第5章 書き方の形式(4)

その4 表や図の書き方

1.p174 1.表の書き方

「てびき」p174からの表や図の書き方について質問いたします。
点訳挿入符で点訳上の処理事項を書いた後、必ず1行あいていますが、これは必ず必要なのでしょうか。また、点訳挿入符が終わり、次ページに移る場合、次ページ最初に1行あけは必要でしょうか。

【A】

「表記法2018年版」の編集委員会の過程で、表の注記を入れた後は、1行あけることにしましょうという合意があり、「表記法」ではすべて1行あけとなりました。
これを受けて、「てびき」でも点訳挿入符で点訳上の処理事項を書いた後はすべて1行あけにしています。このようなことから、点訳挿入符を閉じた後は、1行あけることをお勧めします。
ただ、ページが変われば、次ページの最初の行はあけなくていいと思います。

2.p174 1.表の書き方

表についての質問です。今校正をしていますが、指摘してよいのかわからずお尋ねします。
(1)原本に日本の世界遺産一覧と書かれていて文化庁のホームページ掲載の一覧があります。前後に文章があるのではなく独立した形で書かれています。ただし目次に掲載はされていません。点訳者は枠線で囲まず、「日本の世界遺産一覧」を見出しとし、次行に点訳挿入符でどのように書くかを説明した後それぞれの遺産名を書いています。そのあとにも[日本遺産リスト]があるのですが同じように書かれています。こちらはページ数が多く点字で40ページほどあります。表は枠線で囲んで書くと思っていましたが、一般の文章を書くように書いてもよいのでしょうか。
(2)「日本の世界遺産一覧」のNo.の書き方についてです。点訳者は「数1■■」と2マスあけにしています。原本の数字にピリオドはありません。見出しの場合は、数字の後ピリオド、ひとマスあけより2マスあけの方が大きな見出しになるということですが、表などの場合、数字の書き方の基準を教えてください。
(3)星印についてです。「日本遺産リスト」の一部の自治体名の後に※,△、○印が付いていて、※は2018年5月24日。△は2019年5月20日追加認定。○は・・・。という説明があります。てびきの星印(4)には第3星印、文中注記符を用いて書くことができるとし例が載っていますが、印が3種類ある場合はどのようにすればよいでしょうか。
(4)「日本の世界遺産一覧」に「ル・コルビュジエの建築作品」があります。所在地が2段になっていて東京都の下に※フランス、ドイツ、スイス、…と書かれています。この※はどのように書けばよいでしょうか。※の説明はありません。

【A】

(1)「てびき」には、「本文との区別を明らかにするため、表の前後を枠線で囲む」とありますが、ご質問の「日本の世界遺産一覧」「日本遺産リスト」は、点字で40ページにも及ぶもののようです。とするとこれは、枠線で囲む効果はありませんので、囲んでいないことを校正の対象にはしなくてよいと思います。ただ、これは本文とは異なる資料ですということが分かるようにした方がよいですし、この一覧が本文の間に挟まれていると本文の流れが途切れて、この表は飛ばして、まず本文だけを読みたいという方にも不親切になると思います。考えられる方法としては、点訳書凡例で、《原本○○(例えば、第○章)に「日本の世界遺産一覧」「日本遺産リスト」があるが、この表は、最終巻の巻末(第○巻○○ページから)に掲載した。》と断って、本文(あとがきも)が終わったところでページを替えて書き、点訳書の目次にも見出しとして立てるのが分かりやすいと思います。
(2)表の中や箇条書きの番号などには、1■■ 1.■ (1)■ のどれを用いても間違いではありません。原本の書き方に準じてもよいですし、他の見出しとのわかりやすさを考えて、原本では裸数字でも(1)を用いるなど、特に決まりはありません。
(3)後ろに※、△、○などが付いている場合、必ずしも星印を用いなくてもよいと思います。この場合、たとえば、数字付きの文中注記符で区別する方法もあります。
※ は、文中注記符1、△は、文中注記符2、○は、文中注記符3などにして、文中注記符の説明をいれればよいと思います。この表に別に数字付きの文中注記符が用いられている場合は、01、02、03などの番号を付けることもできます。
または、※は2018年、△は2019年の追加認定であれば、自治体名の後ろに第1カッコで囲み(数18)(数19)(数20)などのように入れることもできます、もちろん《自治体名のカッコ内の数字は~》のように、説明を入れます。
(4)※の場合、多くは追加説明です。この場合も追加説明ですので、東京都のうしろに、第1カッコで囲んで(フランス、ドイツ、スイス・・・)と書くのがよいと思います。※に星印を用いると、必ず行替えして書かなければなりませんから、レイアウトが崩れて読みにくくなる場合が多いと言えます。

3.p174 1.表の書き方

見出しの下に表があります。横軸と縦軸に項目が書かれているだけでタイトルがなく、見出しがタイトルのようになっています。
「てびき」の例では枠線の中にタイトルが書かれていますが、これは決まりでしょうか。枠線の中に入れた場合、他の見出しの続きのようになってしまいませんか。
また、タイトルを見出しとして目次に入れたい場合、枠線の外のものでなければ見出しとして扱えないとか、枠線の中か外かによる違いはありますか。

【A】

表のタイトルは必ず必要というわけではありません。枠線の次行にすぐに点訳挿入符で表の書き方の説明を入れてもよいと思います。
または、本文の見出しと表のタイトルが同じ場合は、本文の見出しを書き、開きの枠線を書いて、枠線内にまた見出しを書いても良いと思います。どちらにするかは、分かりやすい方を選びます。

4.p175 1.表の書き方 (2) ②

表の項目が長く多いとき、略記したことを示す方法で、以下のようにしたものを見たことがあります。間違いではありませんか?
点挿で「表中の略記は次のとおり」と書き、次行から略記したものと元の項目の間を棒線でつないで、1項目ずつ改行していきます。
もしこのようにするなら、点挿は前述の部分だけでいいですか?あるいは最後の項目の行末に付けますか?

【A】

表や図の書き方は、点訳挿入符で囲んで説明しますが、 「表中の略記は次のとおり」を点訳挿入符で囲み、改行して、略記の仕方を書いていく書き方もあると思います。
元の語が長く、略記が多い場合などには、分かりやすいと思います。
また、断ってあることによって、これは点訳に際して書いた部分であることが分かりますので、特に枠線で囲んだ表や図の中では、項目の最後まで点訳挿入符で囲まなくても問題はないと思います。

5.p175 1.表の書き方 (2)

点訳挿入符を用いて点訳上の処理事項を書く際、点訳挿入符内で小見出し符を使用することは可能でしょうか。

【A】

小見出し符は、3マス目から書き始める見出しに付ける記号ですから、小見出し符の記号そのものを点訳挿入符の中に用いることはできません。
点訳挿入符の中では、表現を工夫して、《揚げ物の種類を小見出しとし、温度、時間の順に記す。》のように書くなどすればよいと思います。

6.p174 1.表の書き方 (2)

枠線で囲んだ表の中の見出しは7マス目にしています。
項目ごとに表の内容を書くのですが、この項目を5マス目の見出しにすると、各項目の前は1行アケにするのでしょうか。10項目ほどあります。

【A】

枠線の中では、本文とは独立したレイアウトになりますので、本文で5マス目からの見出しの前を1行あけていても、枠線の中では行をあけないで書くこともできます。
枠線の中では、各項目が数行で終わっても、項目の見出しを5マス目から書くことも多くありますので、行あけをしないで書くこともできます。

7.p174 1.表の書き方

『<私>をひらく社会学 ―― 若者のための社会学入門』を点訳しています。この本は、12章からなっていますが、各章に3つずつコラムがあります。どのコラムもほぼ1ページほどの長さで、本文の該当箇所に差し込まれるような形で書かれているのですが、本文の流れを妨げることがないように、これらのコラムは、まとめてそれぞれの章の最後に(各章の参考文献の前に)点訳しようと思っています。
1.「コラム1:相対的貧困率の上昇が意味すること」というように、コラムには番号がつき、コロンの後に見出しがついています。そこで、開きの枠線上9マス目から「コラム■数1」と書き、その開き枠線の次の行の7マス目から、「ソータイテキ■ヒンコンリツノ■~」というような形で見出しを書き、さらに、次の行の3マス目から、そのコラムの本文を書こうと思っているのですが、「コラム■数1■■ソータイテキ■(略)」全体を見出しと考えて、枠線上ではなく、次の行に「コラム1」の語も含めた全体を書いた方が良いのかどうか迷っています。
それは、コラムを続けて載せた場合に、「コラム1」の閉じの枠線の次に、「コラム2」の開きの枠線がくるので、枠線上に「コラム■数1」等の文字が挿入されると、分かりづらくならないかと思うからです。 どのようにしたら良いでしょうか?
2.本文中には、「(コラム1参照)」、「(コラム2参照)」等の言葉がありますが、コラムは、各章の最後に載せますので、そこに、コラムを点訳したページのページ数も入れた方が良いでしょうか。
3.コラムの中にグラフがあるのですが、そのグラフを表にして点訳しました。その表について、点訳挿入符を用いて、点訳上の処理事項を書く際に、「グラフを表にして示す」というような断り書きはしなくてよいでしょうか。

【A】

1.コラムを各章の最後にまとめると言うことですが、この本は、第1部~第3部の下に各章があり、その下に1.2.~の見出しがあり、その下に小見出しがあります。試し読みで、最初の二つのコラムしか読めませんでしたが、小見出しに関係するトピックがコラムとして取り上げられているようです。例えば、貧困の「再発見」に「コラム1:相対的貧困率の上昇が意味すること」、コラム2もマルクスに関するもので、「日常生活の宗教」に関連するようです。コラムを各章の最後にまとめないで、小見出しの変わり目、各小見出しの最後にコラムを入れるようにした方がよいと思います。
そうすれば、考えていらっしゃるように、枠線で囲み、枠線上にコラム■1と書く書き方が適していると思います。
もし、各章の最後にまとめるとしたら、枠線で囲むことはせずに、各章の最後に仕切りのための線を入れ、7マス目からコラムとし、5マス目から「1.■相対的貧困率の上昇が意味すること」の見出しを入れ、本文が終われば、1行あけで次のコラムに移り、三つのコラムが終われば、改ページと言うことになると思います。
2.「コラム参照」とコラムの位置が間に2頁以上ある場合は、点訳書のページを入れます。巻が変われば巻数も入れます。これは表などでも、同じです。
3.折れ線グラフを表にした。棒グラフを表にした。といような断わりは必要です。また、グラフに数値が書かれていない場合、「グラフから概数を読み取って表にした」というような断わりも必要です。

8.p174 1.表の書き方

審議結果の表で、原本では「○は賛成×は反対―は欠席」と説明があります。
点訳では反対者氏名のみ書いてそのあとに(△△議員は欠席)と書いていますが、それが複数個所ある場合は、点挿で、(欠)は「△△議員は欠席」のこと、と書き、表中に(欠)と省略した方がよいでしょうか。何度も同じ文言を書く方が親切なのか迷います。

【A】

審議結果の表は、たとえば、議会議員の名が書いてあり、議題ごとに縦に○、×などが書き込んである表でしょうか。
そのような表の場合、反対者の氏名だけ書くのは、情報としては偏ったものになるのではないでしょうか。全ての議員の名前を書いて、横に マル、バツと書いていっても、表として点訳できるのではないかと思います。
このような情報は、あまり省略せず、できるだけ原本の情報を点訳するようにしたほうがよいと思います。

9.p174 1.表の書き方

年表の書き方を教えてください。
見出しが年齢と宮田輝に関する事柄とその他の事柄に分かれています

【A】

一般的な書き方としては
【3マス目から】年齢■■宮田輝に関する事柄■②②②■その他の事柄
1行に収まらない場合は、次行一マス目から書き続けます。
その他の事柄がない場合は宮田輝に関する事柄だけを書きます。
宮田輝に関する事柄がない場合は、年齢の後、一マスあけて、点線を書きその他の事柄を書きます。

10.p175 「コラム32」

表の書き方についてです。校正をしていますが校正で指摘してよいのか判断に迷っています。
(1)労働市場訓練プログラム終了後の状況という表です。
((項目■■90日後■180日後の■順に■記す。単位はp))という点挿があり、
就職■■15.9■18.6
失業■■13.6■10.4
といった書き方で6項目あります。
数字の間のマスあけですが、一マスあけが不都合な理由もないので、一マスあけにしたということですが、こういう場合二マスあけか読点を入れると思っていたのですが、一マスあけでよいのでしょうか。
もし、二マスあけする場合は、点挿でも90日後■■180日後と、二マスあけた方がよいのでしょうか。それとも点挿では表でのマスあけに関係なく一マスあけで書いてよいのでしょうか。

【A】

表の書き方としては、縦に読んでも数字が比較できるように、数符を縦に揃えて書くのが基本ですが、ご質問の書き方は、追い込みで書かれています。このような場合も、数字と数字の間は二マスあけが基本になります。その場合点訳挿入符の中も、数字と数字の間のマスあけと揃えて、二マスあけにします。追い込みで書く場合は、読点を用いてもよいと思います。点訳挿入符の中でも読点を用います。
数字と数字の間を一マスあけにするのは、一マスにすれば、一つの項目の数字を1行に収めることができ、縦に数符を揃えることができるような場合になります。
表にするメリットは、縦横に数字を比較することができる点にありますので、この程度の項目数であれば、表にして書く方がよいのではないかと思います。書き方は、「てびき」p175「コラム32」や例1~例3を参考にしてください。

11.p175 「コラム32」

原本の年表の書き方についてご指導をお願いいたします。
関連年表とあり、上段に西暦、中段に個人の履歴、下段に日本と世界の動きが表記されています。中段の個人の履歴は下段に比べ、半分程度の事項が表記されています。
最初の点訳挿入符で
≪以下、表中、第2カギ…第2カギで囲んだ事項は「個人の履歴」を、それ以外は「日本と世界の動き」を示す。≫
とし、西暦の後に小見出し符を使い、箇条書きで中段の事項は第2カギで囲み、下段の事項はカギで囲まずに書きました。
そのような書き方でよいでしょうか。

【A】

点訳なさった方法でよいと思います。
または、
西暦 小見出し符 個人の履歴 点線 日本と世界の動き
のように書いてもよいと思います。
年表にカギ類が使われているかどうか、点線や棒線が使われているかなどによって、読みやすい方法で点訳してください。

12.p175「コラム32」

項目が多い数表を、同じ枠線内で二つに分割して点訳することにしました。
一つの表は原則通り4桁で区切る書き方
「数1マン■数5670=エン」で、それぞれ項目ごとに改行し、数値を書いていく方法にしました。
もう片方の表は縦軸横軸がある数表で、位取り点を使用する書き方にするとちょうど項目が収まり、バランスがよい書き方となりました。
同じ枠線内で数表を分割して点訳する場合、数字の書き方はそろえたほうがよいでしょうか。同じ枠内ではありますが、属する見出しは別になります。

【A】

内容が具体的にわからないのですが、
たとえば、各工業地帯の総生産額と、生産品目の比較のような複数の帯グラフを表にする場合、総生産額を別に先に書き、残りの品目は縦横で比較できる表にすることがあります。そのような場合でしたら、総生産額は、4桁で区切る書き方にして、各品目の比較は位取り点を使用するという書き方はできます。
その方が読みやすいと思います。
表の内容にもよりますが、数字の書き方を揃えなくてはいけないと言うことはないと思います。

13.p175「コラム32」

表の書き方について質問します。
移住の人気順位表です。
左端に順位があり、次に、市町村名、以下、各項目に点数がついています。
1 いすみ市 慣用度8 税源5 自然9 医療10 定住度9

以下2位以下が続きます。
追い込みで書いていくにはどのように書くのが分かりやすいでしょうか。

【A】

この場合は、追い込みではなく、縦横に項目を揃えた表にする方が読みやすいと思います。追い込みにするには、項目が多すぎますし、各項目が覚えにくい並びになっています。
項目と点数を一マスあけて入れるには、19マス必要ですので、14マス目から項目と点数(最大二桁)を入れます。そのためには、一マス目から、順位を書き、一桁のうちは二マスあけて市町村名、二桁になれば一マスあけて市町村名を12マス目までに入れます。千葉県54市町村で、市・町・村を省略すれば、殆どの市町村は12マス目までに入ります。最もマス数が必要な「南房総市」「横芝光町」「大網白里市」は、途中のマスあけを省略するか、12マス目まで入れて後ろを省略するなどの工夫をします。点数は縦に数符を揃えます。
各項目は、3マス以内に略記します。「慣用度」(寛容度?)を「カン」、「税源」を「ゼイ」、「自然」を「シゼ」、「医療」を「イリョ」、「定住度」を「テイ」と、点訳挿入符で断ればよいと思います。
このようにすれば、きれいに収まりますし、各市町村の順位が縦、横で比較でき、わかりやすいと思います。
なお、表を書く上での注意事項、「てびき」p175 (2)④、コラム32 2.などを参照してください。

14.p175 「コラム32」

項目が横が二つ、縦が五つの表の点訳について伺います。それぞれの項目を縦に並べる場合、横の項目の間が離れる場合には、点線を補う方法がてびきの「コラム32」にありますが、その場合空白が何マスくらいでしょうか。また、縦に揃っていると視覚的にはすっきりしますが、空白部分を移動しなくてはならないので、二マスあけの方が早いと思うのですが、ケースバイケースでしょうか。

【A】

数値が二つだけの場合は二マスあけの方がよい場合も多いと思います。
コラムで述べていることは、たとえば

チリ            52    87
南アフリカ共和国      100   62
日本                               3       21
オーストラリア                 20    14

のように、項目に長短の差がある場合を主に指しています。
このような場合、7マス程度以上離れれば点線を使用した方が分かりやすいと思います。

15.p175 「コラム32」

「数字の前に⑤の点が付いている便は土曜・休日」のように断って略記する方法があるとのことですが、このような方法は「サピエ」に登録する本の中でも使えますか。また、このような使い方は何処に書かれていますか。
また、一つの表を点訳して10ページになります。10ページになる表にも枠線は必要ですか。また、枠線の効果は何ページになってもあるものなのでしょうか。

【A】

点字の表は、ほとんどが原文のまま書くことができませんので、略記や省略など何らかの工夫が必要になりますし、その工夫を点訳挿入符で断ります。
そのことは、「てびき」コラム32の「1.項目の工夫」に書いてあります。
ご質問の事例が、時刻表の数字のうち土曜・休日の便がどれかを示すために一マスしか使えない場合であれば、点訳挿入符で断ってこのように書く方法もあると思います。
ただ、一マスで表すのに⑤の点の方法しかないわけではありません。例えば、土曜休日を連想できる、「ニ」(日曜)、「ク」(休日)を書く方法もあると思います。⑤の点だけでは見落としやすいと判断すれば「ニ」の方がよいかもしれません。
一マスの余裕を活かす方法は⑤の点だけということではありませんので、それぞれの場面に適した方法を考えて、点訳するのがよいと思います。
表は長くても始めと終わりがわかるように枠線で囲みます。
たとえば、この後ろは本文はなく、表だけと分かっていれ枠線で囲まなくてもよいと思います。

16.p175 「コラム32」

表が多い本で、1か所を除いて他は数字4桁で納まっているので、位取り点を付けずに書きました。一つの表は9個の数字のうち合計の部分1か所だけ5桁になります。そのため、その表だけはカンマを付けて書きましたが、この場合、1箇所だけなので、5桁の数もカンマ無しで書いてはいけないでしょうか。

【A】

合計のところが1箇所だけでしたら、そこも位取り点なしで書いてしまって、最初に表の書き方を断るところで、合計は数○マン■数○○○○です。のようにひとこと断っておいてはいかがでしょうか。
それで他の表とも統一性がとれるのでしたら、そのような書き方もあると思います。
ただ、乱用はできません。

17.p180 1.表の書き方 例4

「てびき」p180の例4の家計簿の表ですが、数字が位取り点を使わず書かれています。他の表では位取り点が使われていますが 、表ではこのように数字をそのまま並べるような書き方をしてもよいのでしょうか。「てびき」p31の【備考】には特に必要があれば位取り点を用いて書くことができると書いてありますが、これは基本的には使わなくてよいということでしょうか。今、表の校正をしているのですが、21,1153.8(単位は億円)という数字も21153.8と書いてよいのでしょうか。
また、この表は、数10数17が一マス目から書かれているのと 計が5マス目から書かれていることがよく理解できません。

【A】

「万・億」などを仮名で書かない場合は、大きい数は位取り点を用いた方がよいと思います。「てびき」の例4は、家計簿で、家計簿であれば、位はある程度予想できますし、小さい数字が並ぶ中で位取り点を用いると横のマスが足りなくなることもありますので、表によってはこのような書き方ができるという例として挙げています。表は、表す内容や分類などを考慮して書き方を決めます。ご質問の例のような場合は位取り点が無いと非常に読みにくくなると思います。
このように、日付だけが行頭から書かれていれば、縦に一マス目を見ていけば、何月何日には何を買って何を支払ったのかが分かりやすくなります。
普通の表と違い、家計簿は長く書き続けますから、月日が分かりやすいと便利です。
特殊な書き方ですが、このような書き方もあるという一例です。
また、家計簿の書き方の例として「日本点字表記法」に版を重ねても、長い間掲載されている例ですので、覚えておかれてもよいと思います。

18.p183 2.図の書き方

タイトルのない図があり、図の下に下記のような説明があります。
図1 : 気分の落ち込みの下方スパイラル。気分の落ち込みが数日続くだけで
うつ状態に陥る仕組み。それに早く気づいて対処すれば悪循環を断ちやすい。
出典 : Gilbert(1997)
1.本文中に特にこの図1についての説明はありません。そこで、この図の位置としては、その図が書かれている見出しの本文の最後に点訳しようと思います。
本文が終わった後、枠線(開き)を書き、7マス目から「図1」とだけ書き、次の行の3マス目から、「気分の落ち込みの下方スパイラル。‥‥(略)」と説明を書こうと思いますがいかがでしょうか。
また、出典はどこに書いたら良いでしょうか。図の最後、枠線(閉じ)の前に点訳すべきでしょうか。何マス目から書き始めたら良いものか迷っています。
2.次にその図の書き方について伺いたいのですが、
1番上に横書きで「外部のできごとが精神状態に影響する」と書かれていて、その言葉の下に下向きの → があります。そして、その矢印の下に「気分が落ち込み 希望を失う」と書かれ、この言葉にも矢印がついていて、その矢印は、次の言葉《思い込み:「しかたがない。どうにもならない」》に向かうのですが、「気分が落ち込み‥‥」から先は、円を描くというか、輪を描くような形で時計回りに並び、矢印が書かれて次の言葉へと向かっていきます。そして、最初の「気分が落ち込み‥‥」に戻ります。
この図は、気分の落ち込みが、さらに次々と気分を落ち込ませるような行動等を招いてしまい、循環していることを示している図であると解釈し、下記のような点訳をしてみました。(図には、番号はついていません。繰り返すことを示すために、便宜上つけました。)何か他に良い方法があるでしょうか。

■■外部のできごとが精神状態に影響する■→
■■(1)■気分が落ち込み希望を失う■→
■■(2)■思い込み■棒線■「しかたがない。■■どうにもならない」■→
■■(3)■引きこもりたくなる■■活動しなくなる■→
■■(4)■何も変わらない■→
■■点挿■(1)波線(4)をくりかえす点挿

点訳挿入符を使っての説明は、図の後に入れても大丈夫でしょうか。それとも、図の前に入れるべきでしょうか? 点挿と(1)の間は、一マスあけにしてよいでしょうか

【A】

1.本文中に「図1」という表現がないのでしたら、その見出しの最後でよいと思いますが、本文中に図1がある場合は、できるだけその段落と次の段落の間がよいと思います。または、本文中に図1の語があって、図との間が点訳で2ページ以上離れる場合は、図1のうしろにカッコで○○ページと図のページを知らせます。枠線の書き方と、7マス目からズ■数1と書くのはよいと思います。出典は枠内の最後に書きます。
出典の書き方はこの本の図全体で統一して、できるだけ行末に揃えて書きます。
ただ、出典が非常に長い図もある場合は、「てびき」p160 コラム31を参照してください。
出典の書き方は
出典■■引大Gilbert■(1997)引
と、年数までを外国語引用符で囲みます。

2.図の書き方は分かりやすいと思いますが、図にはない番号を入れた場合は最初に点訳挿入符で断わります。また、順序を表す番号と流れを示す矢印の両方はいらないと思います。このように流れを示す場合は、矢印から行替えして書きます。つまり矢印は、行の先頭に来ます。
書き方としては
■■外部のできごとが精神状態に影響する
■■→■気分が落ち込み希望を失う
■■→■思い込み■棒線■「しかたがない。■■どうにもならない」
■■→■引きこもりたくなる■■活動しなくなる
■■→■何も変わらない
■■点挿ハジメノ■ジョータイニ■モドリ、■クリカエス点挿

または
点挿負のスパイラルが矢印で示してあるが、その順序を1.~4.の数字で示し
た。点挿
■■外部のできごとが精神状態に影響する
■■数1.■気分が落ち込み希望を失う
■■数2.■思い込み■棒線■「しかたがない。■■どうにもならない」
■■数3.■引きこもりたくなる■■活動しなくなる
■■数4.■何も変わらない
■■数1.■→■数4.■ヲ■クリカエス
とするか、どちらかの方法が良いと思います。
点訳挿入符やほかのカッコとの関係があってわかりにくくなりやすいので、点訳者が番号を振る場合は、数1.がよいです。

19.p183 2.図の書き方

「クロスセクション分析」というタイトルの図があり、図の近くの本文には、「思考、身体的感覚、感情、行動のすべてが影響しあって経験を生み出しているが、人は、それをひとまとめに経験する。‥‥ (略) ‥‥ 次ページの図2は、経験を分解するための簡単な方法を示している。」という記述があります。

図の左上に横書きで「クロスセクション分析」とタイトルが書かれています。
そして、その下は、縦線、横線を使って、上下左右、4つの部分に仕切られています。左上の部分には「思考」、右上の部分には「感情」、左下の部分には「行動」、右下の部分には「身体的感覚」と書かれ、気分の落ち込みの経験が、それぞれの側面に分解して書かれています。
そして、これら4つの部分には、上下、左右、斜めに双方に向けての矢印が書かれており、互いに影響しあっていることが示されています。
この図の点訳においては、気分の落ち込みの経験を、それぞれの側面に分解して明記することが最も重要と考え(この分解するという行為こそ、悪循環から抜け出す方法であると、著者は考えていると思ったからです)、相互に影響しあっていることを示す双方向の矢印は、点訳挿入符の中で、「互いに影響しあう」という言葉で示して、下記のように点訳しました。
(原本の図には、1.2.等の番号はついていません。点挿で、4つの側面と書いたので、断った上で番号を入れました)

点挿 気分が落ち込む経験を、互いに影響しあう4つの側面(思考、感情、行動、身体的感覚)に分解して記す 点挿
■■数1.■思考 第1小見出し符■「わたしは何をしてもうまくいかない」■「わ
たしは負け犬だ」
■■数2.■感情 第1小見出し符■気分の落ち込み■■悲しみ
■■数3.■行動 第1小見出し符
■■衝動 第2小見出し符■友人を避ける
■■行動 第2小見出し符■目標をあきらめる
■■数4.■身体的感覚 第1小見出し符■エネルギー不足■■食欲不振

小見出し符を使わず、二マスあけにした方が分かりやすかったでしょうか。
図の中にも、相互に影響しあっていることを示す矢印のようなものを入れた方が良かったでしょうか。他によい方法があればお願いいたします。

【A】

点訳挿入符の説明は分かりやすいと思いますが、この質問のために書いてくださった説明がとても分かりやすいと思いました。
点挿 気分が落ち込む経験を、縦横に交わる4つの側面にわけ、互いに影響しあうことを表した図。左上に「思考」、右上に「感情」、左下に「行動」、右下に「身体的感覚」が記されている。それぞれに番号を振って表す。互いに影響し合うことを表す矢印は省略した。点挿

第1小見出し符、第2小見出し符を用いての書き方もよいと思いますが、第2小見出し符は用いずにカッコで囲んで、並記してもよいのかもしれません。
■■数1.■思考 第1小見出し符■「わたしは何をしてもうまくいかない」■「わ
たしは負け犬だ」
■■数2.■感情 第1小見出し符■気分の落ち込み■■悲しみ
■■数3.■行動 第1小見出し符■衝動(友人を避ける)・■行動(目標をあきら
める)
■■数4.■身体的感覚 第1小見出し符■エネルギー不足■■食欲不振

20.p183 2.図の書き方

今、点訳している本は派遣添乗員の経験談を日記形式で書かれたものです。
添乗業務は春と夏が忙しく、冬は暇だと言う事が書かれている箇所に、カレンダーの絵があり、絵にはいつからいつまで、どこのツアーに添乗したかが記され、休みの日は空欄です。
しかし、本文を読むと繁忙期と閑散期の休みの日数を表したいための、カレンダーの絵だと思われます。本文には休みの日数の記載もありますので絵を省略したいと思っていますが、省略すると文章がつながらなくなります。

①参考までに、私の2014年10月の勤務カレンダーを次ページに掲載する。この月の休みは6日だけである。
②次ページのカレンダーをご覧いただきたい。第1章に掲載した繁忙期のものとくらべてスケジュールがスカスカなのが一目瞭然である。一か月に19日も休みがあった。

以上の原文を下記のように書き換えてもいいでしょうか。

①参考までに、私の2014年10月のカレンダーをみると、この月の休みは6日だけである。
②2014年1月のカレンダーをみると、第1章に書いた繁忙期とくらべてスケジュールがスカスカなのが一目瞭然である。一か月に19日も休みがあった。

【A】

原則として、原文を書き換えることはしないで、点訳ではカレンダーを省略したことを断ります。
①②のような記述が何度も出てくるような場合は、点訳書凡例で、「著者の勤務カレンダーのイラストは省略した」と断るのがよいと思います。
その上で、該当の箇所で点訳挿入符で囲み(省略)と断ります。
①参考までに、私の2014年10月の勤務カレンダーを次ページに掲載する(ショーリャク)。この月の休みは6日だけである。
②次ページのカレンダー(ショーリャク)をご覧いただきたい。第1章に掲載した繁忙期のものとくらべてスケジュールがスカスカなのが一目瞭然である。一か月に19日も休みがあった。

点訳書凡例で断らない場合は、該当の箇所で、
点挿 勤務カレンダーのイラスト省略 点挿
のように、より詳しく断った方がよいと思います。

21.p183 2.図の書き方

「子どもを生きればおとなになれる」クラウディア・ブラック著を点訳しています。原本p74に図があります。図を点訳する場合の事をお聞きしたいと思います。今回点訳をするときに言葉を補いました。まず枠線の中にタイトルを書き、点挿符で注意書きを入れ、「説明のために言葉を補ったところがあります。」と書き入れましたがこの点挿符の中には具体的に補った言葉を書いた方がよろしいのでしょうか。また図中にあらためてその部分を囲み記号などで囲んでいれるべきなのでしょうか。補ったところが数個あればすべてそのような処理が必要でしょうか。

【A】

図に言葉を補ったことを点訳挿入符で断れば、その言葉を抜き書きしたり、図の説明中で囲み記号で囲んだりすることは、一般的には必要ありません。
図は殆ど、言葉を補わなければ説明できませんので、簡潔に的確な言葉を補うように工夫してください。
ただ、原本に断片的で重要な語句がある場合で、それが原本の図にあることをどうしても示したい場合は、原本に書いてある語句の方をカギ類で囲むことはあります。その際、図を言葉で補ったことと共に、「原本で示してある語句はカギで囲んだ」または、「カギで囲んだ「○○」「○○」は原本に示してある」のように断ればよいと思います。

22.p183 2.図の書き方

「知識ゼロでも楽しく読める! 心理学」(斎藤勇 監修)を点訳しています。
図の番号の付け方についてお教えいただきたいと思います。
第1章、全84ページで、32の節に分けて書かれています。節ごとの、文章中に図1、図2、右図などとあり、図がたくさんあります。節が変わるごとに、ズ1 ズ2など、すべて原本通りに書くのでしょうか。または、図を全巻通し番号にするのがよいでしょうか。

【A】

基本的に、原本の通りでよいと思います。
ネット上でためし読みをしてみたところ、各項、見開きで、左ページに本文、右ページに、図1、図2の二つの図があり、本文の該当箇所に(図1)(図2)と入っているようです。それ以外の図には番号が付いていないようです。このようにタイトル全体として統一した配置になっているようですので、原本通りに書くのがよいと思います。
なお、17ページまでしか見ることができませんでしたので、異なる節の図を参照する場合もあるかもしれません。そのようなときには、おそらく原本にも「○○ページ」のように参照ページが入っていると思います。その場合は、点訳書の巻数とページを入れます。

23.p183 2.図の書き方

写真が複数枚あり、キャプションがついているものとついていないものが混在している本です。写真の内容説明については全て省略し、キャプション付きのものだけ、キャプションのみを点訳することとしました。
点訳方法として複数写真がある場合、各見出しの終わりに仕切りの線を引き、そのあと「シャシン■■数○マイ」と見出しを作り、そのあとにキャプションを書くこととしました。
写真の全部にキャプションがついてあった場合は、枚数かかれてあればより親切だなと思ってつけたのですが、キャプションなしとありが混在していたら、点訳しているキャプションの数と枚数が合わずに読者が違和感を覚えるのではないかとの意見がありました。全部にキャプションがついていれば枚数明記、そうでなければ枚数を入れない、もしくはキャプションありの枚数だけをという風に臨機応変に対応してもいいのでしょうか。
てびきの例(p186)のように番号がふってあればよいのですが、ふっていないことも多いです。何か良い方法があればご教示いただけないでしょうか。

【A】

写真の処理については、「てびき」p207「9.点訳書凡例」の⑥にありますように、点訳書凡例で断ることをお勧めしています。
原本の位置ではなく、各見出しの終わりなどにまとめて入れることが多いと思いますので、その位置を示す必要があります。その際、写真に番号を付けたことや、キャプションのある写真だけを示したこと、またはキャプションのない写真には点訳挿入符で簡単な説明を入れたことなどを書くことにすれば、点訳の意図も伝わりますし、工夫して分かりやすく書くことができます。
ご質問のような処理の仕方の場合は、例えば、
写真は各見出しの最後に、キャプションの付いているものだけを書きました。また、掲載順に番号を付けました。
のようにすればよいと思います。

24.p183 2.図の書き方

写真が複数あります。
その中にはキャプションが場所と日付だけのものがあります。例えば 賢島 平成27年8月8日といったものです。その場合、写真の説明を入れた方がよいのでしょうか。
校正をしているのですが、点訳者は写真の説明を入れています。写真は基本キャプションだけでよいと思っていましたが、どのようにするのがよいのでしょうか。
点訳書凡例で写真はキャプションのみ記しましたと書けばよいと思いますが、いかがでしょうか。

【A】

その写真がその本を読む上で重要な役割を果たしていて、本文に写真の説明がないような場合、例えば心理学関係の本で、喜怒哀楽の表情を説明しないと本文の理解に繋がらないような場合や、学習書で写真を見ながら問題を解くような場合は、写真の客観的な説明が必要になりますが、一般書で、挿絵のような役割をしている写真の場合は、お考えの通り、点訳書凡例で断ってキャプションのみを書くのがよいと思います。
写真の説明は点訳者の主観が入らないように、客観的にする必要がありますし、写真の全てを文章化はできませんので、どの部分を切り取るかも重要になってきます。また、冗長になると本文の流れを中断することになりますので、その点も注意が必要です。
現在校正されている本には、点訳者が説明を入れているとのことですので、その説明が著者によるものか、点訳者が書いたものかが区別ができるようになっているかどうか、説明が客観的でその原本に適しているかなどを判断して、校正をすることが必要になると思います。

25.p183 2.図の書き方

原本の冒頭に「本書関連地図(ロシア西部~ヨーロッパ)」が記載されています。
地図上に各国の国名がかかれ、バルカン半島は詳細図をいれて、国名が記載されています。
①各国名を順に記すことでよいでしょうか。
②地図は省略とするのでしょうか。その場合目次の項目も省略するのでしょうか。

【A】

「地図」に書かれている内容を全く書かずに省略する場合は、点訳書凡例に「地図は省略しました。」と書き、目次にも入れません。
「地図」に書かれている国名だけでも入れる場合は、目次にも入れます。
「地図」の見出しを書き、点訳挿入符で、「ロシア西部~ヨーロッパ、及びバルカン半島の詳細図があるが、国名だけを記した。」などと書いて、国名だけを書けばよいと思います。
色分けなどがされていて、何か手がかりがある場合は、その分類別に記すなどの工夫をすると分かりやすいと思います。

26.p183 2.図の書き方

原本の中に写真や地図があります。写真は筆者の当時の姿で特に説明はありません
また地図も付近を表しているだけで説明はありません。省略してもよさそうに感じますが、その際省略した事を書く必要があるのかないのか気になります

【A】

説明、キャプションの付いていない写真やイラストのような地図は、イラスト挿絵と同じように考えて省略してよいと思いますし、点訳書凡例などに断る必要も無いと思います。

27.p183 2.図の書き方

家系図において、「てびき」では親子関係と兄弟関係は例として挙げられています。婚姻関係はどのように表すのが適切でしょうか。

【A】

家系図の書き方に決まりはありませんが、「てびき」では第3版から家系図の書き方を例として挙げていますので、「てびき」の書き方が広く用いられています。ただここには婚姻関係の書き方が示されていませんので、「てびき3版ハンドブック5章編」でその例を挙げてみました。
「ハンドブック5章編」p44 10.の例を参考になさってください。解答はp127にあります。その例では婚姻関係を第2カギで囲んでいます。
なお、「ハンドブック5章編」は絶版になっていて購入はできません。お近くの施設に問い合わせてみてください。
または、全視情協ホームページ各種資料(http://www.naiiv.net/material/)で問題をダウンロードできます。解答はサピエに点字データがアップされていますので、必要な場合はダウンロードしてご使用ください。

28.p183 2.図の書き方

原本の円グラフが右回りに、「行けない 11.8%」「関心がない 26.1%」「よくわからない 44.5%」「その他 16.0%」「無回答 1.7%」とあります。
この場合、数値の大きい順にそれぞれ3マス目から書こうと思いますが、数値には関係なくそのままの順で書いた方がいいですか。

【A】

円グラフは、時計の12時の線から右回りに、調査の目的に合わせてデータを並べるのが基本ですので、割合の大きい順に並んでいるわけではありません。
この円グラフの場合は、「行けない」と答えた人が何%かが最も知りたい内容ですので、「行けない 11.8%」「関心がない 26.1%」「よくわからない 44.5%」「その他 16.0%」「無回答 1.7%」の順に書くのが基本になると思います。

29.p183 2.図の書き方

原本に8か所図表が記載されています。
そのうち、2、3の図表の内容把握が、複数の点訳者で読み解くのですが、困難です。表示の範囲、内容に不明な点が多く、無理に読み解き、表記するのが不安です。
わかる範囲での書き記しはするつもりです。点訳書凡例で断り、本文中でも該当図表を省略したことを記することは可能でしょうか。その場合の判断基準、凡例例文などもお願いします。

【A】

原本の図表のなかには、本文に概要が書いてあり、原文内容の読み取り、理解に差し支えがない図表も多くありますし、また、概要が分かればすべて説明をしなくてもよいものや、墨字を読む人も視覚的な傾向を大まかにみるだけの図表なども含まれます。
できるだけ点訳した方がよいものの、何ページにもわたる表になって、原文の意図する主な内容から離れてしまうようでは省略した方がよいとも言えます。
点訳書凡例で、《図表は原則として枠線で囲んで記したが、差し支えのない場合は省略した。》と断わり、本文の該当箇所で、図表の番号、タイトルを入れ、その後に、ショーリャクと書けばよいと思います。
図表をそのままの形でなく、文章で説明する場合も枠線の中に書きます。点訳挿入符で、《図を言葉で説明する》《図を文章化して記す》などと断ります。

30.p183 2.図の書き方

図を省略する場合、図の番号やタイトルの後に「省略」と書くことを断っておけば、図の番号やタイトルの後に第1カッコで囲んだり、図の番号、タイトルと共に第1カッコで囲むことができるということです。
(図5)南部バプティスト連盟所属の教会の分布と信者数 という図があり、この図を省略する場合について質問します。
本文は 例えば、次の(図5)は、「南部バプティスト連盟」全米でのネットワークを示しており、・・・。となっています。
図の番号、タイトルとともに第1カッコで囲むことができるということですので
例えば、次の(図5■■南部■バプティスト■連盟■所属■教会の■分布と■信者数((図は省略)))は■「南部バプティスト連盟」全米での・・・。と省略までカッコで囲んで書いてよいということでしょうか。((…))は二重カッコです。
この図以外にも省略する図があり、出典も書かれています。
省略しないほかの図と同じように段落の切れ目などに枠線で囲み、その中に図の番号、タイトルを書き次行3マス目から(図は省略)とカッコ、または点訳挿入符で((図は省略))と書き、最後に出典も書くということでもよいのでしょうか。図を省略する場合は、出典も省略してよいのでしょうか。

【A】

省略した図は点訳書には無いわけですから、そのために長いスペースを割いて本文を途切れさせることのないように工夫します。
こうしなければならないという一つの方法があるわけではありません。読みやすく情報を伝えるように工夫することが大切になります。
例えば
1.凡例で、《図は枠線内に囲んで書きますが、図の内容について本文に説明がある場合は省略しました》と書き、番号もタイトルも出典も省略することもできます。
その場合、本文に、《次の図5は~》とあり、「図5」という語を省くわけにはいかない場合だけ《次の図5(図省略)は~》と入れます。
2.凡例で、《図を省略した場合もあります。その場合は、図の番号・タイトル・出典を各小項目の最後にまとめて書きました。》と断わり、5マス目からの見出しの最後に仕切りのための線を引き、図の番号順に、番号、タイトル、出典を書きます。
等の書き方があると思います。

ご質問にある《次の(図5■■南部■バプティスト■連盟■所属■教会の■分布と■信者数((図は省略)))は~》のような書き方は、タイトルが重複していたり、二重カッコがあったりして、何もない図のために煩雑な文を読まなければならなくなりますので、避けた方がよい例となります。

いろいろな図があり、その原文によって必要度も異なってきますので、その都度工夫が必要になります。

31.p183 2.図の書き方

自らの価値観をチェックするためのツールとしての図なのですが、実際は、図というよりは、沢山の言葉が記載され、その中から、自分が重要と思う価値観を明らかにするエクササイズのようなもので、下記のように書かれています。
大きく囲まれた四角の中に、「熱意 正直 信仰 公平さ 親切 優しさ 思いやり 強さ 野心 ・・・(略)」というような35個の価値観を表す言葉が、1行に4~3個ずつ11行にわたって書かれています。そしてその囲いの下に、「図10:価値観の例――自分に関心があり、重要だと思える価値観に○をつけよう。」という記述があります。
墨字では、沢山の言葉の中から、自分が重要と思う言葉を選び、その上にそのまま○を書き込むことは可能ですが、点字で書かれた言葉の上に○をつけるというのは、無理があるように思います。その場合、各言葉の前あるいは後ろにチェックを入れることのできるような空欄符号を用いた方が良いのかどうか、また、言葉は、横に並べるのではなく、1つずつ縦に並べた方が良いのかどうか、どのように書き表わすべきかが分かりません。

【A】

多くの項目から選択して○を付けたり×を付けたりする場合は、点字では、その用紙に○×を付けたり、回答を空欄に書いたりするわけではなく、別紙に書く事になります。
ですから、前後や言葉と言葉の間に空白を入れることはしません。問題集やアンケートなどでも同じです
ご質問の場合は、「熱意 正直 信仰 公平さ 親切 優しさ 思いやり 強さ 野心・・・」などを、中点を入れて並記してよいと思います。
二マスあけにすると、行が移るときにわかりにくくなりますから、中点か読点がよいと思います。
「図10:価値観の例――自分に関心があり、重要だと思える価値観に○をつけよう。」は原文のままでよいと思いますが、○をつけるためのカッコや余白があることを点訳挿入符で説明する場合もあります。

32.p183 2.図の書き方

『わかったさんのシュークリーム』という本です。ページの下に色々な種類のシューが10個ほどイラストで描かれています。それを書く時、点訳挿入符で《シュークリームの種類》と断わりを入れればよいでしょうか。原本に書かれていない言葉を書く時はどうしたらよいでしょうか。

【A】

イラストをどのように処理したかを点訳書凡例で断ります。
例えば、イラストに書かれていることをそのまま書く場合は、点訳書凡例で《(イラスト)と書いた後に原文にある説明を入れました》のように断ってあれば、その都度点訳挿入符を用いなくてよいと思います。今回ご質問の(イラスト)の場合は、シュークリームの名前が書いてあるのでしたら、書かれているシュークリーム名を並記するだけで分かると思います。
ただ、イラストを点訳者が言葉で説明するような場合は、(イラスト)と書いた後に、《イラストを言葉で説明します。》のように断り、原本に書いてある言葉と点訳者が書いた説明の区別が付くように注意する必要があります。

33.p186 「コラム33」

5マス~16マスの仕切りの線と1行あけとでは、1行あけのほうが大きい区切りと理解してよいでしょうか。「てびき」p186「コラム33」の例のように仕切り線の後、5マスから「シャシン」と書きその後に説明を書いて、1行あけて3マス目から小見出し符のつく見出しを書くというのでは、小見出し符つき見出しが「シャシン」の下に含まれるように感じるのですが、前を1行あけていれば、こういう書き方もできるのでしょうか。それとも、この例のように、5マス目以降の見出しが来るようなところの前に、5マスからの仕切り線・シャシンは入れるべきですか?

【A】

「仕切りのための線」と1行あけとでは、1行あけの方が大きい区切りと考えています。「仕切りのための線」は、1行あけの見出しの始まりと前の本文の終わりとの間に、仕切りが欲しいときに入れる線として、「てびき4版」で初めて提案しました。ですから、「てびき」の例のように、その項目の写真の説明や注記の説明などに主に使用すると考えてください。
「仕切りのための線」を1行あけの小見出し符を用いた見出しの仕切りに使用することは、あまり考えてはいませんでした。しかし、1行あけの方が大きい区切りですので、仕切り線の下に5マス目からの見出しを入れなければ用いても構わないと思います。誤読を誘うような使用は避けるようにしたいと思います。

34.p186「コラム33」

集合写真の説明を入れるとき、原本に「左から二人目・・」という説明が書かれている場合は、原文通りで構わないでしょうか。

【A】

このことについて特にルールはありません。
本文を読む上で写真での位置関係がわからないと困るような場合は、原文通りに入れますが、なくても特に困らない場合は、省略しても構いません。
名前の後ろに(右)(中)(左)(後列右端)などとあったり、(左から順に)などは、点字では省略してよいと思います。
ただ、前後のキャプションとつながっていて省きにくい場合(省くと文の収まりが悪くなるなど)もありますので、そのときには、原文通りに書く場合もあります。

35.p186「コラム33」

写真の書き方について、1枚の写真ごとにキャプションが付いているものと、2枚、3枚の写真に一つのキャプションが付いているものがあります。その場合キャプションだけ書くということでよいのでしょうか。それとも写真が2枚の場合は、(1)、■(2)■キャプション、もしくは、キャプション点挿2枚の写真点挿というように写真の枚数もわかるようにしたほうがよいのでしょうか。写真に(1)(2)と番号が振られているわけではありません。またキャプションのない写真についてですが、点訳者が説明を加えて点訳書に入れる必要があるのでしょうか。

【A】

写真の処理については、その本で、統一した方法を定め、必要に応じて点訳書凡例で断って、その通りに点訳します。
・本の内容にあまり関係の無い写真の場合は、すべて省略する
・キャプションの付いている写真だけを、各見出しの最後にまとめて書く。まとめて書く場合には、便宜上 1.2.3.などの番号を振る
・写真が内容に深く関わっているような場合は、すべての写真に順に番号を振って、キャプションと点訳者の説明が分かるように書き分ける。
等の方法があると思いますので、点訳にあたってどのような書き方にするかを決めることが大切です。校正は点訳の方針に従って校正することになると思います。
書き方を決めれば、必ずしも写真の枚数が分かるようにしなければならないものではありません。

36.p186「コラム33」

写真を何枚かまとめて記す時は「てびき」の「コラム33」を参考にしていますが、写真が1枚だけの時も同じように仕切りのための線を使いますか。
3マス目から(写真)
行替えをして写真の説明だけでもいいですか。

【A】

通常、「写真」をどのように点訳したかを点訳書凡例で断りますので、その見出しに写真が1枚でも数枚でも同じように書くのが原則になります。
1タイトルの中では書き方を統一した方がよいと思います。
なお、「コラム33」は、写真が複数枚ある場合の処理例として示しているわけではありません。1枚の場合も複数枚の場合でも、1タイトル内では同じ書き方をします。

37.p186 「コラム33」

現在「おいしくたべる こどものための実用シリーズ」を点訳・校正しています。
子どもが楽しく読む本なので、一般書と書き方がちょっと異なり、絵や説明が多くでてきます。お料理が出来た時に、会話ではないのですが、吹き出しの中に このお料理はとてもおいしいよ みたいな文が書かれています。吹き出し箇所は多くでてきます。吹き出し部分をどのように点訳したらよいでしょうか。

【A】

参考書や実用書などで、ヒントになることや感想などが書かれていることがありますが、第1カギで囲んで書いてよいと思います。
原本によっては、キャラクター的な名前が付いていたりします。そのような場合は、キャラクター名を書いて、二マスあけて、第1カギで囲んで書いてよいと思います。
この種の本の場合は、会話文などはあまりありませんので、第1カギで囲んでも誤解はないと思います。

38.p187 3.区切り線・枠線

広報誌の点訳をしています。ページの最後まで本文があり、次のページの1行目に区切り線、2行目が、空白行になって3行目に次の見出しになります。この時、1・2行は省略して、次の見出しになってもよいのでしょうか。

【A】

ご質問に対して、てびきでは「ルール」を決めていません。
区切り線については、「てびき」には「用いても用いなくてもよいが、用いる場合は用法を統一するように」と記載されています。施設・団体によって、ご質問のような場合も必ず区切り線を書くところも、次の見出しが来ることによって区切りが分かるので、このような場合は区切り線を省略するところもあります。
ご質問からは少しずれますが、広報誌で、見出しと見出しの間に区切り線を入れてさらに1行の行あけを入れていらっしゃるようですが、広報誌のように決められた紙数により多くの情報を入れたい場合、見出しと見出しの間は、1行あけまたは区切り線だけでよいのではないかと感じました。これまでの経緯や読まれる方のご希望もあるでしょうから、蛇足かもしれませんが。
区切り線からページが移る場合、区切り線を省略するか、そのような場合も区切り線を入れるかは、施設・団体で決めて、しっかり統一することが大切と思います。

39.p187 3.区切り線・枠線 (1) 【備考2】

「奥付の原本奥付と点訳書奥付の区切りには、行頭・行末を二マスあけた②の点の線か、行頭・行末を8マスあけた実線の区切り線を用いることを原則とする。」とあります。行頭・行末を10マスあけた実線が外された理由を教えてください。
また、行頭・行末を10マスあけた実線、行頭・行末を10マスあけた②の点これらは許容されますか?
【A】
今回の改訂で、区切り線として用いるには、行頭・行末8マスあけか10マスあけの実線となりましたので、3版まで用いていた例を変更することにしました。その際、原本奥付と点訳書奥付の間は、どちらかと言えば長い方がよいという判断で行頭・行末8マスあけの実線か、行頭・行末二マスあけの点線にしました。
ここは、5章の奥付(その6)に関するところで、規則性の弱いところですから行頭・行末の10マスあけの実線や点線を用いても間違いと言うことはありません。
ただ、今後長年用いるものですから、何年か経ったときに考え直したり、検討し直すよりも、長年使用しても疑問や迷いの生じないように変更するチャンスであると考えられたらいかがでしょうか?

40.p187 3.区切り線・枠線

枠線の使用ではページの最終行に開きの枠線だけ、表などのタイトル(見出し)までしか入らない場合は、枠線から次のページに移すとありますが、区切り線の場合、区切り線を書き、見出しまでが最終行に来た時の点訳で悩んでいます。
区切り線は本文と区切るための線ですから区切り線が最終行に来ても良いとあります。でもここに見出しが最終行にくるときはどうしたらよいかと悩みます。
区切り線を使わない時は見出しだけ前のページに残さないと書かれている箇所がありこれには該当しないと考えて良いのでしょうか。

【A】

区切り線をご使用ということですが、区切り線は、「てびき」p187にあるように、本文中の章・節などでページ替えをする際の区切りに用いるもので、行頭・行末のあけ幅を揃えて中央に書くものです。区切り線の下は、ページ替えですから、ご質問のような悩みは出てきません。区切り線の次の行に行をあけないで見出しが来ることは一般には考えられません。
ご質問が仕切りのための線であった場合、仕切り線の次の行に5マス目から「写真説明」「注」などの見出しを書く場合は、その見出しは、一番下の行には書かず、次のページの1行目に書くことになります。

41.p187 3.区切り線・枠線

枠線と行あけの関係性について、お尋ねします。
「てびき」p187の区切り線と枠線の記述に《本文中の・・・(中略)囲み記事などの挿入を示すとき、行あけでなく区切り線や枠線を用いることができる》とあります。
例えば、1冊の本の中で前の見出しの内容が終わり、コラムを点訳する際、枠線を用いずに点訳する場合は前の見出しの文章がおわり、行あけを行ってコラムの見出しを点訳することになります。
このコラムに枠線を使用するとなった場合、枠線が大きな区切りとなるので、前の本文と枠線の間の行あけは不要、ということでよいでしょうか。
本文が終わったあと、行あけを行い、さらに枠線も使用してコラムを点訳ということはしないほうがよいでしょうか?

【A】

枠線で前後の本文との区切りは明らかですので、行をあける必要はありません。
規則の厳密なところではありませんので、1行あけて枠線を書いても間違いというわけではありませんが、行をあける必要の無い所だと思います。

42.p187 3.区切り線・枠線

枠線の使用について質問します。
2つのストーリーを収録した小説(各ストーリーは章として構成)で、その1つの中で2カ所、手紙文が太字・枠線囲みで書かれています。
2カ所とも独立した小見出し(番号のみの小見出し)となっており、原本でも12ページと8ページと比較的長いので、点訳書では枠線囲みは省略したのですが、原本通り枠線で囲んだ方が良いでしょうか。

【A】

原文で枠線で囲んであっても、点訳では枠線に囲まない場合も多くあります。ご質問の場合は、枠線で囲まれた部分が非常に長く、またその部分に小見出しがついているのですから、枠線は必要ないと思います。枠線で囲む効果がないと思います。

43.p187 3.区切り線・枠線

健康に関するhow to本です。
見出しは、大見出し(章)と章の中に小見出しがある2段階です。大見出し、小見出しの前ですべて頁替えしています。
それぞれの章の最後に、その章の内容に関連する1頁程度のこぼれ話が「トピック」という見出しで頁替えをして書かれています。このトピックは、横書きになっていて飾り罫がついており、他の文章とレイアウトが異なっています。
大見出しを7マス目、小見出しを5マス目からにするのですが、このトピックも小見出しと同列の5マス目からの見出しにして書いてよいでしょうか。
それとも、本文とレイアウトが違うので、「てびき」p187にあるように囲み記事の挿入と考えて、枠線を用いるほうがよいでしょうか。
また、枠線を用いる場合は、原本が頁替えになっていても、枠線があることで、本文との違いは明らかなので、前の文から行あけせずに書くことになりますか。

【A】

いろいろな書き方があると思います。
トピックが大見出しの最後に必ず付いていて、それが、目次にも載っていないような場合、点訳でも目次に載せないで、本文が終わった後枠線を用いて書くことにすると、枠線内の見出しは7マス目からになります。
トピックも本文と同じように書き、目次に採用する場合は、前の項目の本文が終わった後、1行あけて、5マス目からの見出しとして、トピックを書くこともできます。
枠線の前後の行は、行あけしなくて差し支えありません。

44.p188 3.区切り線・枠線 (2)

イラスト入りの図を入れる場合ですが一つの囲みの枠の開きと閉じが何頁くらいまで離れて大丈夫でしょうか。3ページ以上になる場合は、枠を取った方がよいのでしょうか。読みづらくないのか気になります。

【A】

一つの枠で囲む範囲の長さについて、とくに基準は示していません。
ただ、枠線は開きと閉じがありますので、線を引くだけや1行あけをするよりは、ずっと検索性に優れ、始まりと終わりが明確に分かります。数ページに及んでも、「この枠線の終わりはここだ」ということはすぐに分かりますので、3ページ程度で枠線を外して行あけなどに変えてしまうと、逆に、判別しにくくなると思います。
枠線は、本文の流れを中断するような表や図、囲み記事などを囲むものですので、表がまとめて書いてあったり、長い資料が続くような場合は、ページ替えをする位置やその巻の巻末にまとめて入れるなどの工夫をする方がよいと思います。

45.p188 3.区切り線・枠線 (2)

枠線 ②の具体例として《コラムの中に表がある例》が記載されています。
点訳用例では、外側のコラムの部分の枠線には 開きに行頭・行末が②③⑤⑥、閉じに行頭・行末が①②④⑤の枠線を使い、内側の表の枠線には 枠線の開きも閉じも 行頭・行末を4マスあけた実線枠が使われています。
この場合、外側・内側に使う枠線の種類に何かルールはあるのでしょうか。
このほかにも単独の表があり、3種類の枠線を使い分ける必要がある場合も、何かルールはありますか。
点訳書凡例で断れば、どの順序で使っても構わないでしょうか。

【A】

(2)①②にあるように、枠線が1種類でよい場合は1行すべてに書く②③⑤の点で始まり、②⑤⑥の点で終わり、②⑤②⑤の点でつなぐ枠線を用います。この枠線が第1順位です。
そのほかに、例えば、図表の他にコラムなどがあって枠線が必要な場合は、「てびき」では、1行全てを使って、始まりと終わりが②③⑤⑥の点で②⑤②⑤の点でつなぐ枠線を用いることをお勧めします。
そして、枠線内に枠線が必要な場合は、行頭・行末4マスあけで、第1順位の枠線と同じ形の枠線を用います。
これで、ほぼ枠線は書き分けることができると思いますし、これで書き分けるように工夫することをお勧めします。
さらにどうしても必要な場合に、始まりと終わりをつなぐ点を②の点にした枠線も用いることができます。

46.p188 3.区切り線・枠線 (2) ③

開きの枠線上に「ヒョー」「コラム」などを入れる場合の書き出し位置について、5マス目、7マス目、あるいは9マス目から入れるとあります。
「てびき」の例では、すべて9マス目から書かれています。7マス目・5マス目から書きだすのは、どのような場合ですか。
また、枠内にある「表の見出し」「コラムの見出し」の書き出し位置は、枠線上の書き出し位置から二マスあげると考えていいでしょうか。

【A】

開きの枠線上、言葉を入れる場合は、5マス目、7マス目、9マス目のいずれでもよいのですが、5マス目からでは、枠線の書き始めから3マスだけしか線がありませんので、「点訳フォーラム」としては、7マス目か9マス目から書くことをお勧めします。1タイトル内では統一するようにします。
表の見出しの書き出し位置は、7マス目から書くのが、もっとも一般的です。枠線上の「ヒョー」などの書き出し位置に左右されることはありません。

47.p189 「コラム34」

写真のキャプションに、人物の位置を表わす(右)・(中央)などのカッコ書きが出てきますが、これは省くことができますか。
【A】
とくに規則はありませんが、特別な理由がない限り、省略して差し支えないと思います。

48.p189 「コラム34」

文中注記符を付けた語の説明を次の見出しの前に挿入するとき、4マスあけ区切り線が頁の最下行になってもいいのでしょうか。
また次の頁に区切り線をつけてもいいのでしょうか。

【A】

5マス目から書く仕切りのための線(「てびき」p186 p190にある線)は、本文との仕切りのために書きますので、そのページの最下行でも、一番上の行でも書くことができます。

49.p189 「コラム34」

4人の作家による短編集です。ひとつの物語が終わるごとに、その作家の近況や解説などが書かれています。
本文は縦書きですが、この部分は横書きになっていてページを替えて書かれています。原本で1ページ分あります。点字では1~2ページくらいです。はっきりした枠線で囲まれているわけではありませんが、枠の中に入っていて4人とも同じ形式で書かれています。解説やコラムと言った見出しのようなものはなく、文章の最後に作家名があります。このような場合どの様に書くのがよいのでしょうか。
(1)ページ替えをして書く。
(2)段落挿入符を使う。
(3)枠線を使う。
(4)注記や写真の説明の時使用する仕切り線を使う。
もし枠線を使ってよいのなら、本文に続けてもよいのでしょうか。それとも1行あけた方がよいのでしょうか。
また仕切り線は、注記や写真説明・挿絵以外にも使用してよいのでしょうか。

【A】

各作家の作品の最後に付いているのですから、ページ替えではない方がよいと思います。段落挿入符も、一般に、本文の前に要約や前文などを入れるときに使用されるものですので、この場合はあまり適していないと思います。
(3)(4)どちらでも良いと思いますが、枠線は段落と段落の間に入れて、始まりと終わりを明らかにしたいときに適していますので、この場合には、(4)が適していると思います。
枠線を用いる場合は、本文に続けて構いませんし、1行あけても間違いではありませんが、最後の枠を閉じる線も必ず入れる必要がありますので、その辺も考えた方がよいと思います。
仕切りのための線は、本文との仕切りのために付ける線ですので、写真説明、挿絵、注記以外にも用いることができます。
そして1行あけ、またはページ替えして次の作品に移るのがよいと思います。

50.p189 「コラム34」

仕切り線を使って写真などを入れる場合は、一般的には各見出しや章などの最後に入れると思いますが、点訳者は原本で1行あけがある段落の最後に入れています。1行あけの方が仕切り線より大きな区切りという事ですから、1行あけがあれば次が見出しではなく3マス目から始まる本文でも問題ないのでしょうか。

【A】

一般には、仕切りのための線は、見出しと見出しの間に用います。本文の中でも、たとえば、箇条書きの番号がある場合や学習書の問題番号の間などに用いられることはありますが、地の文の1行あけの所に用いるのは紛らわしいように思われます。全く見出しのない本など特別な場合を除いては、お勧めする書き方ではありません。
見出しと見出しの間に入れることにするか、事情があって本文の中に入れる場合は、「コラム34」にあるように、枠線で囲む方がよいと思います。

51.p189 「コラム34」

仕切りのための線が17行目に来た時、見出しが18行目になります。仕切り線は本文との区別のためですので、そのまま見出しを点訳して良いのでしょうか。迷います。

【A】

仕切りのための線は、本文と次の見出しの間に、写真説明や注記などをはさんで、次の見出しに行くときに用いる線ですので、そのページの最下行にきても、次ページの1行目に書いてもよいのです。
しかし、見出しは、そのページの最下行に書くことはできません。見出しの書き方は、「てびき」p154 (3)や【処理1】に従って書きます。
見出しがそのページの最下行に来るときは、次ページに移します。
ご質問の場合は、17行目に仕切りのための線を書き、見出しは次ページの冒頭行に書きます。

52.p189 「コラム34」

原本に注があります。注は番号をつけて文中注記符をつけ、各節の本文終わりに、5マス目から仕切りのための線をひき、注記をいれることにしました。
1.その本には、一箇所だけ節の最後に四角の枠で囲んだ図があります。この図の説明文を、本文の終わりに行あけなしで枠線で囲んで入れるのですが、注記も記載する場合、閉じの枠線の次行に、仕切りのための線は必要ですか。
2.ところどころに写真があり、キャプションのみを記載することにしました。同じ節に注記とキャプションの両方がある場合、本文終わりの仕切りのための線は、注記とキャプションの前のそれぞれに必要ですか。
3.別の原本で、本文とは別の枠にグラフとそのグラフを説明する文章があります。説明文のみを記載する場合、節の最後に仕切りのための線を入れて、書いてもいいでしょうか。

【A】

「コラム34」にありますように、見出しと見出しの間を1行あけにした場合に、それより小さい区切りを示すときに仕切りのための線を入れます。
ですので、その本で、文中注記符を付けた語句の説明のために仕切りのための線を使用すると決めた場合は、表などを閉じる枠線の下にも省略しないで線を入れます。
この線は、その見出しの写真を最後にまとめて記すような場合も用いることができます。ですが、あくまでも、本文の内容理解にはさほど必要でなく、本文と離れていても差し支えのない写真番号と短いキャプションを入れるようなときに、用います。
3.のご質問のように、グラフの説明が書いてあるような場合は、本文の該当位置に枠線で囲んで入れるのが良いと思います。
仕切りのための線は、あくまでも本文と離れていても差し支えないものをまとめて記すために用います。
仕切りのための線には、とくに規則はありませんので、本文が終わって仕切りのための線を入れ、注記を書いて、また仕切りの線を入れ写真説明を入れても間違いとは言えませんし、仕切りのための線を入れて、まずは注記を書き、注記が終わった次の行に、3マス目や5マス目から、第1カッコなどで囲んで「シャシン」と入れるなどの工夫をしてもよいと思います。その間は行あけはせず、1行あけて次の見出しになります。

53.p189 「コラム34」

5枚の写真に説明文が付いており、その中の2枚に同じ説明文が付いている時、3枚に同じ説明文が付いているときの書き方はどうすればよいでしょうか。
例えば、数1.・■数2.■説明文
数1.~数3.■説明文などとするのでしょうか。

【A】

複数の写真に共通の説明文が付いている場合、それぞれに番号を付けて、一マスあけや中点を入れて書いてもよいですが、番号を一つにして、説明文の最後に(2枚の写真)または(3枚の写真)のように説明をいれることもできると思います。
1枚、1枚に番号を付けた場合は
数1.■数2.■説明文
数1.・■数2.■説明文
数1.~数3.■説明文
のようになります。
原本に番号が付いていれば、原本通りでよいと思いますが、点訳者が番号を付ける場合は複数でも番号を一つにして枚数を入れる方がよいと思います。

54.p189 「コラム34」

原本はB5版で表紙にOSO18の原寸大足跡のイラストがあり、「OSO18の足跡ほぼ原寸大」と書かれ、内容をまとめた3行の文章が書かれています。奥付と著者紹介のある最終ページにはキャプションがついた雪原でクマを追うハンターの写真があります。
表紙のイラストや文章はどうしたらよいか、最終ページの写真はどこに入れたらよいでしょうか。

【A】

表紙や奥付にある写真は、一般的には説明文も省略しますが、この写真が内容と深く関わったりする場合は、下がり数字でページを付け(点訳書凡例があればその後)、点訳挿入符で、《標題紙と奥付に次の写真と説明があります》のように断って入れてもよいと思います。
あるいは、最終巻のあとがきの後などに入れてもよいかもしれません。

55.p189 「コラム34」

仕切り線の使い方について質問します。同じ本の中に「写真」「注記」が混在している本の場合、注記と写真のそれぞれに仕切り線を使ってもいいでしょうか。
各見出しの最後の仕切り線の数が1つだけだとすると、例えば注記の後に、写真を入れるときに1行あけをすると「写真」が本文の見出しと間違えてしまうのではないでしょうか。「注記」「写真」が2つあれば、2つの仕切り線を使っていいのでしょうか。
当センターでは凡例で写真は各見出しの最後に、キャプションの付いているものだけを書きました。また、掲載順に番号を付けました。注記は文中注記符の説明は各見出しの最後にまとめて点訳しました。とことわり、「てびき」p186の「コラム33」を参考に書いて、各見出しの終わりに仕切りの線を引いています。

【A】

仕切りのための線は、「コラム34」にありますように②の点と②⑤の点を用いることができます。どう用いてもよいのですが、たとえば、本文が終わったら、②⑤の点の仕切りのための線を書き、注記を書いて、注記が終われば②の点の線を書いて写真の説明を書くこともできます。順序が逆でも自由です。
こうすると、どちらかが無い場合は、線が一つになるだけですので、気にせずに書くことができます。
例えば、②⑤の点の下には必ず注記を書き、②の点の下にはかならず写真の説明を書くとしてもよいと思います。そうすると、注記が無い場合は、②の点で写真だけを入れ、写真が無い場合は、②⑤の点で注記だけを書くこともできます。
仕切りのための線は、1行あけより小さい区切りであるという以外、厳密な規則はありませんので、ある程度自由に工夫することができます。