第5章 書き方の形式(3)

その3 詩歌・戯曲などの書き方

1.p160 1.詩 (2)

初めて詩の点訳をしています。「てびき」の(1)(2)の説明と例2、例3の関係がよく分かりません。行や連による書き出し位置の変化や、1行が点字で2行以上になる場合の処理について、例2と例3の違いを教えてください。例2と例3のどちらの書き方にするのかを決めるのに何か決まりがあるのでしょうか?また、詩が2行では書ききれず3行になる場合はどのように処理するのでしょうか?

【A】

詩の例について
例1 書き出し位置に差がない、常に3マス目から書き出す詩です。この場合、詩の1行が点字で1行に入らない場合は、次行は行頭一マス目から書きます。一般の文の書き方と同じです。

例2 書き出し位置に差がある詩の書き方です。この例では、書き出し位置が下がっているときに、点字では4マス下げて、7マス目から書いています。そして、それと区別するために、1行が点字で1行に入らない場合は二マス下げる書き方をしています。3マス目から書く行が1行に入らない場合は、次行5マス目から書き、7マス目から書く行が1行に入らない場合は、さらに二マス下げて9マス目から書いています。

例3 書き出し位置に差がある詩ですが、例2と異なり、1行が点字で1行に入らない場合は二マス上げる書き方をしています。書き出し位置が下がっているときには点字では4マス下げて、7マス目から書くのは、例2と同じです。この書き方の場合は、3マス目から書く行が1行に入らなければ、次行行頭一マス目から、7マス目から書く行が1行に入らなければ、次行は5マス目から書きます。

詩の1行が点字で2行にも入らず3行以上になる場合は、2行目と同じ位置から書き始めます。2行目が9マス目から書き始めていれば、3行目も9マス目から書きます。2行目が5マス目から書き始めていれば、3行目も5マス目から書き始めます。

書き出し位置に差がある詩を点訳する場合は、「てびき」では、例2または例3で書くことをお勧めしています。このどちらの書き方でも構いません。
例2と例3でどちらがお勧めと言うことはありませんが、詩の1行が点字で3行になるよりは2行に入った方が読みやすいので、詩の1行が長い場合は、例3のほうがよいと思います。

2.p166 2.短歌・俳句・川柳など

文中に短歌や俳句を引用する場合、原文に行あけがなくても本文との間を行あけしたほうがよいのでしょうか? 書き出し位置は下げた方がよいのでしょうか?

【A】

句集や歌集では3マス目から書きますが、文中に引用されている場合は5マス目から書くことも多く、この場合も前後を行あけしたほうがよいと思います。3マス目から書き出す場合は、必ず前後の行あけが必要です。活字書では行あけがなくても短歌や俳句が挿入されていることが一見して分かりやすいのですが、点字では分かりにくいので、このような配慮が必要です。

3.p166 2.短歌・俳句・川柳など

短歌や俳句のマスあけについて、5・7・5・7・7 の区切り目はすべて一マスあけとなるのでしょうか。 文中に文の終わりと解釈できる箇所(倒置法での表現と思える場合などですが)があっても2マスあけることはないと理解すればいいのでしょうか。
詩の場合、1行中に文の終わりがある時 (句点はない)は2マスあけていたのですが、短歌や俳句も同様の扱いと理解していました。短歌や俳句と詩の扱いは違うということでしょうか。短歌・俳句・川柳・冠句は短詩形ゆえに文の終わりと解釈できても2マスあける必要性がないと考えるのでしょうか。 基本とする考え方をご教示ください。

【A】

詩・短歌・俳句の書き方を示している第5章その3では、書き始めの位置や行替えについて提示しているだけですので、マスあけについては、第3章、第5章の「その1」のルールに準じて書くことになります。
その意味では、短歌や俳句だから、二マスあけは絶対にないとは言い切れません。
しかし、現在は、点字で読点を使用しなかった時代とは異なり、提示された主題の後ろ、倒置法の区切り目、感動や呼びかけを表す独立語の後ろなどでは二マスあけをしていませんので、俳句や短歌のなかで二マスあけを考えることはほとんどないと思います。「てびき」の例のなかでも例1、例2、例4、例5、例6などは、主題の提示や倒置法などと考えると二マスあけかどうか悩んでしまいます。
加えて、短歌や俳句はとくに韻律が重視されますので、二マスあけを入れることで流れが止まる感じになることを避ける意味合いもあるように思います。
破調の句や歌で明らかに二つの文からできている場合などを除き、俳句や短歌では基本的に一マスあけと考えてよいのではないでしょうか。

4.p169 3.戯曲・対談などの書き方

対談に使われているアルファベットについてお尋ねします。
A. ファウルズが・・・・。
O. 彼が・・・。
というように、対談者の名前がアルファベットで表されており、アルファベットの後にピリオドがあります。
このピリオドは省略してもよいでしょうか。それとも省略せずA.■■ファウルズが・・・。と書くべきでしょうか。

【A】

アルファベットの後のピリオドは、後ろ一マスあけとなりますので、このままでは、対談としては読みにくいものになります。
次のいずれかの方法をとるのがよいと思います。
1.発言者の後に、第1小見出し符か第2小見出し符を用いる。この場合、ピリオドを付けたままでも、ピリオドを省略してもどちらでも構いません。
2.ピリオドを省略して、A、Oのあと二マスあけて、第1カギで発言内容を囲む。
二マスあけただけで発言内容を書くのは、わかりにくいので、第1カギを用いた方がよいと思います。
原文のピリオドは、Aさん、Oさんを表すのに、便宜的に付けたとも、イニシャルを表しているとも解釈できますが、「てびき」p48 5.により、省略しても差し支えありません。

【新規】p169 3.戯曲・対談などの書き方

漫画の書き方について質問します。
1コマの中に人物Aさんがいます。其のコマの中にAさんを挟んで吹き出しが2個ありそれぞれにセリフが書かれています。
1 「あ」「お疲れ様です」
2 「絵は書けたけど」「文字は何を書こうかしら」
3 「なーんか」「久しぶりに赤毛のアンよみかえしたくなっちゃった」
4 「後悔したくない」「きもち?」
このように同一人物のせりふを第一かぎで括った場合のマス開けは2マス明けでよいですか。てびきやフォーラム等で調べた限りではそのように考えました。色々な人との話し合いでは一マスあけで良いのではとの考えもありました。

【A】

漫画のレイアウトは、文章で表現する場合と異なり、一コマの中での人物の大きさや配置などによって変わってくると思いますので、一コマの中の同一人物のセリフは、一つのカギに収めた方が分かりやすいと思います。
人物の後ろ二マスあけとして以下に書きます。

外大A■■「ア■オツカレサマデス」

外大A■■「エワ■カケタケド■モジワ■ナニヲ■カコーカシラ」

外大A■■「ナーンカ■ヒサシブリニ■~

外大A■■「コーカイ■シタク■ナイ■キモチ?」
のようになります。

5.p172 4.手紙文や公用文の書き方

遺稿集などに出てくる手紙文についてです。
①手紙本文の最後に、行替えし行末に寄せて書かれている「敬具」「敬白」などの結びの語
②手紙本文の後に、行頭から少し下げて書かれている日付
③更に行替えし、行末に寄せられた差出人の名前
④日付と同じ行に書かれた差出人の名前が1行で収まらない場合
⑤最終行、日付よりさらに書き出し位置を下げて書かれている宛名
これらの書き出し位置は、それぞれ何マス目からになりますか。

【A】

点訳ですので、原則として原文と同じ位置に点訳するようにします。
① 「敬具」「敬白」「草々」などは原文通りに行末近くに書きます。
行末にぴったり揃えて書かなければならないというものではありませんので,前の行との関係で、23マス目とか、25マス目程度で構いません。
② 日付は、5マス目あるいは7マス目から書くとよいと思います。
③ 行替えして行末近くに書きます。
④ 日付と同じ行に差出人を書く場合は、日付のあと二マスあけて書きます。
この場合、日付を5マス目から書けば1行に収まるのか、7マス目から書けば収まるかを検討します。そして日付と差出人名が1行に収まらない場合は、日付の下の行の行末近くに差出人名を書きます。その場合、上の行より少なくとも二マスは下がった位置から書き始め、1行に収まらない場合は、続きを差出人名の1行目から二マス下げて書きます。
⑤ 宛名は、行のはじめの方に書きます。一般には、相手の名前が一番上に書かれると思いますので、3マス目から書くのがよいと思います。日付より下がって書いてあっても7マス目より下に書くことは避けた方がよいのではないでしょうか。
原文通りの位置に書く場合でも日付を5マス目から書いたら、同じ5マス目か、下がっても7マス目からは書き始めたいと思います。
この辺は、規則性の強いところではありませんので、上記を目安にしていただければと思います。

6.p172 4.手紙や公用文の書き方

組織名、役職、氏名が続く場合の件です。「出版に寄せて――◯◯◯◯」という見出しのあと行を変えて、所属の組織名と肩書、氏名が続いて中点もなく1行で書かれています。原本は、氏名の前は一マスあいていて、氏名は書体を変えてあります。この場合どのように書いたらよいでしょうか。3つが違う要素なので、その間は二マスあけでいいでしょうか?組織名のあと、うしろ7マス位あきますが、意図的に行替えして、肩書と氏名を書く事はしないほうがいいのでしょうか?

【A】

このような場合は、組織名・肩書き・氏名を行末に揃えて書きます。行末に揃える場合は少なくとも行頭は、10マス以上あけることになります。
所属・組織名、肩書きなどを行末に揃えて書く例は、「てびき」にはあまりありませんが、p173の公文書の差出人のような書き方になります。
行末に揃えて書きますので、1行に収まることはほとんどありませんが、1行に収まる場合は、組織名、肩書きなどと氏名の間は二マスあけます。
1行に収まらない場合は、できるだけ組織名、肩書きなどの区切りで行を替えますが、行末の収まりなどのバランスも考えながら行替えをすることになります。
2行以上になる場合は、2行目以降は、1行目より二マス下げた位置から書き始めます。
例えば
行頭12マスあけ トーキョート■チジ■■コイケ■ユリコ

行頭12マスあけ フクオカケン■キョーイク■イインカイ
行頭14マスあけ   キョーイクチョー■■サトー■イチロー

行頭10マスあけ フクオカシ■ホケン■フクシキョク
行頭12マスあけ   セイカツ■フクシブ■ホケン■ネンキンカ
行頭12マスあけ   カチョー■■ヤマダ■イチロー

のようになります。

7.p172 4.手紙文や公用文の書き方

「てびき第3版指導者ハンドブック」第5章編p31にある「公用文の書き方」です。
「中山市福祉会館利用登録団体各位」の点訳の仕方を回答例で確認しました。
■■ナカヤマシ■フクシ■カイカン■リヨー■トーロク改行
■■■■ダンタイ■カクイ
このように2行に書かれていますが、2行目をこのように書く理由が分かりません。

【A】

手紙や公用文で、一つの宛名や差出人が2行以上にわたる場合は、見出しの書き方に準じて、1行目より二マス下げて2行目以降を書きます。
公用文などの場合は、宛先の次に差出人を行末近くに揃えて書きますので、相手に対する敬意を表す意味でも、相手をできるだけ行の前の方の位置に収めることが必要になります。
相手が複数の場合は、各相手の書き出しを揃えて、数行に分けて書きます。
また施設名と役職名(~センター 所長~様)を書くときなどは、役職名から次行に移し、行頭を上の行と揃える場合もあります。