本は、原本目次には、第1章 2001年8月と通常の目次の書き方で書いてありますが、本文の見出しは 第1章とあり、ずっと離れてその行の末尾に 2001年8月とあります(第2章 第3章も同じです)。私は3通りの書き方を考えました。1.原本通り第1章と書き、その末尾に年月を書く。2.第1章と書き、次行末尾に年月を書く。3.通常の書き方で第1章と書き、二マスあけて年月を書く。
点訳者は、3.の方法で点訳しています。目次には通常のように書いてありますから点訳者の通りでよいかとも思いましたが、このような本は初めてですので戸惑っております。
【A】
この本は、序章 第1章 第2章 第3章 終章 とあり、第1章~第3章にそれぞれ 2001年8月、2001年9月-12月、2002年5月-7月とあり、その下に数字だけの小見出しがあるレイアウトになっているようです。お考えになった3.が自然のように思えます。墨字のレイアウトは見た目のバランスなども考えていますので、そのままの形で書くと、点字では誤った書き方になってしまう場合もあります。
1.の書き方は誤りです。1行の中に納める場合は二マス以上はあけません。第1章の行末に揃えて2001年8月と入れると少なくて3マス以上あきますし、第2章、第3章は、その行には入りません。
2.の書き方は点字の規則上の間違いではありませんが、見出しではなく、その日に記入したというようなイメージになりますので、この場合の意味に合致しないような気がします。
11.p154 1.見出しの書き出し位置
原本に記載されている見出しのうち、一番小さい見出しを、小見出し符つきの見出しとして取ることはできるのでしょうか。
原本目次に記載される見出しの多くは(9・7・5マス目)で収まることが多いと思うのですが、原本目次に掲載されている見出しの数が多い場合は小見出し符は使用せず、(カギ付き9マス目、9マス目、7マス目、5マス目)・・・など、見出しの取り方を工夫した方がよいのでしょうか。
【A】
見出しの段階が多い場合、一番小さい見出しを小見出し符付きの見出しにすることもできます。できますが、まずは、9マス目から、9マス目から、7マス目から5マス目からのように、一番大きい見出しと2番目の見出しを9マス目から始まる見出しにできないかを検討する方がよいと思います。
数字が付いていたり、第○章のような言葉が付いていれば、問題なく、一番大きい見出しと2番目に大きい見出しを9マス目から書くことができます。
一般に、小さい見出しほど頻繁に出てくるわけですから、それを小見出し符付きの見出しにすると見出しが探しにくくなります。一番大きい見出しはもっとも出てくる頻度が少ないので、そこを工夫するようにします。数字や言葉が付いていなければ、カギで囲んでも良いと思います。
12.p154 1.見出しの書き出し位置
見出しが1種類なので7マス見出しにしますが、本文中に題名のついた詩が所々に出てきます。この場合詩の題名の書き出し位置を5マス目からにしてよいでしょうか。また、本文1ページ目冒頭から詩で始まっていて、その詩の題名を目次に取っています。目次にとった時、この詩の題名は7マス、他の詩の題名は5マスとなってしまいます。どうしたらよいでしょうか。(目次にとっているのは冒頭の詩だけです)
【A】
見出しが1種類の場合は、7マス目からにしてよいと思いますし、その中に詩があれば、詩のタイトルを5マス目から書いてよいと思います。
また、冒頭の詩は、見出しの扱いですので7マス目から書いてよいと思います。
13.p154 1.見出しの書き出し位置
『AI DRIVEN』という本で、校正をしています。
見出しが多く点訳本の目次の見出しが4段階あります。例えば序章ですが、
1段階 序章 AI DRIVENで・・・・
2段階 ジェネレーティブAIで変貌する世界
3段階 時間と労力のかかる作業から、ぼくたちは解放される?
4段階 1 資料作成→草稿づくりは不要となる
2 画像・イラスト作成→パッケージ、広告、・・・・
3 プログラミング→・・・
点訳者は目次で3段階目の見出し全体を第2カギで囲み、4段階目の見出しと同じ一マス目から書いています。本文の見出しも同様に第2カギで囲み4段階目の見出しと同じ5マス目から書いています。このような処理方法は問題ないのでしょうか。
【A】
例として出してくださった「序章」をみると
【9マス目から】序章 AI DRIVENで・・・・
【9マス目から】ジェネレーティブAIで変貌する世界
【7マス目から】時間と労力のかかる作業から、ぼくたちは解放される?
【5マス目から】1 資料作成→草稿づくりは不要となる
と書くのが、最も自然なレイアウトになります。
わざわざ、原文にはないカギ類を用いなくても、レイアウトができますので、校正者の意見として、書かれてはいかがでしょうか。
14.p154 1.見出しの書き出し位置
5人の作者の作品が収められている本の見出しの書き方についての質問です。各作品は見出しのない文章です。
①7マス目に作品名で改行し、次行右詰で作者名を書く
②7マス目作品名で2マス目空けて作者名を書く
①と②どちらが良いでしょうか。あるいは別の書き方はありますか。
作品の途中で分冊する時
2巻以降の見出しの書き方についての質問です。
見出し点挿つづき点挿と従来書いていますが、今回の場合作者名があるのでそれを明記するか否か。
【A】
一般的には、①の7マス目からタイトルを書き、次行行末に作者名を書く方法になります。その場合、点訳書の目次は、タイトル名だけになりますが、著者名は奥付や著者紹介で確認できるので、差し支えないと思います。
そして、2巻目以降の((ツヅキ))の書き方も、タイトルの後ろに続けて書く事になります。
②の方法で、7マス目から作品名を書き、二マスあけて著者名を書くと、点訳書の目次も同じ書き方になりますが、見出しのレイアウトとしてはあまりお勧めできる形ではないと思います。2巻目以降の((ツヅキ))も著者名の後ろに続けることになります。
15.p154 1.見出しの書き出し位置 【処理1】
現在市議会だよりの点訳をしています。
「一般質問」の書き方は
5マス目より質問のタイトル
13マス目より質問議員名(会派名)
3マス目より 質問の内容
です。
そこで質問ですが
5マス目からのタイトルそして、13マス目からの議員名(会派名)まで書いたところでページの最後になり、次ページ3マス目より質問内容となりました。
この場合、見出しのみがページの最後に残ることになり、5マス目の見出しから次ページに移すのか議員名まで書かれていて、これは見出しではないと判断し、そのままページの最後でよいのかということで迷っています。
【A】
議会だよりなどの場合、見出しがとても長くなり、所属と議員名も2行にわたることもありますので、見出し、議員名まで入らない場合に次ページに移すことにすると、ページの下の部分が5~6行あいてしまうこともたびたびあります。また、一般質問は多くの議員が行いますので、10名、20名の一般質問が続く場合もあります。
議会だよりなどの場合は、見出しが終わったところで議員名から次のページに書いてあっても、また議員名まで前のページにあって、本文が次ページ1行目から始まっても、毎回書き方を統一してあれば、読みにくさはあまりないと思います。
ただ、見出しの途中でページが変わることは避けます。
16.p155 2.見出しの段階を示す文字や数字
見出しや箇条書きの番号の書き方について
実際の資料が
1.○○○について
1.1.×××
1.2.×××
1.3.×××
2.△△△について
2.1.×××
2.2.×××
2.3.×××
上記のように書かれている場合
これをどう書いたらいいでしょうか。
数1.■数1.■
数1数1■■
数1-数1■■
などが考えられるのですが、分かりません。
【A】
こうしなければならないというルールがあるわけではありませんが、
数1=数1.■ (=は第1つなぎ符)
と書くのが自然な書き方と思います。
17.p155 2.見出しの段階を示す文字や数字
原本に次のように書かれています。
【前提】
・・・・・(本文)・・・・・
【問題定義】
・・・・・(本文)・・・・・
この【 】は装飾的な意味であると考えて、省略してよいでしょうか。
上記の文は5マス目見出しの中にあるのですが、その場合、第1カッコで囲んだ方がよいですか。それとも、カッコで囲まず小見出し符を付けた方がよいのでしょうか。
【A】
【~】は装飾的な意味なので省略するという考え方は適切な処理であると思います。そのうえで、【前提】や【問題定義】が、5マス目から書く見出しであれば、ゼンテイ モンダイ■テイギ だけを書いていいのですが、5マス目から書く見出しの中にある場合は、第1カッコで囲んで3マス目から書くか、小見出し符を用いることになります。
このように、小さい見出しを第1カッコで囲んで書くことはよく行われています。「てびき」の点字版でも「備考」「処理」などは第1カッコで囲んで書いています。
ほかに小見出し符類も用いるような場合もありますので、第1カッコで囲んで書いてもよいと思います。
18.p155 2.見出しの段階を示す文字や数字
見出しの段階を示す文字が英単語の場合、外国語引用符で囲まれた語と続く語の間のマスあけはどうなりますか。
①CHAPTER1 概説
②LESSON1 英単語に…
③DAY1 チーズと豆腐の…
①は章、②は課の意味があり、③は1ヵ月の1日目、2日目と料理名が並んでいます。この場合外国語引用符とそれに続く語との切れ続きは英単語の意味で変わるのでしょうか。それとも閉じ記号の後はいつも分かち書きの規則に従うので、一マスあけになるのでしょうか。
【A】
これらは、見出しの段階を表す文字や数字にあてはまりますので、原則として後ろを二マスあけることになりますが、外国語引用符で囲まれている場合は、区切り目が明らかであり、誤読の恐れがないので、一マスあけでよいと思います。
ただ、第1節や第1章などと同様、二マスあけにしても間違いではありません。
どちらにしても、1タイトルの中では、統一するようにしてください。
引大大CHAPTER■数1引■概説
引大大LESSON■数1引■英単語に…
引大大DAY■数1引■チーズと…
のようになります。
19.p155 2.見出しの段階を示す文字や数字
見出しの段階が、数○■■、数○。■、(数○)となっています。
本文でこの一番大きな見出しを受けて、「数○については・・・」、「数○の(数○)参照」とある場合、数○の後は見出しと同じ二マスあけにするのでしょうか。
【A】
二マスあけは後ろに見出しが続く場合ですので、本文中に出てきた場合、裸数字は付属語を続けて書きます。
数1ニ■ツイテワ、
数1ノ■(数1)■サンショー
となります。
20.p155 2.見出しの段階を示す文字や数字
見出しに数字が付いている場合は、行頭のあけ幅が同じでも、原則として大きい見出しから順に数1■■ 数1.■ (数1)■ とします。とあります。原本の見出しが、「1.」「1」「(1)」のような順で記載されている場合はどうなるでしょうか。①見出しの工夫が必要な場合以外は、原本通りがよい。②常に同じ順で使う方が段階を把握しやすく誤読防止になるので例の順に置き換える。または置き換えてよい。③先に示された例の順に変更する場合、点訳書凡例で断る必要はない。
【A】
特に原文と同じにする必要がなければ、大きい方から「数1■■」「数1.■」「(1)■」にするのが分かりやすいと思います。
会議などで墨字と点字を読み合わせる場合、教科書のサブテキストで教科書の見出しの段階に揃える必要がある場合などは、原文通りの書き方にする必要がありますが、それ以外は、p155の例のような順序にするのが読みやすいと思います。
なお、原文通りにしたから間違いというわけではありません。
いずれにしても点訳書凡例で断る必要はありません。
21.p155 2.見出しの段階を示す文字や数字
見出しが<~>で囲まれて書かれています。見出しの<~>をはずして点訳するというような説明を見た記憶があります。原本に<~>を使って書かれているならば原本通り点訳してよいでしょうか。また、この時は第2カギでいいでしょうか。
1.<基本的な問い方>
・言葉の意味を明確にする
〇〇とは何か?
2.どんな疑問がありうるか、例を出しておこう。
<子供>
どうして好き嫌いしちゃダメなの?学校に行きたくない時~ (以下略)
<中高生・大学生>
将来なにしたらいい?なんで働かなきゃいけないの?~(以下略)
<社会人>
どうして~(以下略)
1.は5マス目からの見出しです。また、2.はそれよりも小さい扱いになっています。
【A】
原文で、視覚的な強調の意味で見出しが囲み記号などで囲んであった場合、点訳では行頭のマスあけで見出しであることが分かるので、一般的に省略して書くことをお勧めしています。このQ&Aでも、見出しが【~】で囲まれている例を示しています。
ですから、1.は、<~>を省略して書いてよいと思います。
2.の例ですが、<~>で囲んであっても、すぐに、第2カギを用いるとは考えずに、5マス目からの見出しの下の見出しですので、第1小見出し符を用いることも考えられると思います。
第2カギを用いて間違いであると強くいうことはできませんが、小さい見出しにカギ類を用いることは、あまりしませんし、かといって、【備考】などとは性質が異なるので、この場合はカッコ類も適当ではないと思います。第1小見出し符がよいのではないかと考えます。
22.p155 2.見出しの段階を示す文字や数字
見出しについている数字の書き方をおききします。
001 まずは冠婚葬祭
002 このとしまで
・・・
100 人間
というように、123ではなく、001 002 003 ・・・100まで数字がついている場合は、原本通り「001 まずは冠婚葬祭」と点訳するのか、1の前の00をとって、「1 まずは冠婚葬祭」と点訳するのかわかりません。
【A】
この場合は、どちらにしなければならないという規則はありません。
数001、数002でも構いませんが、見出しの読みやすさからすると
数1 数2・・・の方がよいように思います。
23.p155 2.見出しの段階を示す文字や数字
見出しの書き方について、校正で指摘してよいのか迷っています。
1段階の見出ししかない本です。
原本の見出しは、1プレリュード 2月曜の朝 3月曜の午後 といった書き方がされています。
点訳者は、1。■プレリュード 2。■月曜の朝 と、数字の後ピリオドを入れひとマスあけで点訳しています。原本通り、数字の後ピリオドを入れず二マスで書かなくてもよいのでしょうか。
【A】
見出しに数字が付いている場合、数字の後二マスあけでもよいのですが、ピリオドを付けて一マスあけにしても差し支えありません。
見出しに付いている数字は、見出しの大きさや種類の数などによって、分かりやすいように工夫したりできます。また数字の後ろピリオドを付ける方が、二マスあけよりも、一般に分かりやすいということもあります。
このようなことから、見出しに付いた数字については、後ろ二マスあけにするか、
ピリオドを用いるか、第1カッコで囲むかなど、必ず原本の通りにしなければならないわけではありません。
24.p155 2.見出しの段階を示す文字や数字
序列を表す①②のような数字の書き方について、「てびき3版」ではカッコ類のところで「数字が○の中に書いてある場合は○をカッコなどに置き換える。」とあり、例も①普通名詞②固有名詞が書いてありましたが、第4版ではなくなってしまいました。その理由はどういうことでしょうか。点訳者が「マル1」「マル2」などと書いたりする場合があり、説明に困っています。どう説明すればよいでしょうか。
あるいは、「マル1」「マル2」などの書き方を容認してよいのでしょうか。
【A】
見出しや箇条書きの番号を表す①②は、第1カッコで囲んで書いてもよいことは現在でも変わりません。ただ、4章の囲みの記号のところで示すべき内容ではないので、4章からは削除しました。
第5章p155(4)で見出しの数字と段階の関係を書いていますので、そこで①②はマル1、マル2と書くのではないことを説明していただきたいと思います。
実際には①②に第1カッコが対応するわけではなく、見出しの種類や大きさによって判断することになります。
大きい方の見出しに、①が用いてあって、一段下の見出しに(1)や1.が用いてある場合もあります。そのような場合は、①は、第1カッコで囲むのではなく、数字の後ろ二マスあけたり、数字にピリオドを付けて一マスあけたりします。そして(1)や1.を第1カッコで囲むことになります。
このようなことも、ここで説明していただきたいと思います。
25.p155 2.見出しの段階を示す文字や数字
見出しについて、原本では四角の中に数字の1、2、3が入っています。その場合は、第1カッコではなく、第2カギを使ってもよいのでしょうか。
【A】
見出しの段階を示す数字が、(1)や①ではなく、四角で囲まれたり、〈1〉や【1】などであっても、数字の後二マスあけるか、数字の後にピリオドを付けるか、第1カッコで囲んで書きます。「てびき」p155で「カッコ類」といっているのは、(1)だけと対応しているわけではありません。墨字の場合は、視覚的に種々の囲み記号が用いられていますが、点字ではほとんど数1■■ 数1.■ (数1)の3種のうちから適切なものを選んで書きます。
26.p155 2.見出しの段階を示す文字や数字
「~三人の前で止まる(①)。[中略]歌舞伎座の桟敷席が①と同じように写される(③)。」とこのようにカッコの中の丸付き数字とカッコなしの丸付き数字が出てきます。カッコの中の①に第2カッコを用いましたが、次にカッコなしの①だけで出てくる場合、第1カッコか第2カッコかどちらがいいでしょうか。あるいは他の書き方がありますか。
【A】
ご質問の場合、①、②をどのように点訳するかをまず決めます。
①を、第1カッコで囲んで書くことにすれば、(①)の場合は、外側のカッコは第1カッコになりますから、中の①は、二重カッコで囲みます。
①を、1の後ろにピリオドを付けて、1.と書くことにすれば、(①)の場合は、第1カッコの中に、1.を書くことになります。
どちらでも文脈などに合わせて決めてよいのですが、ピリオド付き数字にする方がカッコ内に書く必要が生じる場合は、触って読んでシンプルになるというメリットがあります。
27.p156 「コラム30」
見出しの段階が多いときの、見出しの数字を囲む記号の書き方は、
数字の後ろを二マスあけ → 数字の後ろにピリオドを付け1マスあけ → 数字を第1カッコで囲む は、一般的書き方かと思います。
その下の段階の数字を囲む記号として、以前盲学校の教科書には、第1カギが使われていたと聞きましたが、どう書けばよいか迷います。
【A】
「コラム30」にありますように、見出しの段階が多くて、種々の工夫をしても、より小さい段階を示す数字が必要な場合があります。
その場合に用いる記号について、「てびき4版」編集過程の「原案」では具体的に提案しました。ただ、編集委員会で細部にわたって十分な合意を得るまでには至らなかったので、最終的には掲載を見合わせました。
原案で例示した囲みの記号は、数字を②③⑥ ③⑤⑥の点(リロ下がり)で囲む、数字を第2カッコ、二重カッコ、第1カギで囲むの4つの方法です。ただ、第1カギで囲む方法は、カギの中に引用されるときには用いられない、間に波線を用いることができない、第2カッコ、二重カッコで囲む方法はマス数が多くなるなどの不都合がありますので、「てびき4版」の原案の点字版では、リロ下がりを用いました。
この方法は、本文中に書き表す必要があって後ろに助詞、助動詞が 続く場合は、助詞、助動詞との間を一マスあけます。またリロ下がりで囲むことができるのは数字だけになります。
なお、「コラム30」の最後にあるように、どの記号を用いるにしても見出しの数字を囲む記号として用いるのは本来の用法ではありませんので、必要に応じて点訳書凡例で断るようにしましょう。
28.p156 「コラム30」
段階を示す数字などがなく、見出しの段階が多い場合の書き方について、このQ&Aに「3マス目からの見出しは小見出し符のみ」とありました。
所属する団体では、探しやすいということで、カッコをつけた3マス目からの見出しを慣例として使ってきました。見出しをカッコ類や棒線で囲んで3マス目から書く書き方はお薦めではないということでしょうか。
その他の工夫として、「てびき3版Q&A2集」Q116の《行頭のあけ幅が同じでも、より大きい見出しにカギ類を付ける、より小さい見出しを棒線で囲む、またはカッコ類で囲むなどの方法》は、7マス目・5マス目からの見出しに限って、可能ということでしょうか。
もし、3マス目からカッコ類で囲ったものを見出しにできる場合、長い見出しで1行に入りきらないときは、次行は二マス下げですか、それとも、次行は二マス上げて、一マス目から書くことになりますか。
見出しに続く本文が2~3ページにおよぶ長い場合でも、小見出し符を使って書いてもよいでしょうか。
【A】
見出しの最も小さい形は、小見出し符を付けた見出しになります。備考、注意など、短い項目で、見出しとまでは行かないが、本文と区別しなければならないときに第1カッコで囲んで用いる方法はありますが、それ以外に、見出しとして3マス目から書くことはありません。
3マス目から書いた場合は、2行目以降は行頭一マス目から書くことになります。
カッコで囲んで3マス目から書く、棒線で3マス目から書くのは、探しやすいとは言えないと思います。地の文でもカッコで始まることもありますし、棒線から始まることもありますので、区別がつきません。
「てびき3版Q&A第2集」Q116には、最後に「ただし、これらの方法は一般書ではできるだけ避ける・・・」との注意書きがありますので、ご注意ください。
見出しに番号などが付いていなくて、9マス目、7マス目、5マス目、小見出し符の4段階より多い場合、9マス目から始める最も大きい見出しをカギで囲み、カギで囲まない9マス目からの見出しと区別して5段階にする。
または、点訳書凡例で断って、A.B.などの記号を付ける等の方法があります。
見出しの段階が多いと、小さい見出しに工夫する方が多いのですが、小さい見出しが多いと、見出しなのかどうか分かりにくくなる、見出しの変わり目が分からなくなるといえます。
大きい見出しは、用いられる回数が少なく、行頭のマスあけが多いので、見出しと分かりやすい、またページ替えすることもできますので、行頭のあけ幅の大きい見出しで工夫することを考えた方がいいと思います。
小見出し符は、本文が長い場合も用いることはできますが、原文の書き流しの見出しなどに割り当てるものですので、点訳しても長くて数ページ程度だと思います。小見出し符を付けた見出しが長い場合は、見出しごとに行あけをすると分かりにくさは避けられると思います。
29.p156 「コラム30」
1 1. (1) (一)の4つの見出しがあります。文章中に1.を指して第1項と書いてあるのですが、ダイ1.コーと書いてよいのでしょうか。また、見出しの順番は1 1.(1)次の(一)は第1カギでもよいでしょうか。
【A】
第1項の場合は、1.を指していても、ダイ数1コーと書きます。
見出しが4段階ある場合、大きい方の見出しに同じ形を用いられないかを検討します。たとえば、最も大きい見出しは点訳書1巻のなかで1~2回しか出てこないような場合、
9マス目から 数1■■
7マス目から 数1■■
7マス目から 数1.■
5マス目から (1)
とすると、(1)までの形で書くことができます。
または、一番大きい9マス目からの見出しを、ローマ数字のⅠ.とすることも考えられます。
さらに、一番小さい見出しが小見出し符を用いる見出しであれば
9マス目から 数1■■
7マス目から 数1.■
5マス目から (1)■
小見出し符を用いる見出し 数1.■
としてもよいと思います。
「コラム30」にあるように、できるだけ、第1カッコ以外の囲みの記号は用いないように工夫するのがよいと思います。
30.p157 3.副見出し
原文で副見出しが前後を棒線で囲まれている場合、棒線でつなぐだけで良いか、原文通り囲むべきか。また、本文の中に同様にして書かれている場合も、同じ扱いになるのでしょうか
【A】
墨字の本で、副見出しや副書名などを棒線や波線などで囲むのは、視覚的な飾りであって、これは厳密に言えば記号類の棒線とは言えないと思います。墨字でも本や出版社によって様々ですので、点訳では、標題紙以外は②⑤②⑤の点でつなぐことをお勧めしています。
31.p157 3.副見出し
見出しと副見出しを棒線でつなぐときに、見出しの最後に句点がある場合には、句点の後ろは二マスあけて棒線を書きますか?
【A】
p204(4)書名と副書名の場合と同じく、記号間の優先順位に従い、二マスあけて棒線を書きます。
32.p157 3.副見出し
日記形式の本を点訳しています。原本にはページの左上に小さく日付、時間が書いてあり、次の行に見出しがあります。日付と時間は見出しを書いた次行に右よりに書くのでしょうか。それとも、文章の最後に書くのでしょうか。
【A】
点訳する場合は、まず見出しを書き、次に日付と時間を書くのがよいと思います。日付と時間の書き方は、いくつか考えられます。
1.見出しを7マス目から、日付と時間を5マス目から書く
2.見出しの次行に3マス目からカッコで囲んで日付・時間を書く
3.見出しのあと、二マスあけるか、棒線でつないで日付と時間を書く
4.見出しの次行に行末に揃えて日付と時間を書く
3.の場合、日付と時間は副見出しの扱いとして、目次には見出しだけを書いてよいと思います。
4.の場合、○ガツ■○ニチ■○ジ■○フンと書くと、行末に揃えても行頭のあけ幅が少なくなってしまいますので、点訳書凡例で断って、日付、時間を略記するのがよいかもしれません。
他の見出しとの関係で、1.の方法が取れない場合もあると思いますので、原本全体のレイアウトを考慮して、1.~4.のどの方法にするか判断してください。
33.p157 3.副見出し
副見出しの定義を教えてください。
岩波新書の「死者と霊性-近代を問い直す」の見出しの下に以下の二つの見出しがあります。
<提言> 近代という宴の後で・・・・末木文美士
<座談会>死者と霊性・・・・末木文美士(司会)・中島隆博・若松英輔・安藤礼二・中島岳志
<・・>で囲まれた語の後ろの語は副見出しと考えるのでしょうか?
副見出しとすると、<・・>を外して、
テイゲン■--■キンダイト■イウ■ウタゲノ~と点訳するのでしょうか?
今までこのような場合、一続きの見出しと考えて二マスあけで処理してきました。
はじめに テレワークお試しキャンペーンが、企業に投げつけたもの
という見出しの場合は副見出しということで、「はじめに」のあとに棒線を入れて点訳しました
「てびき」にある副見出しの例と少しニュアンスがちがうように思えるのですが、二マスあけて点訳する語句は、「はじめに」「あとがき」「プロローグ」「エピローグ」などのあとでも副見出しと定義するのでしょうか。
今回の岩波新書の<提言>、<座談会>の見出しの書き方も教えてください。
【A】
「てびき」p157では、副見出しの書き方として、(1)(2)(3)の方法を示していますので、棒線でつないでも、二マスあけでも、1段小さい見出しとして書いてもよいと言っています。ですから必ず棒線でつながなくてはならないわけではありません。
副見出しは、新聞などでは、袖見出し、脇見出しなどとも言われ、主見出しを補足するようなサブ的な見出しとなります。
質問で挙げられた<提言><座談会>などは、副見出しではなく、主見出しの冠的に、その見出し全体の形式を示していますので、これまで点訳なさっていたように二マスあけて、主見出しを書いてよいと思います。
「はじめに」「あとがき」「プロローグ」「エピローグ」のあとに、より具体的な内容を示す見出しがある場合は、二マスあけでも、棒線でつないでもよいと思います。
「副見出し」という語は、上記のように考えられますが、きっちりと定義し書き分けることも難しいですし、それを、必ず棒線でつながなくてはならないということもありませんので、複数の方法があるという視点に立って、点訳書全体のレイアウトを検討して、読みやすいように点訳をしていただければよいと思います
34.p157 3.副見出し
副題の前後の棒線ですが、後ろの棒線だけが次行に入ってしまった場合、棒線だけで1行使ってよいのでしょうか。
【A】
図書の副書名を②⑤②⑤の点で囲んで書くのは標題紙ですが、「てびき」p198 (2)にありますように副書名は書名と行を替えて書きますので、②⑤②⑤の線だけが次行に来ないようにバランスよく書きます。
奥付の副書名は、棒線でつなぎますから、後ろには②⑤②⑤の線は入れません。
なお、見出しの後ろに棒線を用いて続ける副見出しを本文中に書く場合には、「てびき」p157「3.副見出し」(1)に棒線でつなぐ方法がありますので、奥付と同様に、後ろの棒線を省くことをお勧めします。
35.p157 3.副見出し
「副見出し」の点訳例がありますが、後ろに棒線がありません。これは原文の副見出しに棒線の囲みが無いからですか。それとも副見出しが棒線で囲まれていても後ろの棒線は省略してもよいのでしょうか。
【A】
副見出しも棒線でつなぐことをお勧めしています。「てびき」p157 3.副見出し (1)にあるように、棒線でつなぎます。
原文で、棒線で囲まれていれば、原文のとおりに書くという意見もありますし、それで間違いと言うことはありません。が、後ろの棒線だけが入らずに、次の行の9マス目や11マス目から②⑤②⑤の点だけを書くことになったり、目次でも項目の最後に棒線を書き、その後ろに②の点を書くことになり、点字の形が美しくないので、点訳フォーラムとしてはお勧めしません。
36.p157 3.副見出し
新聞「声」欄の見出しで、以下のような場合は二マスあけた方がいいように思いますが、どうですか。
「思い出す惨禍 被災者はげましたい」
「姉の代筆で組合活動 貴重な経験」
「旧姓で足止め 覚えた違和感」
等、原文では半字分の空きがあります。
これに関して「てびき」のどこにあるでしょうか。
【A】
見出し欄であれば、主の見出しと副見出しであったり、句読点を使わずに、言い切りの形(体言止め)で二つの文を並記したりすることがありますので、そのような場合は、二マスあけになります。
ご質問の見出しも、前のおもな見出しを補足する意味で後ろの語句がありますので、その間は二マスあけてよいと思います。
「てびき」p152の「二マスあけ」は、本文中の二マスあけですので、むしろp157「副見出し」の扱いに近いと思います。
37.p158 4.見出しと本文との行あけ
7マス目からの見出しでページ替えをしてもよいでしょうか。見出しは、1種類です。
1巻のページ数は、全部の見出しでページ替えしても、135ページ位です。
7マス目見出しなら、1行あけが適当だという意見もあります。原文は、見出しでページ替えされています。
【A】
7マス目からの見出しで、ページ替えをしてはいけないということはありません。
見出しが1種類ですので、7マス目からの見出しにするのは適切だと思います。
1行あけにするか、ページ替えにするかは、各見出しごとが互いに連続性が強いか、内容が独立しているかで判断します。短編小説や主人公や登場人物は共通していても独立した物語で成り立っている本、アンソロジーなどはページ替えがよいと思いますし、1編の小説で連続性が強ければ、1行あけでよいと思います。
「てびき」p158 「4.見出しと本文との行あけ」では、(2)の最後に「大きな区切り目では原文に準じてページを替えてよい。」とありますので、前述したような短編小説などの場合で、原文でページ替えしてあれば、7マス目からの見出しでもページ替えしてよいことになります。
あくまでも、各見出しの連続性、独立の度合いで判断してください。
38.p158 4.見出しと本文との行あけ (2)
「ハンドブック第5章編」p15に「表の中やレシピなど内容によっては、前の本文と5マス目からの見出しを行あけしないで書くこともできる」とありますが、これは表中やレシピなど限定的ですか。「内容によっては」についても教えてください。
9マス、7マスあと5マス見出しがいくつも続くような場合、5マス見出しに同列の関連性があれば行あけせず書くことも可能ですか。(人物紹介・店名紹介等)
【A】
「てびき」p158 4.(2)にありますように、《見出しが変わる場合は、前の本文と見出しの間を1行あけたり、~読みやすくする。》とありますので、5マス目からの見出しが続く場合も、1行あけた方がよいと思います。
ただ、ハンドブックにありますように、表は、枠線で囲んだ中にあり、枠線外の見出しとは別に、7マス目、5マス目の見出しを設定しますので、小さい項目は行あけしないで書くことがあります。レシピも、材料、準備、作り方など、小さい項目で同じ内容が繰り返し出てきますので、行あけしなくても順序がわかるということがあります。このような場合は、見出しの前を1行あけしないで書くこともできます。
ずいぶん以前(手書きや製版印刷機で作成していた時代)は、用紙の節約などの意味で、見出しの前を行あけしない方法もありましたが、20~30年前頃からは、読みやすさ、分かりやすさの点から、5マス目からの見出しの前も1行あけしていますので、広報誌やその他でレイアウトが特殊な場合や紙数制約がある場合などを除き、一般の図書は1行あけした方がよいと思います。
39.p158 4.見出しと本文との行あけ(2)
見出しの変わり目で、1行あけか、ページ替えをするかで迷っています。
『ケーキ嫌いの』の原本の点訳において、見出しは7マスと5マス見出しです。
原本の状況は、各見出しは、互いに連続性なく、内容が独立しています。
見出しでページ替えをしてあるのは、全見出し数の約7割で、すべての見出しはそうなっていません。「てびき」に「原本に準じてページ替えしてよい。」とありますが、内容は独立していますが、全見出しがページ替えしていない状況の場合、どのように考えたらよいでしょうか。
【A】
『ケーキ嫌い』(姫野カオルコ著)でしょうか。
原本の前の方だけ見てみますと、ケーキ嫌いの著者の食に関するエッセイで、数ページ~10ページ程度の文章が30以上収載されたもののようです。
7マス目から始まる見出しの前もすべて1行あけでよいと思います。
同じ大きさの見出しが原本でページ替えになっていたり、同じページで数行あけて書いてあったりした場合も、点字では、1行あけにするか、ページ替えにするかの書き方を揃えるようにします。
1行あけでよい理由の一つは、食に関するエッセイ集ですので、内容的に独立性が低いと思われることです。一人の作家によるものでも独立した短編であったり、大部なもので各章ごとにページ替えしてあるようなものなどは点訳でもページを替えてよいと思います。
もう一つは、原本が写真を含めて268ページですので、点訳して全3巻程度ではないかと思います。それに7マス目からの見出しが30以上もありますから、ページ替えをするまでもないと思われます。
「てびき」p158は、「大きな区切り目では原文に準じてページを替えてよい」ですので、ページを替えてもよいし、替えなくてもよいのです。また今回の場合は「大きな区切り目」にも当たりませんので、1行あけでよいと思います。
40.p158 4.見出しと本文との行あけ(2)
1冊の本に第○章の9マス目からの見出し、7マス目からの見出し、5マス目からの見出しがあります。ページ替えできるのは9マス目からの見出しが始まるときのみでしょうか。7マス目からの見出しが始まるところではページ替えできませんか。
【A】
ページ替えは、本文のなかでは最も大きな区切り目となりますので、一般には最も大きな見出しだけページ替えにします。
ですが、点訳して10巻程度にもなるような大きな図書で、1章で1巻を越えるような場合は、その下の「節」でもページ替えをすることは考えられます。
41.p158 4.見出しと本文との行あけ(2)
見出しの書き方についてお尋ねします。
見出しの前は1行あけるものだと思っていたのですが、あけずに続けているものも目にします。点訳者の判断で1行あけをせずに見出しを書いてもよいのでしょうか。
【A】
一般書では、規則にありますように「前の本文と見出しの間を1行あけたり、区切り線を引いたり(ページ替え)して」書きます。
ただ、表の枠線の中や料理のレシピ(材料と作り方など)では、ごく短い内容でもレイアウトの関係で5マス目から書いたりしますので、1行あけをしないで書く事もあります。
また、サピエにアップするような図書ではなく、読者が限定される広報誌などは、紙数の制限などもあり、行あけしない場合もあります。
このように特殊な例以外は、1行あけるかページ替えをすることになります。
ずいぶん以前に点訳された本では、このようなルールの統一がありませんでしたので、行あけされていない図書もみかけることがあります。
42.p158 4.見出しと本文との行あけ (2)
「てびき3版」ではp101に「前の本文と見出しの間を1、2行あけたり~」の記載があり、それに基づき会では2行あけてきました(5マス目書き出しの見出しの場合は1行あけ)が、「てびき4版」p158では「1行あけたり~」との記載になっていて「2行」の文言がなくなっています。
会では、今年度の新人養成講座が始まり、受講生への説明の中で今まで通りの「2行あけ」は「てびき」上の記載がなく、根拠の説明が難しい状態になりました。
「2行あけ」が許容されているのか、各会や施設で決めていい部分なのか、「てびき」の改訂に伴い「1行あけ」に変更になったのか確認をさせていただきます。
【A】
「てびき4版」では行あけは1行あけだけをお勧めしています。
あけ幅の違いによる効果はほとんどありませんので、1行あけと2行あけを区別して用いる効果はありません。
43.p158 4.見出しと本文との行あけ(2)
9マス目からの見出しで、ページ替えをするかどうかを質問します。
原本に大きい見出しが奇数ページにあり、本文は次の偶数ページからあります。
大きい見出しがある場合、点訳でもページ替えして9マス目にした方がいいのではと思いますが、1行あけて9マス目からの見出しを書いてもよいとの意見が多いです。9マス目からの見出しを1行あけて書いてよいのでしょうか。
【A】
「てびき」では、p158 (2)にあるように「大きな区切り目では原文に準じてページを替えてよい」と言っていますので、ご質問の図書のようなレイアウトの場合は、ページを替えるのが一般的な処理方法だと思います。
ただ、見出しの段階が多く、そのように大きな区切り目でなくても9マス目からの見出しを採用することもありますから、9マス目からの見出しがすべてページ替えになるわけではありません。
44.p158 5.書き流しの見出し
番号付けのある、見出しが3マスから始まるときは、うしろに小見出符を付けないということを聞きました。この信憑性はいかがでしょうか。
また、小見出符を付けずに、改行して説明を3マス目から始めてもわかりますでしょうか。見出しに続けて2マスあけて説明を書く方がよいのでしょうか。
【A】
「番号付けのある見出しが3マスから始まるときはうしろに、小見出符を付けない」というルールはありませんし、そう決めつけることもできません。
確かに、箇条書きのようなごく短い段落の場合は、それぞれに小見出し符を付ける必要がないということも事実ですが、番号を付けた小見出しに含まれる文が多かったり、少なかったり、小見出しで示す範囲がアンバランスだったりする場合などは小見出し符を付けた方が明らかになると言うこともあります。
小見出し符は最後に付くので、あってもそんなに邪魔になるものではありませんから、必要と思ったら付けて構わないと思います。
小見出し符を付けない場合でも説明を行替えして書いても構いません。
45.p158 5.書き流しの見出し
カギを付けた5マス目見出しの中の場合ですが、小見出符のあとに段落を含む20行以上の文章が来てもよいでしょうか。あるいは、小見出符の替わりに第1カッコで囲んではどうでしょうか。
【A】
小見出し符を付ける見出しを第1カッコで囲むということでしょうか。
小さな見出しのような働きをする語をカッコで囲むことはあります。それは、(例)(注意)(備考)のようにごく短い言葉で、本文の流れとは少し異なるような内容を示す場合です。このような語にも小見出し符を付けて用いることもあります。
そのような場合でなく、書き流しの見出しで段落を含む文章が続いている場合は、その見出しをカッコで囲むことは適切ではありません。3マス目からカッコで囲まれていれば、見出しとは認識しないで読んでしまいます。
5マス目から始まる見出しより小さい見出しであれば、第1小見出し符を用いることになります。その内容が長い場合は、次の小見出しとの間を1行あけることも考えられます。
また、原本全体のレイアウトを検討しなおし、5マス目から始まる見出しを7マス目から、7マス目から始まる見出しを9マス目からのようにできないかと考えてみてはいかがでしょうか。
46.p158 5.書き流しの見出し
書き流しの見出しで、小見出し符類を使用せず棒線に置き換えた場合、棒線の後ろで行替えして本文を書き始めることはできますか。
【A】
棒線の後は一マスあけですので、棒線の後ろでの改行は普通はしません。
書き流しの見出しには小見出し符を用いるのがよいと思います。
書き流しの見出しに小見出し符を使用して、そのなかにさらに、前の項目と後ろの語句や文をつなぐような必要がある場合に棒線を用いることはあります。
棒線はいろいろな場面で便利に使用できますが、本来は前後の語句をつないだり、対等な関係を示したりする記号ですので、小見出し符と同等の働きをするものではありません。
47.p158 5.書き流しの見出し
小見出し符の使い方についての質問です。
5マス目からの見出しの中に、番号がふってなくて、注意事項が箇条になっているところがあります。
短期断水の場合
節水で対応
節水しての洗面・・・
代用品での対応
紙皿、ウエットティッシュ、・・・
断水エリア外へ移動
「節水で対応」「代替品での対応」「断水エリア外へ移動」に小見出し符を使ったのですが、「断水エリアへ移動」は、小見出し符の後に何もないのですが、そのままでいいのでしょうか。
【A】
小見出し符は、見出しに付けるものですから、小見出し符で終わりと言うことはありません。
この場合は、何か工夫しなければなりません。
例えば、小見出し符の後の文が、全て1文であったり、1段落の短い内容でしたら、小見出し符を使わないで、棒線を用いる方法もあります。
■■節水で対応■②⑤②⑤■節水しての洗面・・・
■■代用品での対応■②⑤②⑤■紙皿、ウエットティッシュ、・・・
■■断水エリア外へ移動
または、項目が少ない場合は項目に星印を付ける、または、項目が多い場合は、断わって番号を付けることも考えられます。そうすると最後の項目に小見出し符を付けなくても同格の項目であることが分かります。
■■③⑤③⑤■節水で対応⑥③⑥■節水しての洗面・・・
■■③⑤③⑤■代用品での対応⑥③⑥■紙皿、ウエットティッシュ、・・・
■■③⑤③⑤■断水エリア外へ移動
または、
点挿ゲンブンニワ■ナイガ■バンゴーヲ■フシタ点挿
■■a.■節水で対応⑥③⑥■節水しての洗面・・・
■■b.■代用品での対応⑥③⑥■紙皿、ウエットティッシュ、・・・
■■c.■断水エリア外へ移動
番号は、a.b.c.でもア.イ.ウ.でも構いません。
48.p158 5.書き流しの見出し
5マス目からの見出しの中にあるユーザーとAIとのやり取りについてです。以下全て同じ形式で書かれています。
ここではユーザーとAIをカッコで囲みましたが、それぞれ吹き出しのような形で書かれています。
(1)
(ユーザー) ・・・という書籍企画の「企画書」を作成してください
(AI )
目次:
第1章:あたらしいAIの動向
・AIの歴史
・現在の動向
第2章:ジェネレーティブAIとは
・ジェネレーティブAIの用途
・・・
といった書き方がされています。
ユーザー、AIの後はそれぞれ小見出し符を付けようと思いますが、その後どのように書けばよいのでしょうか。小見出し符をつけて改行した後は3マス目から書かなくてはいけないのでしょうか。目次という語句の書き出し位置や見出しの段階など、どのようにしたらよいのかわかりません。
(2)ユーザーとAIのやり取りでビジネスメールもあります。
原本では宛名・差出人が本文と同じ高さで書かれていますが、その場合は3マス目から書いてよいでしょうか。
(3)ユーザーの依頼でAIが作成した一覧表があります。AIに小見出し符を付け改行した後、次行に枠線で囲んで一覧表を書くことはできますか。
(4)ユーザーに依頼されAIが生成したパッケージデザインの写真もあります。
写真は4枚あるのですが説明するのは不可能です。出典はあります。その場合、AIに小見出し符を付けたあとどのように書けばよいのでしょうか。写真は仕切り線を使って書くのが一般的ですが、小見出し符の後改行して仕切り線を書くことはできるのでしょうか。このような場合仕切り線を使うのは適切ではないような気もするのですが、どのようにするのがよいのかわかりません。
【A】
AIに小見出し符を付けた後に、点訳挿入符で《企画書は以下の枠内に書きました》のように断わって、枠内に書くのが分かりやすいと思います。枠内では7マス目からも5マス目からの見出しも書くことができます。
ビジネスメールや一覧表も《イチランヒョーワ■ワクナイ》《イカ、ワクナイ》のように簡略化して断わればよいと思います。そのことによって、小見出し符の後の不自然さも補うことができると思います。
写真についても、点訳挿入符で《シャシン■数4マイ》《○○ノ■シャシン■数4マイ》のように断るのがよいと思います。
49.p159 6.出典表示
例2は出典を5マス目から書いて1行に収めていますが、この場合は2行に分けて書かない方がよいのでしょうか?
【A】
書き出し位置を下げて2行に分けて書いてかまいません。この場合は5マス目から書くとちょうど1行に収まるため、このような処理もできることを例示したものです。コラム31に説明しましたように、出典表示は行頭10マス以上あけて書く方法が一般的です。
50.p159 6.出典表示
短篇集のタイトルや解説など、見出しと同じ行に著者名が記載されている場合、著者名はどのように入れますか。所属する団体では、「記載位置は原文に従う」とあるので、見出しから二マスあけて著者名を入れるという意見と、二マスあけで入れると副見出しとられかねないので、次行の行末に入れるという意見に分かれています。各団体で決めてよいのでしょうか。
【A】
短編集などで、見出し(タイトル)と著者名が同じ行に書いてある場合、墨字ではおそらく同じ行の行末に書かれているのではないかと思います。
その場合、見出しから二マスあけて著者名を入れても、次行の行末に入れてもどちらも間違いではありません。
しかし、著者・作者を同じ行に二マスあけでいれるのは、俳句・川柳のように短く1行に収まる場合や、出典表示のようにタイトル・作者名が幾つも並んでいる場合が多く、短編小説のタイトルと著者で次に本文が始まるような場合は、次行の行末に書くのが一般には収まりがよいのではないかと思います。
ただ、「論語 孔子」「羅生門 芥川龍之介」のようにタイトルと著者が対等に並ぶようなイメージの作品であれば、同じ行に二マスあけで書くこともあると思います。
施設・団体で固定的に決めるのではなく、一般にはこうするが、作品や文脈によっては考慮するのように考え方を決めておかれるのがよいと思います。
51.p159 6.出典表示
本文中の手紙の差出人の書き方について、2行で行末揃えになっています。(手紙の前後は1行あけです)
短いものは・・・
いつもあなたの友人
マーガレット
長いものは・・・
あなたの友人の中でいちばん堕落した友
しかも日に日に堕落の度合いが増している気がするマーガレット
このような時の書き方はどうなりますか。
【A】
筆者の署名ですので、行末に揃えて書きます。長いものでも11マス目から書きはじめ、2行目以降を13マス目から書くと、4行に入るようです。
なお、このように一連の内容が、原文で行を替えて行末に揃えて書かれている場合、点字では、原文の行替えの通りではなく一連の扱いにして、行末に寄せて書きます。
ご質問の場合、原文で
あなたの友人の中でいちばん堕落した友
しかも日に日に堕落の度合いが増している気がするマーガレット
と書かれていても、「堕落した友」で行替えをしなくてもよいのです。
52.p159 6.出典表示
あとがきの文末の日付と署名についてですが、原本ではあとがき本文の後1行あけ、行の半分より下の方に
2022年元旦 パリ、辻仁成
と書いてあります。
日付を5マス目から書くと1行に入りますが、5マス目からの書き出しでいいでしょうか。それとも、11マス目より後ろから、2行に書いた方がいいでしょうか。
【A】
原本で行末に書いてある場合は、やはり点字でも行末に書いた方がよいと思います。
年月日が行頭近くに、氏名が行末近くに書いてあるような場合は、年月日を5マス目から書いてよいのですが、5マス目から32マス目まで1行に書いてあるのは、原本の印象とずいぶん異なります。
この例の場合は、15マス目から、年月日と場所をかき、次行二マスさげて,人名を書くのが最も落ち着く書き方のように思います
53.p159 6.出典表示
司馬遼太郎の『風塵抄』という本についてです。64の話から構成されており、各話の最後に行を替えカッコで囲んで日付が書かれています。(1996<昭和61>年5月8日)といった書き方で行末に書かれています。
この場合の書き出し位置ですが、日付なので5マス目から書いた方がよいのか、原本で行末に書かれているので出典表示と同じように11マス目以降にしたほうがよいのか迷っています。5マス目から書いても2行になりバランスがよくありません。
日付だから5マス目から書くということにこだわらなくてよいでしょうか。
【A】
日付だから5マス目から書くというルールはありません。署名の前に書いてある日付は5マス目から書くとバランスがよいために、5マス目から書かれることが多いということです。
この場合は、各文の最後にカッコで囲んで書いてありますので、行末に揃えて書いてよいと思います。
54.p159 6.出典表示
「前掲」の扱いについてお尋ねします。
参考文献に「同前」と「前掲」という語がたくさん出てきます。「同前」は一つ前の参考文献を指しているのでそのまま「ドーゼン」と表記しました。「前掲」は何ページも離れているもの(章をまたいでいるようなもの)は参考文献名を再掲しましたが、二つ前くらいのものはそのまま「ゼンケイ」としてもよいでしょうか。『指導者ハンドブック第5章』p18には触読は前に戻って探しにくいことがあります。再掲したほうがよいでしょう。と書かれていますが、何ページくらい離れたらという目安はありますか。それとも「同前」と「前掲」の両方があるような場合は「前掲」は全て参考文献名を書いた方がよいでしょうか。
【A】
機械的に判断できるものではないと思いますが、基本的には、参考文献の「前掲」などは、そのつど再掲したほうが親切だと思います。
ただ、原本のジャンルや本の特徴などにもよりますし、著者の本が何度も引用されたり、再掲しているとその都度数行必要になる場合など、いろいろな条件を考慮して判断することになると思います。
「前掲」だけで、前の資料が想起される場合もあると思います。
「前掲」と点訳されていると、前まで戻ってその資料名を探さなくてはならないような資料でしたら、再掲する必要があります。
55.p159 6.出典表示
見出し、著者名の書き方について質問します。
7名の著者が、章ごとに著作しています。
点訳者は、7マス見出しで各章番号とそれに続く内容を4行程度使って書き、著者名を11マス目から3行程使って書いています。その下に5マス書き出しの見出し(1~2行)があります。
章に複数行使いますので、著者名の書き出しが二マスの違いになっています。見出しと著者名が階段状で紛らわしく感じますが、二マスなりとも著者名を下げるように校正することはできますか。
【A】
見出しが7マス目から、2行目が9マス目からになりますが、その後4行ほど本文があってから、11マス目から著者名があるのですね。
そうであれば、行頭のあけ幅で迷うということはないと思いますので、校正の指摘はしなくてもよいと思います。
それとも、7マス目からの見出しが4行にもわたるということでしょうか。各見出しが複数行になる場合でも、一般に書き出し位置(7マス目)と著者名の書き出し位置(11マス目)が4マス以上離れていれば、誤読はないと考えられますので、校正の指摘はしなくてよいのではないでしょうか。
56.p159 6.出典表示
私たちはグループで「コラム」を書いています。その時の出典表示の書き方について質問します。
たとえば、NHK「きょうの健康」2024年1月24日の文章から抜粋してコラムとして書いています。
どなたかの文章を抜粋してかくことに多少は疑問もありますが、この点について、抜粋は許されますか。抜粋したときの記載方法はどのようにしたらいいですか。
所々抜き出して変更は加えていません。
配布対象は地域の目の不自由な人、数人です。
出典は、「天声人語」や「編集手帳」の抜粋が多いですが、その時々で、まちまちです。
(朝日新聞「天声人語」2023年9月30日より)の、最もよい手本の書き方を教えてください。
【A】
点字は、著作権フリーですので、出典がハッキリしていればコラムに一部引用しても問題ないと思います。
新聞記事を引用する場合は、
記事名、新聞名、掲載年月日の順序になりますので、
(「天声人語」朝日新聞2023年9月30日より、一部抜粋)のように書けばよいと思います。
雑誌から引用して参考文献を書く場合は、正式には
筆者名、記事のタイトル、書名、発行年、引用ページ
のようになりますが、引用文の直後にカッコで囲んで書く場合は、雑誌名や発行年月は正確に書く必要があると思います。
「NHKきょうの料理」2024年4月号
のようになります。読む方にとっても正しい情報が伝わるようにした方が良いと思います。
57.p160 「コラム 31」
このコラムの内容について、どの書き方がお勧めなのか分かりません。とくに③について教えてください。
【A】
出典表示の書き方はいろいろな方法がありますが、コラムではまず前半(行あけ前まで)に、最も基本的なスタイルについて説明しています。原文で行末に寄せて書いてある場合、点字ではどの程度右に寄せたらよいかの基準として、①10マス以上あけることを標準として、その理由を上の段落に説明しました。②に2行目以下の書き出し位置は1タイトルの中では書き方を揃えた方がよいことを説明していますが、出典表示の長さが様々な場合、1行目の書き出し位置はその都度バランスの良い位置に決めてかまいません。
③出典表示が2行以上になる場合に、その途中でページが変わることはやむを得ないことで、プリントアウトした点字を読む人にとって多少読みにくいかもしれませんが、出典表示だけを次のページに送ったりしないのが一般的です。むしろ前の文のあと行あけがあって次ページから書き出し位置を下げた文が始まると、新たな大見出しと紛らわしくなる可能性があります。
コラムの後半ですが、出典表示の多い本や、出典の記載が長いようですと、その都度行数がかさみますので、「ただし、」以降に説明する方法も取ることができます。前ページの例2は、5マス目書き出しにすることによってちょうど1行に収まることからこの書き方もできることを示したものです。もし1行に収まらないのであれば、5マス目から書くのは一般的ではありません。
ただ、コラムにありますように、長い出典が多いなどの理由で、書き出し位置を5マス目や7マス目にすることも許容されます。例2の場合、出典の記載はカッコに囲まれ、ふたえカギで囲まれた書名から始まりますので、出典であることがすぐにわかることから、見出しと同様の書き出し位置でも大きな支障はありません。冒頭に「出典」などと書いてあればさらに明白ですので、3マス目から書くこともできます。
このように、原本の出典の書き方や、出典記載の頻度、長さなどを考え併せて、どのスタイルで処理するかを決めてください。
「てびき」ではこのほか、詩歌・戯曲の点訳例、表の点訳例にも出典表示が含まれていますので、参考にしていただけると思います。
58.p160 「コラム31」
出典の書き方について
①てびきの出典の解説(p159)では「著者や出典を表す語句の記載位置は原文に従うが、見出しや引用文、あるいは本文との区別を明らかにするために書き出し位置に配慮する」とあります。
本によっては左寄せになっていたり、中央部分に記載されていることもあります。ですが、やはり解説のように見出しや引用文・本文と明確に区別するために、行末(10マス目以降)から書き始めるのが望ましく、出典文章がすごく長い場合や、本に出てくる出典の数の多さなどがネックになる場合は書き出し位置を上げる(7マス目・5マス目・3マス目など)ことも許容される…という解釈でよいでしょうか。
②1タイトルの中で、行末によせて書いても行数がかさばらないものと、3マス目から書かないと行数がかさんでしまうものが混在していることがあります。その場合でも書き方の統一はしなくてもよいでしょうか。右寄せ書き出しと3マス目書き出しの出典が混在しても問題ないでしょうか。
③出典表示でよく「〇〇データより作成」という語句のものに出くわします。行頭に「出典」や「参考資料」などとは書かれていませんが、そんな場合でも、表示が長く行数がかさばる時は3マス目から書くことも許容されますか?
【A】
① 出典の書き方については、「コラム31」にまとめてありますが、行頭10マス以上あけて書くことを原則とします。3~4行程度になっても、この原則通りにするのがよいと思います。特殊な本で5行以上になるような出典が数多くある場合は、出典であることが分かるような工夫をして、3マス目から書き、次行は行頭一マス目から書いたり、5マス目から書き、次行は7マス目から書くような方法も考えられます。出典であることが分かる工夫には、原本にはなくても全体を第1カッコで囲む、あるいは、最初に(出典)(資料)などと入れることが考えられます。
このように工夫をする場合は、7マス目や9マス目などの中途半端な位置ではなく、3マス目、5マス目くらいから書いた方が、見出しとの誤解が少ないと思います。
② 出典の書き方は、できるだけ1タイトルで揃えた方がよいと思いますが、枠囲みの中の表や図の出典と、本文の出典の書き方が異なることなどはよくあります。ただ、原本の中で、すべて同じように出典が書いてあるのであれば、原文通りに同じように行末に揃えて書くのがよいと思います。
③のご質問についても、出典と同じ扱いでよいと思います。原文で行を替えないで句点の後に同じ行に書かれていることもありますが、そのような場合は原文通りでよいと思います。
59.p160 「コラム31」
引用文の行末に(翻訳を要約)と記載があります。その次のページの引用文には(同)となっています。カッコの点訳はどのようにしたら良いでしょうか。
①句点の後二マスあけ
②改行して3マス目から
③行を替えて行末に書く
(例)…知らないわけがない。 (翻訳を要約)
…みなされてしまうわけです。 (同)
①知らない■わけが■ない。■■(翻訳を要約)
② 知らない■わけが■ない。(改行)
■■(翻訳を要約)
③ 知らない■わけが■ない。
(次行行末に)(翻訳を要約)
【A】
原文で同じ行の行末に書いてあるのでしたら、句点の後二マスあけてカッコを書いてよいと思います。
また、(同)も、(ドー)では分かりませんので、(翻訳を要約)と書くのがよいと思います。