第5章 書き方の形式(6)

その6 本文以外の割り付け

1.p197 1.巻数のまとめ方

1巻のページ数は表題紙や奥付など含めて100~160ページが標準ですが、どうしても160ページを超える場合、何ページまで許容できますか。1行あけの部分で分冊すると162ページで表題紙、目次、奥付までいれると全体で168ページになるのですが。

【A】

「てびき」では読みやすいページ数という意味で、第3版から記載されていることですので、自施設・団体内でだけ使用する点訳書であれば、それぞれの施設・団体の事情に合わせて考えればよいと思いますが、「サピエ図書館」にデータを登録する場合は、異なります。
「サピエ図書館」のデータは、全国の施設・団体が印刷・製本して、利用される方に貸し出すことを前提にして製作することになっています。
現在は、多くの施設・団体が70~80枚を綴じることができるバインダーを使用しています。80枚がバインダーに綴じてページをめくることができる限界で、60枚~70枚がそのバインダーで読みやすい枚数です。75枚くらいまでに押さえてほしいという希望も出ています。
ですから、サピエ図書館に登録するデータは、標題紙・奥付も含めて、最大160ページに止めるよう工夫してください。

2.p197 1.巻数のまとめ方

章ごと分冊すると全6巻(①108ページ②118ページ③120ページ④116ページ⑤102ページ⑥72ページ、1巻~5巻まで各2章ずつ、6巻目が1章と著者紹介)になるのですが、最後の6巻が標題紙、奥付を入れても、72ページです。最後の6巻目がページが少なくても大丈夫でしょうか。当館はバインダーを使用しています。
または、全5巻にして、100~160ページ程度にまとめるとすると、各巻章の途中で分冊となるのですが、130~140ページ程度にまとまります。
読みやすさから考えると、章ごとの6巻での分冊がいいのかなと思うのですが、「てびき」の(2)に当てはまめると、全5巻かなと迷います。バインダーの幅は同じなので、ページ数は多少少なくてもいいのかなとあれこれ考えてしまいます。

【A】

一概にどちらともお答えできないところで、最終的に担当者の判断ということになると思いますが・・・。
章ごとのまとまりが強い本(実用書や学習書、小説でも長編で、全く舞台や時代が変化するものなど)は、巻ごとに多少ページ数が変わっても、章の切れ目で次の巻に移るのがよいと思いますが、連続性の強い一般的な読み物でしたら、各巻のページ数を揃えてよいと思います。

3.p197 1.巻数のまとめ方

巻数の表し方の質問です。本文のみの巻数が3巻になり、索引が多いため、1巻分として作成したのですが、その場合全体の巻数は4巻とするのでしょうか。あるいは本文3巻、索引巻は別の巻として表現するのでしょうか。

【A】

全4巻とします。
最終巻が索引の場合は、点訳書凡例で、「最終巻は索引です」というように断ります。

標題紙も、ダイ数4カン、(ゼン■数4カン)としますが、
書名などを入れる枠内に1行足して(サクイン)のように入れてもよいと思います。

4.p197 2.ページの付け方

ページの付け方についてお尋ねします。前書き序文などは下がり数字を用いるとされていますが、序章も下がり数字を用いるのでしょうか。
序章 第1章…第10章 終章とある本です。

【A】

まえがき、序文、はじめに、序章などは、「てびき」p197 2.にあるように、本文と独立している場合は下がり数字でページを付け、本文の内容と連続性が強い場合は、本文と通しページにします。
ただ、「まえがき、序文、はじめに」などより「序章」はすでに本文の内容が始まっている場合が多いように思います。そのような場合は、序章から、1ページとします。

5.p197 2.ページの付け方

「てびき」に「まえがきなどが本文の内容と連続性が強い場合は、本文と通しページとする。」とありますが、“本文の内容と連続性が強い場合”とは、具体的にどういう場合なのでしょうか。今点訳している本では、はじめに・プロローグ・本文(第1章~第6章)おわりに があります。
“はじめに”では著者がこの本を書くに至った経緯が8ページほど書かれ、最後の行末に著者名が書かれています。(はじめに=まえがきと解釈していますが)

【A】

現在点訳されている原本では、「はじめに」は下がり数字でページを付けます。下がり数字でページを付ける典型的な「まえがき」の例になると思います。
「てびき」で「本文の内容と連続性が強い」と言っているのは、「まえがき」からすでに小説などの読み物の内容が始まっている場合を想定しています。

6.p198 2.ページの付け方 【処理】

ページ付けについて質問です。「てびき」p198に「パソコン点訳では、偶数ページが空白になる場合もページを入れる。」とありますが、目次の裏面はどうでしょうか。自動でページは付かないので手動で「モクジ」「モク数1」など入れますが目次が1枚の時、「モク3」で終わった時などに裏面にも入れる必要がありますか。
また、奥付の前のページが空白の時も入れるのでしょうか。データ利用されるのにあった方がいいのでしょうか。

【A】

目次の偶数ページもページ付けをすることをお勧めしています。「モク3」で目次が終わっても「モク4」のページ付けも入れます。
なお、目次が1枚の場合は、ページ付けをしても省略してもどちらでもよいことになっていますので、省略する場合は、その裏ページも空白になります。
奥付の前の偶数ページにもページ付けをします。奇数ページにページが付いていれば、その裏のページにも必ずページを付けます。

7.p198 3.標題紙

表題紙の著者名の書き方についてお尋ねします。奥付に「著者 ○○」とあれば表題紙では「○○著」と書いていますが、点訳中の本の奥付には「著者 ○○」、「聞き手 ○○」とあります。この「聞き手」は表題紙ではどのように書けばよろしいでしょうか?
【A】
特に規則は設けていませんが、原本の奥付の語を使用して「キキテ」と書いてよいと思います。標題紙では「○○チョ」「○○キキテ」となります。そのほか、「述」「インタビュー」や「ノベライズ」などがありますが、これらも、原本の語をそのまま用いて書きます。

8.p198 3.標題紙

「北のおくりもの 北海道アンソロジー」を点訳しています。著者は浅田次郎ほか数名です。編者が集英社文庫編集部になっています。
このようなとき標題紙のタイトルの上に書くのは、「浅田次郎ほか著」の方がよいのか、「集英社文庫編集部編」と書くのがよいのかが判りません。奥付には「編者」「著者」どちらも入れています。

【A】

規則上は、どちらでもよいと思います。ただ、ご質問の原本の場合、9名の執筆者がいて、浅田次郎、堂場瞬一、渡辺淳一、原田マハなど、執筆者間に優位差や順番がなく、誰を代表(主たる執筆者)にするという種の本ではないようですので、集英社文庫編集部編と書いた方がよいように思います。

9.p198 3.標題紙 ほか

書名、特にシリーズ名などで、後ろに続く数字や上・下などとのマスあけについて。
これまで、私は二マスあけるものと考えてきましたが、一マスでよいという方も結構おります。どちらがよいのでしょうか。
例えば
「皇国の守護者7」→「コーコクノ■シュゴシャ■■7」または「コーコクノ■シュゴシャ■7」
「家政夫のナギサさん 上」→「カセイフノ■ナギサ■サン■■ジョー」または 「カセイフノ■ナギサ■サン■ジョー」

【A】

ご質問のどちらの場合も二マスあけにします。標題紙の例2、奥付の例1、例2などを参考にしてください。
シリーズ名などの前の要素がマスあけを含む語句で、後ろの数字や上・下などは、その全体の番号ですので、二マスあけます。ただ、(上)(下)のように巻次がカッコで囲まれている場合は、誤解がないので一マスあけでよいと思います。
「てびき第3版Q&A」Q149も参照してください。

10.p198 3.標題紙

標題紙について。書名と副書名があって、副書名は前後を棒線で囲むと「てびき」に載っています。副書名の中に棒線が使われている場合でも、前後に棒線を使うのでしょうか。また、奥付の書名蘭では、前だけに棒線を使うと、副書名の中の棒線が後ろの棒線と勘違いされないでしょうか。

【A】

標題紙で、副書名を囲む②⑤ ②⑤の線は、棒線と形は同じですが、いわばレイアウト上のもので、書名の下に、この線で囲まれていれば副書名と分かりますので、副書名の中に棒線があっても、誤読の恐れはないと思います。
奥付の場合は、初見であれば確かに読んでいて迷うところだと思いますが、標題紙等で、書名・副書名を理解した上でのことですので、奥付のルール通りに書いて差し支えないと思います。

11.p198 3.標題紙

書名の後に続く、上・下等の 3.標題紙マスあけについて確認です。
「点訳フォーラム」のQ&Aで、書名との間は二マスあけすること、また(上)(下)とカッコがあれば、一マスあけとなることは、理解できました。
現在、校正している『盤上の向日葵』の原本には、上・下にカッコがついているので一マスあけと思いますが、「サピエ」の書誌詳細欄にはカッコがついておりません。
こういう場合は、原本どおりでいいのか、サピエにあわせないといけないのか、迷っております。なお、サピエ登録はTRCのデータをコピーして登録しています。

【A】

原本を点訳するのですから、原本通りとします。
サピエの書誌入力規則では、原本にカッコがあっても、カッコを入力しないことになっています。ですからサピエの書誌には、上・下などにカッコは付いていません。

12.p198 3.標題紙

上・下等、標題紙に書く巻次について「原本を点訳するのですから、原本通りとします。」との回答があります。原本標題紙の巻次は、1・2、①・②、(上)・(下)、また菱形の中に数字や漢字がある場合などさまざまです。原本の扉と奥付は同じ場合も異なる場合もあります。その時は「てびき」p198 【処理1】を参考に奥付の記載に従うということでいいでしょうか。
『運命の人』(山崎豊子 文藝春秋)は標題紙・扉・奥付の3カ所が同じで、菱形の中に数字があります。もちろん書誌は数字のみです。同じように菱形が使われている本では、数字や漢字だけ、またはカッコに替えられていることがあります。今回のような場合、巻次はどのように点訳するのがよいのでしょうか。他にも原本から判断できない場合はどうすればよいでしょうか。

【A】

『運命の人』(山崎豊子 文藝春秋)は、菱形のなかに数字が書いてあるスタイルに統一されているようです。
菱形に数字は、点字では書き表せないので、(1)(2)と第1カッコで囲んで書くのがよいと思います。
墨字では視覚的にいろいろなデザインができますが、点字では、第1カッコで囲むか、裸数字で書くかの判断になります。
原本奥付を元に、巻次が何も囲みがなく、1・2・上・下などと書かれていれば、点字でも 数1 ジョー などと囲み記号を用いないで書き、(1)①(上)などと囲み記号で囲まれていれば、点字では第1カッコで囲んで書くようにするのがよいと思います。

13.p198 3.標題紙

製本に関する質問です。
表紙などの点が潰れないように、全体を「コタコタ・・・」と打ったもので挟むと聞いたことがあります。もしそうするなら、コタコタを両面に打ちますか。片面だけにし、打った方を内側にして挟みますか。

【A】

点字用紙の下の方が大きく空白になったときに、下に2~3行コタコタといれることが、以前行われていました。
点字プリンターではなく、亜鉛板で製版して、印刷機で打ち出すときに、保護点として、あるいは亜鉛版のズレを防ぐために行われていました。
現在もその習慣が残っている施設もありますが、点字プリンターで印刷する際には、この点は必要ありません。

14.p198 3.標題紙

標題紙と奥付の著者名表記について。
原本(家康その一言 --精神科医がその心の軌跡を辿る--)では表紙にも奥付にも著者名がありません。書誌情報にもないようです。目次には著者名が書いてあります。この場合、点訳書の標題紙と奥付は、どのようにするのがいいのでしょうか。「てびき」では、標題紙、奥付共に、著者情報は必須項目のように思われます。本の中を見れば著者名がわかるのならば、点訳書の標題紙、奥付に入れたほうがいいのでしょうか。書誌情報にもないようなので迷っています。
また、原本の奥付には、書名、発行日、発行 静岡文化財団(住所あり)、編集・制作 株式会社創碧社(住所なし)の項目があります。

【A】

この図書は、「静岡県文化財団」が企画・発行している「しずおかの文化新書」シリーズの中の1冊のようです。
このように、著者名などが表示されていない刊行物の場合、標題紙や奥付の著者情報には、発行者名を書くのがよいと思います。
この図書は、国立国会図書館の書誌でも、WebcatでもCiNiiでも、「著作者など」の欄に「静岡県文化財団」と記載されていますので、この方法が適していると思います。
実際には、「発行」か「編集・発行」かは原本に書かれているとおりにしてください。
奥付は、「てびき」p203にあるように必須の項目は定めていますが、記載順や記載方法は決めていませんので、原本に準じて書けばよいと思います。
書名(副書名、シリーズ名など)
発行日
発行所
発行所住所
が入っていればよいと思いますが、編集・制作者名があれば、それも原本奥付の位置に従って入れてよいと思います。
奥付は、「必要事項を取捨選択して記載する」がルールですので、普通の小説などと異なる今回のような場合は、あまり書き方に拘らなくてよいと思います。ただ、全巻を通して同じ書き方にします。
なお、一例として、「点訳のてびき」も著者名表示はありませんので、点字版の奥付は、書名、発行日、編集・発行、住所の順になっています。

15.p198 3.標題紙

翻訳本を点訳していますが、原本表紙カバーと扉に邦題とともに原書名も併記されており、扉の裏面には「The Scarlet Feather 1948 by Frank Gruber」とあります。しかし奥付には原書名の表記はありません。またサピエ図書館の着手登録には「注記・分類・件名など」の中に「原書名」として「The scarlet feather」と入力されています。
この場合原書名も入れた方がよいのでしょうか。入れるとしたらどのように入れるのがよいのでしょうか。

【A】

奥付に無い場合は、標題紙にも奥付にも原題は入れません。
著者紹介などに、原書名や著者名などがあると思いますので、一般には、扉の裏面に書いてあっても「The Scarlet Feather 1948 by Frank Gruber」は省略してよいと思います。ただ、施設や団体の判断によっては入れる場合もあるかも知れません。

16.p198 3.標題紙

英語の本 The Phantom Of the Opera の校正中です。UEB式です。
英語の目次の中に日本語で(テンヤクショ■ハンレイ)とありますが、英語との区別はなくていいのでしょうか。日本語の第1カッコを使用しています。
日本語で書かれている奥付の中の、英語の部分には外国語引用符が必要と思いますが、どうでしょうか。標題紙も巻数や製作館名は日本語、タイトルや作者名は英語と、英語と日本語が混在していますが区別は必要でしょうか。

【A】

点訳書凡例の書き方も点訳の通りでよいと思いますし、標題紙に英語と日本語が混在していても、差し支えありません。奥付のタイトルにも外国語引用符で囲まなくても差し支えないと思います。
全体が英語で書いてある本の場合は、標題紙や奥付に外国語引用符がなくても,大文字符(⑥の点)から始まっていれば、読者は英語かもしれないと判断して読みます。
「サピエ図書館」登録点字文書製作基準(https://www.naiiv.net/zensijokyo/wp-content/uploads/2022/05/tenji-seisaku-kijun-202204.pdf)のp9に「すべて英文の本の場合」の標題紙の例がありますので参照なさってください。

17.p198 3.標題紙

標題紙についてです。本のタイトルが6マスしかないので、点訳者は左右7マスずつ開けて枠で囲んでいます。「サピエ製作基準」p6には枠内の文字や記号との間を二マス以上あけるとなっていますが、何マスまでという制限はありますか。

【A】

このことに関するルールはありませんので、施設・団体で話し合って決めておくとよいと思います。
たとえば、タイトルが全体で6マス以下であれば、前後4マスあけにするなどと決めておけば、点訳者も校正者も迷うことはないと思います。

18.p198 3.標題紙

標題紙についての質問です。
『お山の上のレストラン ―― 七歳児参りのふっくらムニエル』
『お山の上のレストラン2 青葉の頃ハーブポークの休息』を点訳中です。
サピエ図書館で検索すると七歳児参りの方は、副書名扱いで、青葉の頃の方は、各巻書名扱いです。どちらも、以前出版された本(それぞれ別の書名)を改題して発行されています。登場人物や舞台背景なども同じで、シリーズのようですが、七歳児参りの方は「1」とはなっていません。
それぞれ別の書籍と考え、副書名・各巻書名で標題紙を点訳してもよいでしょうか。

【A】

このようなシリーズは、わりあい多いと思います。
「1」と書いていないので、1と入れることはできないと思います。
各巻書名も副書名のような形で書く事ができると思いますので、標題紙は、上の行に
お山の上のレストラン
お山の上のレストラン■■2
と入れ、次の行に、②⑤②⑤の線で囲んで
ーー■七歳児参りのふっくらムニエル■ーー
ーー■青葉の頃ハーブポークの休息■ーー
と入れては、いかがでしょうか。

19.p198 3.標題紙

『貴婦人Aの蘇生』の新装版を点訳していますが、この「新装版」の処理についておたずねします。
表紙、奥付のどちらにも「新装版」とあるので、標題紙、奥付に含めると思いますが、「貴婦人Aの蘇生」のあと、二マスあけて「新装版」と入れてよいのでしょうか。
なお、サピエ図書館で調べてみると、タイトルが「貴婦人Aの蘇生」、シリーズ名が「朝日文庫 お52-3」となっており、原本注記として「新装版」と載っています。
また、中扉裏、目次の前に、「本書は2005年12月、……の新装版です。」の1文がありますが、これはどこに、どのような形で入れるのがよいのでしょうか。

【A】

「新装版」は、本や書籍が新しい装丁で再発行されることを意味していて、内容の更新や改訂は、必ず実施されるわけではなく、基本的に見た目のリフレッシュとなります。今回も表紙のデザインが2005年の文庫本と異なっています。
物語そのものは手を加えられていないので、一般に「新装版」は原本に対する注記と言うことになります。その意味で「サピエ」では、原本注記に書かれています。
この本はすでにサピエに点字データが登録されているのですが、2002年発行になっていますので、おそらくハードカバーの点訳ではないかと思います。今回は文庫本ですので重複にはあたらないと思われます。
また、今回は「新装版に寄せて、著者の長年の愛読者である中嶋朋子氏が巻末エッセイを寄稿。」とあり、新たに加わっている部分もありますので、点訳してサピエにアップするのに不都合はありません。
書誌にシリーズ名があっても「朝日文庫」「岩波文庫」などというシリーズ名は一般に点訳しません。
「新装版」も原本に関することとして点訳を省略してもよいと思いますが、今回は上記のように、内容が加わっているので、書名の後に二マスあけて、新装版といれるか、レイアウト上収まりが悪い場合は、「てびき」p199の第○版のように、行を替えて入れてもよいと思います。
「本書は2005年12月、……の新装版です。」は入れなくてもよいと思いますが、入れるとしたら、あとがきなどのあとに、余裕があれば1行あけて、入れてもよいと思います。

20.p198 3.標題紙 【処理1】

児童書で表紙には 〇〇作となっていて、裏には著者紹介、奥付には明記されていません。このような場合、どれかに統一するのですか。それとも表紙は作で目次と紹介、奥付は著者としますか。

【A】

「著・作」などは、一般には、奥付の表記に従って統一しますが、奥付にその表示がない場合は、判断ができませんので、「てびき」p198【処理1】にありますように、「サピエ」のTRC-MARCで判断するのがよいと思います。
どうしても判断が付かない場合は、より一般的な「著」を選んで統一して良いと思います。

21.p200 4.目次

大見出し・中見出しのある本で、中見出しには、目次に記載があるものとないものが混在していますが、原本通り点訳して問題はないでしょうか?
【A】
点訳書の目次は、その点訳書の内容が分かりやすいように、検索できるために作成するものです。原本の目次とは異なるものと考えてください。ですから、原本の目次にない項目でも点訳書の目次に入れてかまいません。原本の目次になくても、点訳書では中見出しをすべて入れることができます。

22.p200 4.目次

見出しが3段階あるので、9マス目、7マス目、5マス目からの見出しにしたのですが、プロローグには、存在する7、5マス目の見出しが目次に記載されていません。また、1~5章の見出しの中には、9、7マス目の見出しはきちんとありますが、5マス目の見出しは、目次に記載されていない見出しが10個以上ありました。
本文が短いので省略されたのだろうとも思われます。原本とは異なりますが、9、7マス目の見出しのみで目次を作成してもよろしいでしょうか。それとも、原本の目次に記載されている見出しだけで、点訳書の目次を作成するのでしょうか。

【A】

点訳書の目次は、原本の目次を点訳するのではなく、点訳書のその巻にある見出しを基に作成します。
ですから、その本で、7マス目からの見出しと9マス目からの見出しで目次を作成すると判断したら、全巻を通して、その巻の7マス目からの見出しと、9マス目からの見出しで、目次を作成することになります。
5マス目からの見出しも入れて目次を作る場合も同じような考えで作成しますが、この本の場合、見出しがとても多く、一つ一つが長く、また番号も付いていませんので、それで3段階の目次を作成するととても読みにくいかもしれません。
7マスからの見出しと9マスからの見出しで目次を作成するのが適切かもしれません。

23.p200 4.目次

7マス目から書く見出し1に対して、5マス目からの見出し(小見出し、原本2ページ満たないぐらいです)が10程度あるエッセイを点訳しています。原本の目次にはすべての見出しが書かれていてページ数も記載してあります。この場合点訳本の目次は小見出しは省略して7マス目からの見出しのみを書いてもいいのでしょうか。ページ数の少ない小見出しも書くのでしょうか。

【A】

一般に、原本の目次にも小見出しまで載っている場合は、点訳書の目次にも掲載します。
例えば、新聞連載のコラムを単行本化したような場合など、このような形は割合よく見られます。1話1話完結していますし、タイトルから内容への想像がふくらんだり、読後にそのエピソードをもう一度読みたいときも役に立ちます。
点訳書の目次が8~10ページ程度にもなる場合もありますが、点字編集システムの見出し指定機能を用いれば、苦労しないでできます。

24.p200 4.目次

本文中に見出しが一つもなく、原本に目次がない場合、点訳書凡例・はじめに・あとがき・著者紹介などは、目次に掲載したほうがよいのでしょうか。
【A】
標題紙・目次・奥付は点訳書独自のものですので、ご質問のような場合の処理は、各施設・団体で判断されていいと思いますが、ご参考までに「てびき」から考えられる一般的な処理を記してみます。
原本に見出しがなく、目次もついていない場合は、本文の前後に、献辞や登場人物、あとがきや著者紹介などがあっても、点訳書でも目次をつけないのが一般的ではないかと思います。今回ご質問の原本の場合も、目次をつけなくても差し支えのない範囲ではないでしょうか。
ただ巻末に、あとがき・解説・作家の年譜などが掲載され、後ろの資料も参考にした方が読解に便利などの理由で、読者にそのページを知らせた方がよいと考えられる場合には、最終巻にだけ目次を入れるという方法も考えられます。その場合、点訳書独自の留意事項ですし、最終巻に目次がついていることを、初めに読者に知らせた方が親切ですので、第1巻の最初に「点訳書凡例」をつけるのがよいのではないでしょうか。点訳書凡例で、「最終巻には、~などがついていますので最終巻にだけ目次をつけました。」と断れば、読者に分かりやすいと思います。または、あとがきなどの項目とページを点訳書凡例に入れてしまって、目次はつけないという方法もあります。

25.p200 4.目次

本文が見出しなしで始まり、点字で6ページ目位で最初の見出しになります。以降は普通に見出しごとに本文が続きます。この場合、目次で点訳挿入符で囲んで
((ミダシナシ)) … 数1
としていいのでしょうか。
それとも見出しのない最初の本文は、目次では無視していいのでしょうか。本文の書き出し文を目次1行分ほど書く方法をとる点訳者もありますが、どの方法がよいのでしょうか。

【A】

こうしなければならないという規則はありませんが、原文に該当する見出しがないのですから、点訳書の目次に項目を書くことができません。ですから、点訳書のページは1ページから始まらなくてもよいと考えます。点訳挿入符で見出し項目を書くことはお勧めしていません。
ご質問の本の場合、目次の最初の項目が、6ページでも構いません。

たとえば、下がり数字の1ページ目に献辞があって、「はじめに」が下がり数字の2ページから始まる場合、目次を下がり数字の2ページから始めてもよいのですが、「献辞」という一般的で分かりやすい項目を用いることができますので、目次には「ケンジ」と書いて下がり数字の1ページから書くこともできます。「著者紹介」などもこれに当てはまります。

26.p200 4.目次

現在全3巻の本を点訳中です。第1巻に、2巻目以降の目次を入れるか、いれないかで意見が割れています。
原則、2巻目以降の目次は入れなくてよいと解釈していましたが、2巻目以降の目次を入れなくてはいけないのはどんな場合でしょうか。基準がありましたら教えてください。

【A】

一般的な読み物であれば、第1巻目に2巻目以降の目次を入れる必要ありません。
1.雑誌のように、種々の要素が入っていて、どの記事が何巻目にあるのか探したい場合
2.学習書や専門書などで、読む前に全体の内容を把握したり、1度読んだ後で、ピックアップして読みなおす必要がある本の場合
3.10巻を越えるような大部な本の場合(普通の読み物は必要ありません)
このようなときに、2巻目以降の目次を入れます。

27.p200 4.目次 (3)

見出しの最後に点線がある場合で、点訳の目次のつなぎを⑤の点にした時、点線だけが次の行になり一マスあけて⑤の点が続き、ページ数を書くのは読みづらくないでしょうか。また、前の語をつけて改行した場合、前の行が18マスで終わる場合があります。それでは逆に読みづらいのではと思ってしまいます。どの処理が良いでしょうか。

【A】

目次は書き方が定まっていますので、2行目に点線だけが来て、そのあとに⑤の点が長く続いても、読みづらいというようなことはないと思います。ページ数が書いてある位置も決まっていますので、ページ数と見出しを結ぶ点が長くなってもむしろ規則通りに定型で書いた方が安定して読めると思います。

28.p200 4.目次 (4)

目次の書き方についてお尋ねします。「てびき4版」のp200 「4.目次」(4)に「見出しの語句は、29マス目以降にかからないようにする。」とあります。3版の「指導者ハンドブック 5章編」では、「施設によって27マスか、28マスで改行する書き方がある」と書かれていました。(p67)
「てびき3版」での記述は「行末は数字にかからないようにする」です。
「てびき」の考え方としては、「29マス目以降にかからなければ、施設・団体で決めてよい」と解釈してよいでしょうか。当館では「行末は27マス目まで」と決めていたのですが、「29マス目以降~」と明記されましたので変更するべきか否か少し悩んでいます。

【A】

ここは、「4版」で規則を変えたわけではなく、より分かりやすいように具体的に書き改めたところです。
目次の数字は、3ケタの数字を書くことを想定して29マス目に数符が来るようにし、そこに見出しの語句がかからないようにします。27マス目まで文字を入れている施設・団体と、28マス目まで入れているところが あると思いますが、どちらでもよいので、これまでの方法をわざわざ変更されなくてよいと思います。
28マス目まで文字を入れれば、1行少なくて済むと言うことも稀にありますが、一方、28マス目を必ず空マスにすることで、数字の位置が分かりやすいという利点もあると思います。

29.p200 4.目次

最近、原本の目次に「contents」と書かれているものがあります。
この場合、点訳書の目次では、1行目に原本通り「contents」と入れるべきでしょうか。
それとも、目次は点訳書独自の物と考え、1行目には「モクジ」と入れて良いものでしょうか。

【A】

原文に「contents」と書いてあれば、原文通りにすることをお勧めしています。

30.p200 4.目次

現行の『「サピエ図書館」登録点字文書製作基準』の「3.目次の書き方」【例2】に、2巻以降の内容を示す場合、3マス目から書き出し、2行にまたがる場合、二マス下がりでなく、1マス目に上がっています。2巻目以降の目次は「目次」とは違うのでしょうか。

【A】

この例の場合、第2巻目以降は、正確に言うと目次ではなく、第2巻目以降の内容紹介として、見出し項目だけを入れています。
ですので、第2巻以降は、見出しだけを、3マス目から書き出し、見出しが2行以上にわたる場合は2行目以降を行頭一マス目から書く書き方をしています。
例の枠囲みの下に※で書いてあるように、2巻目以降の目次はこの例のように項目だけを書く方法も、1巻目と同じように、点訳書のページ数も入れて、目次の書き方で書く方法もあります。

31.p200 4.目次

目次に入れる見出しについて教えて下さい。原本の目次には無い見出しですが、本文ではプロローグより前の頁で「登場人物紹介」があります。そして本文では「登場人物紹介(肩書きは当時のもの)」とカッコで説明が続いています。このような見出しを目次に記載する際も、カッコの説明も付けるべきなのでしょうか。
(書籍『アンビシャス 北海道にボールパークを創った男たち』)

【A】

(肩書きは当時のもの)は見出しに含まれる文言ではありませんので、目次には必要ありません。
本文でも、「登場人物紹介」を見出しとして、(肩書きは当時のもの)は、見出しの次の行に3マス目から書いた方がよいと思います。

32.p200 4.目次

目次と見出しの書き方について
原本の目次のページは以下のように書かれています。
目次
タイトル名
解説 〇〇〇〇(解説者名)
本文は
1
本文~
のようになっており、本文の前に数字の見出しがついています。1から28まであります。
目次を原本通りに書いた場合、各巻の本文の見出しにもタイトル名を入れてもよいでしょうか。(タイトル名を7マス目から、数字を5マス目から書く)
適当な目次、本文見出しの書き方があればご教示ください。
松岡圭祐著「JK」と「JKⅡ」を点訳しています。質問のタイトル名=「JK」または「JKⅡ」です。

【A】

ご質問にはいくつかのポイントがありますので、順番に書かせていただきます。
1.点訳書の目次は、点訳書のその巻の内容を知らせるものですので、点訳書の目次と原本の目次が異なって構いません。
2.ご質問のJKは、見出しが数字だけです。見出しが数字だけの場合は、目次に数字だけを書いても、内容の検索にはならないので、慣習的に目次は作成しないのが一般的です。
3.短編がいくつか入った本でない場合(原本1冊で1タイトルの場合)、原本の目次にタイトルが書いてあっても、点訳書には入れないのが一般的です。
4.本文の最後に「解説」があってもそのためだけに点訳書に目次を作らなくてよいと思います。
これらのことから、ご質問の「JK」は、点訳書では目次を作らなくてよいと思います。

33.p201 4.目次 (5)

長編の後に短編が収録された小説を点訳しているのですが、分冊の際の(ツヅキ)の入れ方についてお聞きします。
長編の題名は書名と同じで、その下に章が6つ、さらに各章の下に数字の見出しが有ります。
点訳書では長編と短編の見出しを9マス目からの見出し、章を7マス目からの見出し、数字の見出しを5マス目からの見出しに取りました。
その上で、6巻に分冊しましたが、1巻から4巻までは、9マス目からの見出しの章ごとに分冊、5巻と6巻だけ5マス目からの見出しで分冊し、短編は6巻の終章の後に9マス目からの見出しで入れました。
この場合、章ごとに分冊した1~4巻までは、(ツヅキ)は不要でしょうか。

【A】

第2巻から第4巻も、点訳挿入符で囲んだ ツヅキ は必要です。ツヅキが必要ないのは、最も大きい見出しで分冊した場合だけになります。
2巻から6巻の目次の最初と、本文1ページの最初は、9マス目からの見出しで始まることになります。

34.p200 4.目次

第2巻以降の目次について、「てびき第3版指導者ハンドブック」第5章編 p143 下から5行目、点挿ツヅキ点挿のあとにページが記されていないのですが、この考え方をお教えください。p1を何回も入れないという考え方でしょうか。

【A】

大見出し、中見出し、小見出しと何段階もの見出しがある場合、最も大きい見出しの直後に次の大きさの見出しがある場合など、ページ数を入れない方法も入れる方法もあります。墨字の本にもそのような書き方がありますが、点字でもどちらの方法を取っても構いません。
この例の場合、第2巻の最初に大見出しと次の大きさの見出しがあり、点挿で「続き」とあって、ページ数を入れるとすると次の行の15マス目から点線を書くことになります。小見出しもページだけを次行15マス目からの点線を入れて、ページ数を書いていますので、1ページにたどり着くまで6行も要することになります。このようなこともあり、ページ数を省略しました。
目次は、検索のために付けるものですので、正しくそして早くそのページにたどり着けるように工夫をすることも必要になってくると思います。
「ハンドブック」などでは、「てびき」の規則の範囲で、全国の施設・団体の慣習なども考慮し、特に5章の例は、「こういうこともできます」「これも間違いではありません」というものも提示しています。各施設・団体の蔵書作成の統一資料を作られる場合は、以上のことも考慮していただいたうえで、施設・団体として統一した点訳資料ができるよう、判断していただきたいと思います。

35.p200 4.目次

見出しに点訳挿入符で説明が必要となったものがあり、見出しの次行3マス目から点訳挿入符を入れました。その場合、目次はどのように書くのがよいのでしょうか。

【A】

目次には、5マス目、あるいは7マス目、9マス目から書いた見出しだけを入れます。点訳挿入符の部分は目次には入れません。

36.p200 4.目次

歌集の目次の書き方について、点字目次と原本目次を書けばよいでしょうか。その場合の書き方はどうすればよいでしょうか。それとも、原本ページだけ書けばよいでしょうか。晴眼者と共有の歌集で、歌声喫茶で使用します。

【A】

原本のページを示すには、二つの方法があります。
一つは、目次に点訳書ページと原本ページを示す方法です。「点訳のてびき」の点字版では、23マス目から点訳書ページ、その後にカッコで囲んで原本ページを書いています。
もう一つは、奇数ページのページ行に、原本のページを入れる方法です。「てびき」p206 「7.欄外見出し」および、点訳フォーラム「点訳に関する質問にお答えします」の第5章その6「p206 7.欄外見出し【処理】」に関連する内容を取り上げていますので参考にしてください。
なお、点訳書で原本ページだけを目次に書くことは、しません。

37.p200 4.目次

目次に、見出しとページ数とは別に他の情報が記載されている場合の書き方について、質問します。食に関する本で、各章に取り上げられた食物や食材を使ったレシピが記載されています。そして、目次では、そのレシピ付きのページがわかるように、下記のように見出しとページ数のあとに「★レシピ付き★」と記載があります。この「★レシピ付き★」はどのようにすればよいでしょうか。

(目次)
魚類 ・・・ ○ページ
カレイ ・・・ ○ページ★レシピ付き★
いか  ・・・ ○ページ
鯛  ・・・ ○ページ★レシピ付き★

肉類 ・・・ ○ページ
豚肉 ・・・ ○ページ
鶏肉 ・・・ ○ページ★レシピ付き★
牛肉 ・・・ ○ページ★レシピ付き★

目次では「★レシピ付き★」のみで、レシピ名等は書かれていません。本文では、食材の見出しの中のさらに小さい見出しに該当する形で、レシピ名が記載されています。

―――本文―――
■■■■■■カレイ(7マス目見出し)
(内容)・・・
■■■■カレイのフライ(5マス目見出し)←★レシピ付き★の部分に該当する内容
(内容)・・・

以上のようになっています。ちなみに見出しについては、9・7・5マス目、小見出し符をフルにつかう予定で、レシピは5マス目見出しにする予定です。点訳書目次では9マス目、7マス目の見出しを取り上げ、5マス目見出しは点訳書目次には取り上げない予定です。5マス目見出しはレシピ以外にも数が多くあります。

方法として思いついたのは、
1.レシピ名を含め5マス目見出しを全部目次に取り上げる
2.省略する
3.レシピがある項目に注記符を付け、目次が終わったあと注記として記載する
4.目次のあとに、レシピ名だけの目次を作成し、ページ数を記載する。(2巻目以降の目次の書き方に沿ってかき、ページ数を付ける)
以上の4つです。 1.は5マス目の項目が多いので、できれば避けたく、2.と3.も最適ではないかなと思っています。残るは4.のみとなるのですが、他によい方法はありますか?

【A】

示してくださったお考えのうち、1.2.は外して考えてよいのではないかと思います。
3.の方法が、もっともスッキリしていると思いますが、このような場合にあまり文中注記符は用いませんので、点訳書凡例で、《目次で文中注記符がついている項目にはレシピがあります》と断わったとしても、目次を読んだときに少し違和感があるように思います。このような場合、レシピの付いた項目を第1カギで囲むのがよいのではないかと思います。第1カギで囲んだ場合も点訳書凡例で断わります。
4.は目次が2段階になりますので、ちょっとわかりにくいかも知れません。むしろ、全巻の最後に索引を付けて、レシピとその巻数ページ数を紹介することも考えられますが、原本から離れますし、労力を考えるとそこまでしなくてもよいかなと思います。
なお、点訳書凡例で「レシピ付きを表す見出しは第1カギで囲んだ」のように断れば、目次も本文も第1カギで囲むことに統一してよいと思います。

38.p200 4.目次 (2)

目次の書き出し位置について、本全体の見出しが大見出し9マス目・中見出し7マス目・小見出し5マス目の内容で、
分冊すると以下のようになりました。
1巻目・・・9、7マス目の見出しの内容を所収
2巻目・・・9、7、5マス目の見出しの内容を所収

1巻目と2巻目で、所収される見出しの数が違う時、目次の書き出し位置は全体の見出しの数に合わせてよいでしょうか。
2巻目の見出しは3種類となるので、目次の書き出し位置は、大見出し5マス目、中見出し3マス、小見出し1マスとなるのですが、
1巻目の中に小見出しの内容がなく、大見出し・中見出しの2種類になります。
目次の書き出し位置は全体の書き方に合わせると、1巻の目次の書き出し位置は
5マス目書き出し、3マス目書き出しになりますが、1巻の中での見出しの数は2つしかないので、3マス目、1マス目からの書き出しになるのではという疑問もあります。

【A】

目次の項目の書き出し位置は全巻を通して判断することになります。原本の見出しが、9マス目から、7マス目から、5マス目からの3段階の場合は、第1巻に5マス目からの見出しがなくても、目次は、5マス目からと3マス目からの書き出し位置になります。

39.p201 4.目次 (5)

目次に関して質問します。
見出しの途中で分冊した場合、
① 1段上の見出しの再掲部分で見出しに副見出しがある場合、副見出しを省略し、見出しのみを書いてもいいでしょうか
② ①同様、本文1ページの書き始めも副見出しを省略できるでしょうか
③ 1段上の見出しの再掲は、29マス目以降に続けて書いてもいいのでしょうか

【A】

①②ともに、基本的には、副見出しも含め全て書くのがよいと思います。しかし、副見出しも含めると4~5行になるような長い見出しの場合は、副見出しを省略することもあるかもしれません。「てびき」に特に記載はありませんので、見出しの長さなどを考慮して判断してよいと思います。
③は、目次には29マス目以降には見出しの文字を書くことはできません。

40.p201 4.目次 【処理1】

短編集の目次に、各短編が
題名・・・ページ数
次行に作者名
と書かれています。
本文には題名だけです。
この場合原本通りに目次にのみ作者名を入れるだけでいいでしょうか。また、目次の短編の3作品には〇〇賞受賞と題名の後に書かれています。これも目次に入れるだけでいいのでしょうか。

【A】

一般に点訳書の目次は、点訳書の本文の見出し部分を記載することになっていますので、目次には、本文の見出しのみを記すのがよいと思います。
そして、ページを改めて、全巻内容の紹介という形で、原本の目次に記されていることを点訳すれば親切ではないかと思います。
点訳書第1巻の目次に、第1巻の見出しとページ数を書き、第1巻の見出しが終われば、ページを改めて、「全巻の内容」のような見出しをたてます。
一例として、「全巻の内容」を7マス目から書き、
5マス目から、ダイ数1カン
次行3マス目から、第1巻に入れた短編のタイトル、著者名、○○賞受賞を入れます。2行以上になる場合は2行目以降は行移しして、行頭一マス目から書き続けます。ページ数は入れません。
「第1巻」などの小見出しは、巻数の多いときに入れれば親切だと思いますが、全3巻、4巻程度の本でしたら、巻数は入れなくてもよいと思います。
全巻内容の紹介の例としては、『「サピエ図書館」登録点字文書製作基準』(http://www.naiiv.net/sapie/?2019121111からダウンロードできます)【例2】11~13ページがあります。少し内容は異なりますが、参考になさってください。

41.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

「てびき」には《著者(訳者)略歴(紹介)は、原本の記載事項に従って書く》とあります。表題紙の項には《原本のとおりとする》とありますので、表現の違いがあるのは、なにか意味があるのでしょうか。「原本の記載事項に従って書く」とは、具体的にはどんなことでしょうか。最近、「著者紹介」以外に「プロフィール」、「PROFILE」などの語句を使用している本が見受けられますが、点訳書の見出しを原本の記載通りにすると考えてよいでしょうか?

【A】

「標題紙」には、書名、叢書名、副書名など、原本に書かれている項目と点訳書に書く項目、情報は、ほぼ対応していますので、「原本のとおり」と表現していますが、「著者(訳者)略歴(紹介)」などは、原本によって、見出しや書きかた、記載されている項目(事項)もまちまちですので、「原本の記載事項に従って書く」としました。
生年月日や略歴などが簡単に書いてある場合、出版された著書だけが書いてある場合、学会で発表した資料や文献まで詳しく書いてある場合、URLなどが記載されている場合などがありますが、いずれも書かれている事項に従って書くということです。見出しも「著者紹介」だけではありませんので、原本通りに書いてよいと思います。

42.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

目次から本文に入るまでに設ける「表紙・カバー等の記載事項」・「謝辞」・「引用文や言葉」・「写真」・「参考事項」・「序文、まえがき」等、ページ数に下がり数字を用いる項目については、目次にも各項目名と共にページ数を入れた方がよいのでしょうか?
また、標題紙、原本奥付以外に下がり数字のページ付けを入れなくてもよい項目がありますか?
【A】
目次は、その図書の内容を検索するために記すものですので、できるだけ探しやすく、その巻に含まれている内容がわかるようにするのがよいと思います。そのような目次の目的からすると、下がり数字のページ数がついているところでも目次に入れた方がよいと言えるでしょう。
標題紙、原本奥付以外に下がり数字を入れなくてもよい項目があるかどうかということですが、目次から本文に入るまでに設ける「表紙・カバー等の記載事項」・「謝辞」・「引用文や言葉」・「写真」・「参考事項」・「序文、まえがき」等は、たとえ1枚でもページ付けを省略しないことをお勧めします。

43.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

(4)「初出一覧・参考文献などは、原本の形式に従って書く」の解釈について教えてください。原本の初出が、最初に書かれているものがありました。この場合には、点訳も原本の位置に従って前にもっていくほうがいいのでしょうか。てびきにある「原本の形式」は、記載する位置も含まれているのでしょうか。
【A】
この場合の「原本の形式」には、記載する位置は含まれません。初出一覧・参考文献、著者紹介などは、原本の位置にかかわらず、点訳書最終巻の巻末に入れるのがよいと思います。

44.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

1冊の本で、表紙カバーに著者紹介、本文末に著者略歴が書かれています。「著者略歴」は箇条書きのような形式ですが詳しく、「著者紹介」は略歴を抜粋したような文章になっています。この場合、表紙カバー情報と巻末にそれぞれ記載したほうがよいのか、両方とも巻末に並列して書いた方がよいのでしょうか。
【A】
基本的には詳しい方を、点訳書最終巻の奥付の前に置くのがよいと思います。ただ、これは一般論ですので、2カ所に掲載されていて、それぞれが補い合うような情報であれば、両方を点訳し、点訳書最終巻の奥付の前に置いてもよいと思います。

45.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など (4)

サピエに登録する本を点訳中です。質問は参考文献の書き方についてです。
「てびき4版」p203 5 (4)に「参考文献などは、原本の形式に従って書く。」とあります。以下の原本の場合、
『驚異の小器官 耳の科学 聞こえる仕組みから、めまい、耳掃除まで』
国立国会図書館を検索すると、副書名は、
聞こえる仕組みから、めまい、耳掃除まで でした。
副書名を棒線でつなぐ等の処理はせずに、
原本通り、『驚異の■小器官■■耳の■科学■■聞こえる■仕組みから、■めまい、■耳掃除まで』でよいのでしょうか?
また、4版てびきp198 3表題紙 【処理2】「副書名は、②⑤②⑤の点との間を一マスあけて書く。」とありますが、これは、表題紙の場合だけで、本文中や参考文献においては、原本通りで処理をして、この処理をつかうのは誤りでしょうか?

【A】

お答えの結論から先に申し上げれば、原本通り、『驚異の■小器官■■耳の■科学■■聞こえる■仕組みから、■めまい、■耳掃除まで』と書いてよいと思います。
また、「てびき」p198【処理2】は、標題紙だけに用いられる書き方ですので、それ以外で、②⑤②⑤の点を用いる場合は、p157 副見出しの書き方を参考に、記号間の優先順位に従って書くことになります。
ご質問の例では、調査の結果、詳細な書誌が分かったわけですが、参考文献に記されているすべての書誌を調査することは困難ですし、国会図書館とTRC(「サピエ」の書誌)とでは判断が異なる場合もあります。参考文献は、その本の判断で、統一した書き方をしてありますので、原本の通りに点訳するのが確実な方法だと思います。

46.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

標題紙について、サピエの詳細検索で校正中の本のタイトルを確認しましたら、このように書かれていました。
ミス・マープルの名推理 予告殺人(HJB)(ハヤカワ・ジュニア・ミステリ)
HJBはハヤカワ・ジュニア・ブックスの略ですが、このような場合、ハヤカワ・ジュニア・ミステリと、(HJB)も書いた方がよいのでしょうか。シリーズが二つあるときの点訳方法でよいのでしょうか。本の奥付にはなく、本の表紙に星の形の中に書かれています。
この本の表紙のうらに、「日本語版翻訳独占 早川書房」とあります。その下には翻訳を早川書房に認めた趣旨の英文がかかれています。取り交わしの書類の一部なのかもしれません。この英文の書き方で、点訳者は一行ごとに外国語引用符で囲んでいますが、すべての英文を一つの外国語引用符で囲むことはできませんか。
その英文の中に
Copyright c 1950 Agatha Christie Limited
との一文があります。(Cは丸囲み)
この「丸の中のc」は省略して良いのか、カッコで囲んで書くならばどのように書けばよいのでしょうか。

【A】

「ハヤカワ・ジュニア・ミステリ」は小学校高学年から中学生向けの読み物のシリーズですので、結論から申し上げると、ご質問に書かれていることはすべて省略してよいと思います。
(HJB)は略称ですし、省略しない叢書名が標題紙・奥付に入っていれば、それ以上付け加える必要はありません。
表紙のうらの「日本語版翻訳独占 早川書房」に関する英文は、この物語の内容に関するものではなく、このシリーズ全体の早川書房の権利に関する断り書きのようなものですので、これも省略してよいと思います。
もし、原本にあることすべてを点訳する必要がある場合は、最終巻の本文・あとがき等が終わった後に挿入するのがよいと思います。
すべて英文の場合は、最初と最後に外国語引用符を付けるか、外国語引用符を省略することもあります。また、丸囲みのCはCopyrightの意味なので、省略します。

47.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

「あとがき」について、原本には3行の著者の言葉が書いてあります。
内容はお世話になった方々へのお礼と責任は著者に帰する、とあります。見出しはありませんが、点訳書には「アトガキ」と入れてよろしいでしょうか。

【A】

「あとがき」の見出しが原文にないのですから、ページを替えて、見出しは入れずに、これだけを1ページに書いてよいと思います。
「献辞」や「著者紹介」などは、本の構成要素として点訳で補ってもいいと思いますが、「あとがき」には、見出しがいろいろ考えられますので、点訳ではあまり補うことはありません。目次にも入れなくてもよいと思います。

ただ、本文が前のページの最下行まで来てしまった場合は、ページ替えかどうかの判断が付きませんので、次ページの1行目をあけて書くなどの工夫をした方がよいと思います。

48.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など (1)

「それぞれページや用紙を改めて書く」とありますが、「それぞれ」とは、どれが「ページを改める」で、どれが「用紙を改める」ということでしょうか。
ページを改める=偶数ページからの書き出しでもOK
用紙を改める=奇数ページからの書き出し
との理解でよいでしょうか。
また、本文がFin.として終わった後に、特別書き下ろし番外編、あとがきと続きますが、これは「ページを改める」のでしょうか、「用紙を改める」のでしょうか。

【A】

「用紙を改める」は印刷したときに、用紙が替る所ですから
ページを改める=偶数ページからの書き出しでもOK
用紙を改める=奇数ページからの書き出し
は、正しいご理解です。
そのうえで、用紙を改めるのは
1.標題紙から目次に移るとき
2.目次から下がり数字のページ付けに移るとき
3.下がり数字のページ付けから、本文1ページに移るとき
4.奥付に移るとき
だけになります。下がり数字のページ付けがない場合は、目次から本文に移るときに用紙替えになります。
それ以外は、「ページを改める」ことになります。
点訳書凡例、献辞、まえがき、序文などを下がり数字のページ付けで書く場合は、それぞれの間はページを改めて書きます。
また、本文の後に、あとがき、解説、著者紹介などが来る場合も、それぞれページを改めて書きます。
ご質問の本文の後に、特別書き下ろしがある場合も、本文と通しページにして、ページを改めて書きます。

49.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

「表紙カバー」について記載されていませんので質問します。
1.表紙カバーはまえがきや献辞などの前に書きますか?
2.「帯」がついているときはどうですか?
3.これらすべて頁替えして下がり数字をつけていいですか?
4.1ページ目は必ず本文になりますか?
【A】
「表紙カバー」や「帯」は、点字図書館に蔵書したり、サピエ図書館に登録したりする図書の標準的な装丁としては、点訳することが想定されていません。
ですので、「てびき」の「本文以外の割り付け」にも掲載されていません。
プライベートな依頼やその施設・団体の方針として、表紙カバーや帯まで点訳する場合は、各施設・団体で記載位置を決めてよいと思いますが、図書の通常の記載順序を乱さないような位置に入れる必要があると思います。
標題紙、目次、点訳書凡例、献辞、まえがきなど、本文、あとがき・解説など、参考文献、著者紹介、奥付の流れのうち、
第1巻のまえがきの前か、最終巻の著者紹介の前などが考えられます。
第1巻に入れる場合は、下がり数字のページ付けで、最終巻に入れる場合は、本文と続きのページを付けます。
原則として、ページ付けの1ページは本文の開始位置になりますが、まえがきなどが本文の内容と連続性が強い場合は、まえがきから1ページとする場合もあります。
補足ですが、点字図書館の蔵書やサピエに登録する図書の場合は、長い期間にわたって利用されますので、「表紙カバー」や「帯」のように、ある一定の短い期間でデザインや内容が変わったり、使用されなくなったりするものは、点訳書の奥付の版次や刷とも内容が異なってくるということもあり、点訳する項目に入っていないのだと思います。

50.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

献辞に「献辞」という言葉がなくても見出しとして「献辞」と書いた方がいいでしょうか。その場合、一番大きい見出しに揃えるのでよいでしょうか。
「献辞」と書かず原本の言葉のみを書く場合の書き出し位置はどうなりますか。

【A】

原本に「献辞」と見出しがなければ、点訳でも見出しは書かなくてよいとお答えしています。原本の言葉のみを1行目の3マス目から書きます。ただ、その言葉が「母へ」などと非常に短い場合、そのページの1行目は空白にして、2行目に書くと言うこともできると思いますが、1行以上の行あけはお勧めしていませんので、3行目以降から書くことは避けた方がよいと思います。

51.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

原本の最後に出版社の「出版図書の紹介」が掲載してあり、書名、著者名、定価、ページ数、内容(見出し)、ISBN等が5ページ分載せてあります。
このような出版図書の紹介も点訳した方がよいのでしょうか。

【A】

出版社のPRですので、基本的には、必要ありません。プライベートサービスで依頼者からその部分も点訳するよう希望があった場合や施設・団体の方針で点訳するように取り決めてある場合は、施設・団体の方針に従ってください。

52.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

原本の目次の最後に、
この本は‥‥を大幅に加筆修正したものです。
本文中は敬称略。・・・・を使用しています。
という文言があります。
この文言は、第1巻の目次を書いた後1行あけて書いてもよいのでしょうか。それとも最終巻の本文の後に書かなくてはいけないのでしょうか。

【A】

このような項目は墨字の本でも、書かれている位置が定まっていませんので、第1巻に入れるか、最終巻にするかは、原本に準じて書くのがよいと思います。
ご質問の原本の場合は、本文の前に書かれているので、第1巻に入れてよいと思います。
点訳書の目次には、目次の項目だけを書きますので、目次の次(点訳書凡例があればその次)に、ページを替えて、下がり数字のページを入れて、書くのがよいと思います。下がり数字のページの項目が続く場合はページを替えて入れ、本文に入る所では用紙を替えて書きます。

53.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

児童図書の著者紹介のところにイラストレーターの紹介もあります。挿絵の説明を省略した場合は、その紹介はどうしたらよいのでしょうか。

【A】

著者紹介にイラストレーターの紹介がある場合、その扱いについてはルールはありません。紹介があるから点訳するという考えもあります。また、点訳書では、たとえ挿絵の説明を入れたとしても、挿絵そのものを入れるわけではないので、奥付の挿絵画家の名前や著者紹介のイラストレーターの紹介を省略するという考えもあります。それは各施設・団体で決めていただくことになります。

54.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

巻末に
本書は書下ろしです。
この物語はフィクションです。
など、初出・注意書き・その他、違う要素のものが併記されている場合、それぞれ、1項目ごとに区切り線を引いてページ替えした方がいいのでしょうか?

【A】

本文が終わった後の、あとがき、著者紹介、索引などはそれぞれにページ替えをして書きますが、それ以外の初出や注意書きなどが短い文章で掲載されている項目は、後書きの後ろにいれたり、数項目をまとめて入れたりします。その都度ページ替えはしません。

55.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

巻末に《この作品は〇〇文庫のために書き下ろされました》とあります。
このような巻末の文を入れる場所を当館で統一したいと思っているのですが、
本文が終わったあと
あとがき・索引等、著者紹介の順で書き
著者紹介の後ろに巻末の文章を入れるようにしてもよいでしょうか?

【A】

著者紹介は、最終巻の巻末(奥付の前)ということは、広く認識されている慣習的なレイアウトですので、そこは避けた方がよいと思います。
索引は、ある場合もない場合もありますが、これも独立したものですので、この前がよいのではないかと思います。

本文の最後、またはあとがきのあとに入れるのが落ち着くと思います。原則改ページとなりますが、最後の余白が大きく該当の文章が短い場合は、1行あけなどで入れてもよいと思います。

56.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

新書版の評論です。巻末に参考文献があります。
目次には「参考文献」のみあります。
内容は、見出しの後、日本の図書が3ページ、欧文文献の見出しのあと原語で2ページ、そのあと インターネット情報の見出しで3ページ、公文書館(原語)数行、フィールド調査1行、インタビュー2ページ、参考記事が見出しのあと数行表記されています。
このなかで、欧文文献は省略することができるでしょうか。

【A】

原本の内容にもよりますが、本文の特定の箇所に対応する引用文献ではなく、著者が原本を執筆する上で参考にしたという書籍の紹介でしたら、原語の欧文文献を省略することもありうると思います。その場合は省略したことを必ず断ります。

57.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

点訳している本に原本と別に初回特典として原本注記(サピエの詳細検索で確認)がついています。 所属団にお尋ねしたら広告的なものは必要ないが番外編的な内容なら必要と指導されました。内容は番外編的内容のお話と思われます。点訳本のどの位置に点訳したらよいですか。見出しとして原本注記として良いですか。点訳している本は『最強侯爵様と異世界キッチンカーはじめました  私には過保護すぎるのが難点ですが!?』です。

【A】

この本をネットでみますと、「初回限定ss付き」とありますので、1枚もののショートストーリーが付いているのではないかと思います。
その内容が、物語の最初に関係しているのでしたら、物語が始まる前に付けた方がよいと思いますが、物語の流れとは無関係のショートストーリーでしたら、本文が終わった最後に付けるのがよいと思います。
「原文注記」というのは書誌用語ですので、一般用語としては用いません。原本情報について追加して書いておくべき事がある場合に、サピエの書誌に書き込む情報のことを言います。
ですから、点訳する場合は、ショートストーリーのタイトル「初回限定特典■■ミランドラ公国の最強」と書けばよいと思います。(これは、サピエの書誌情報から拾いましたので、正しいかどうかはわかりません。実際に点訳するショートストーリーのタイトルを書いてください)。
初回限定ですので、普通は点訳しなくてもよいようにも思いますが、所属団の方針に従って点訳する場合は、上記のようになると思います。

58.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

参考文献で、原本の書名が「 」で囲まれている場合は、そのまま第1カギを用いていいのでしょうか。「 」で囲まれている書名をふたえカギにする必要はあるのでしょうか。また、参考文献で以下のような書名があるのですが、副書名かどうかを調べて、副書名であれば棒線を使わなくてはいけないのでしょうか。きちんと書誌を調べて副書名であれば、原本に副書名扱いではなくてマスあけで書いている場合も、副書名として棒線をいれて、点訳すべきでしょうか?
原本の例:杉山春「児童虐待から考える 社会は家族に何を強いてきたか」(朝日新聞出版)
サピエでは書名は「児童虐待から考える」、副書名は「社会は家族に何を強いてきたか」です。

【A】

原本で、書名に『~』が使われているときだけ、ふたえカギにします。原本で書名が「~」で囲まれていれば、第1カギを用いて差し支えありません。ふたえカギに変えることはしません。
また、参考文献や引用文献は、原本の著者や出版所の見解に従い、統一した書式で書かれるのが一般的ですので、原本に書かれているとおりに書きます。よほどのことがない限り、書き方を変えることはしません。わざわざ副書名を棒線でつないだりすることはありません。
「児童虐待から考える 社会は家族に何を強いてきたか」は
「児童虐待から考える■■社会は家族に何を強いてきたか」と、二マスあけでよいと思います。

59.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

児童書の中に簡単なイラストが挿入されています。私たちのサークルでは、挿絵作家については掲載しないことにしていますが、この本では、最後に作者と挿絵作家のそれぞれのあとがきが掲載されています。挿絵作家の文は、点訳すると3ページほどになる量です。
このような場合、挿絵作家のあとがきも掲載するべきでしょうか。もし、そうした場合、標題紙や作家紹介にも加えた方が良いのでしょうか?
本書中のイラストは特に説明を加える必要のあるようなものではありません。

【A】

挿絵作家のあとがきの文章や作家紹介は、規則がありませんので、その図書によって、入れても入れなくてもどちらでもよいと思います。
そして、あとがきの文章などを入れたとしても、標題紙と奥付は施設・団体の方針通りに点訳します。標題紙や奥付に、挿絵作家の名前を入れないことにしているのでしたら、この図書でも入れる必要はありません。

60.p203 5.まえがき・序文・凡例・あとがき・解説など

原本凡例の表記位置についての質問です。
点訳書凡例がある場合は、目次⇒点訳書凡例⇒前書き・初めに⇒本文の順になりますが、点訳書凡例がない場合は目次の次に凡例と表記してよいでしょうか。

【A】

原本の凡例は、原本の初めにある場合もありますし、「はじめに」などのあと本文に入る前にある場合もあります。それぞれその本の凡例として必要な位置に入っていると思いますので、原本で書かれている位置に入れてよいと思います。

点訳書凡例は、原本凡例がある、なしに関わらず、目次の次に書きます。
原本凡例が点訳の仕方に関わる場合(仮名遣いに関することや注記の入れ方など)は原本凡例の中に点訳書ではどのように処理したかを断るなどの工夫が必要になります。

61.p203 6.奥付

奥付に電話番号を記載するとき、「てびき」の例に、「デンワ」の後ろ、二マスあけの場合と一マスあけの場合があります。電話番号を住所の一部と考えるか、住所と切り離して考えるかによってマスあけが異なるのでしょうか。
「ショメイ」の後ろ、「チョシャメイ」の後ろに小見出し符を用いず、二マスあけで点訳し、「デンワ」の後ろは一マスあけにすることは支障ないでしょうか。
【A】
「てびき」の例の一マスあけと二マスあけの違いは、お考えの通りです。
ご質問のような書き方の場合、「デンワ」の後、一マスあけでも誤りではありません。ただ、小見出し符を用いているときと異なり、発行所の後、住所、電話番号も行を替えて3マス目から書く場合は、「デンワ」の後二マスあけにした方がよいと考えて、「てびき」では二マスあけにしています。

62.p203 6.奥付

副書名が原本の表紙・奥付に記載されておらず、ブックカバーに書いてあるような場合、奥付は原本にあることのみ書けばよいのでしょうか。あるいはTRCに沿って記載した方がよいのでしょうか。
【A】
原本奥付で分かる範囲で「書名、副書名」などを決めても間違いではありません。
しかし、「サピエ図書館」にアップする場合は、書誌と点字データで不一致があるよりも、TRCと統一した方が、何かと都合が良いのではないかと思われます。必ずどちらとは言えませんが、「サピエ図書館」にアップする本の場合は、「サピエ」の書誌と点訳図書が一致している方をお勧めします。
なお、原本表紙に記載がなくても副書名として採用した場合は、奥付だけでなく、標題紙にも副書名を入れることになります。

63.p203 6.奥付

現在、洋書をUEBで点訳していますが、奥付に相当する文は、洋書ですので表題紙の次に入っていて、本の最後に奥付はありません。この奥付をどのように処理すればいいでしょうか。また、標題紙には日本語で製作館名が入りますが、英語部分を外国語引用符で囲むか、日本語の製作館名をカッコで囲むなどの区別が必要でしょうか。
【A】
「サピエ図書館」の製作基準では、標題紙の次に目次を入れ、その巻の最後に奥付を入れることを基準としていますので、標題紙の次には目次を入れてください。そして、巻末には、奥付を入れてください。
巻末の奥付の原本に関するところは、必要部分だけを抜き書きするか、原本奥付の通りに入れるかは、原本の種類や内容にもよるので、それぞれの施設・団体の方針で作成していただいて構いません。また、巻末に必要事項だけを入れた上で、目次の次に、下がり数字などでページをつけて、原本の奥付をそのまま掲載する方法でもよいと思います。
二つ目のご質問についてですが、標題紙は、和書の標題紙と同じ配置にしますので、書名、副書名、シリーズ名、著者などは、外国語引用符で囲まないで書いて構いません。巻数、全巻数、製作館は日本語で、特に囲み記号は必要ありません。

64.p203 6.奥付

奥付の書き方について二つお尋ねします。
① 児童書や絵本の奥付に
作 〇〇
絵 □□
とあるとき、
点訳も 絵 □□ を書いた方がいいでしょうか。
書いては間違いでしょうか。
② ISBNの書き方です。
ISBNのあとに書かれている
C0193 などの数字はいらないのかと思っていましたが、
書いた方がいいのでしょうか。

【A】

奥付は、「てびき」p203「6.奥付」(1)にあるように、「必要事項を取捨選択」することになっていますので、この項目を入れたから間違いと言うことはありません。
ただ、「てびき」p203 (1)に挙げてある①~⑦の項目や「てびき」「ハンドブック第5章編」の例など、目安となっている基本的な書き方には、「絵」を書いた人の氏名も、ISBNの後にあるCコードも入っていません。
施設・団体で特に入れると決めていない場合は、入れなくてよいと思います。

65.p203 6.奥付

文庫本の奥付について質問します。
奥付が書かれたページに 集英社文庫、集英社スーパーダッシュ文庫、コスミック・時代文庫、ハーパーBOOKSなどと記載されています。
中には「角川文庫6621」ハヤカワ文庫では「JA1295」(本扉に ハヤカワ文庫JA1295とある)、「新潮文庫う-18-2」などと書かれたものもあります。
「サピエ図書館」登録点字文書製作基準(2017.4)の奥付の例(P19)には、文春文庫とありますが、P20の点字には書名しか書いてありません。
それに倣って「~文庫」はいれなくてもいいのでしょうか。それとも6621、JA1295、う-18-2 など数字のあるものはいれたほうがいいのでしょうか。

【A】

叢書名の中には、文春文庫、新潮文庫、岩波文庫、岩波新書など、出版社名だけを冠したものがあります。そのような叢書名とその番号は、点訳書では、省略する習慣になっています。叢書名はシリーズの特徴を示すものですので、単に出版社名だけのものは省略するという考えです。
ですから、出版社名が入っていても、「岩波ジュニア新書」「ちくまプリマー新書」「講談社学術文庫」などは、入れるか入れないか、はっきりした指針は出ていないので、施設・団体によって幅があるようですが、このように対象を絞ったり、その本の特色を示す叢書名は入れた方がよいと思います。

66.p203 6.奥付

書名「1961 東京ハウス」
この本の奥付に「ルビ」があります。「イチキュウロクイチ トウキョウハウス」
この場合の書き方はルビを優先するということになりますか。
標題紙・奥付の書き方は「イチキューロクイチ(1961)■トーキョー■ハウス」でよいでしょうか。本文にルビが無い場合は「「イチキューロクイチ(1961)■トーキョー■ハウス」の文を1回書けば良いでしょうか。

【A】

1961年のことを表していますので、「いちきゅうろくいち」と読んでも、標題紙には「数1961■トーキョー■ハウス」と書くのがよいと思います。
原本では、奥付にだけルビがあるとのことですが、奥付には、書名、副書名、叢書名、著者名などを書誌的に詳しく記すという意味合いがあります。点訳書では、標題紙に掲載する情報にはレイアウトの関係上、限りがありますので、著者が多い場合など、標題紙は「○○ほか著」と書き、奥付には、厳密にすべてを記載します。ですので、この本の場合も、奥付のみ原本にそって「数1961(イチ■キュー■ロク■イチ)■トーキョー■ハウス」と書くのがよいと思います。
なお、数字のルビは、イチ■キュー■ロク■イチと区切って書きます。

67.p203 6.奥付

奥付の発行所住所の記載方法について
① 原本の奥付には、東京本部と京都本部として2か所の住所が記載されています。
点訳書でも東京と京都の両方を記載する必要があるでしょうか。
電話番号は東京本部のものだけなので、東京の住所だけでもよいでしょうか。
② 紀伊国屋書店発行の本で、新宿区の住所の後、出版部(編集)とホールセール部(営業)の電話番号、目黒区の郵便番号と住所が記載されています。電話番号はどちらも目黒区の番号です。
この場合は、発行所住所として目黒区の住所と電話番号を記載し、新宿区の住所は省略してもよいでしょうか。

【A】

点訳書の奥付には原本出版社の住所は必須事項になっています。
ですが、原本に書いてある全てを点訳書奥付にも入れるのか、そのなかから主な連絡先を選択するのかは、各施設・団体の判断になります。
多くの施設・団体では、主な連絡先を選択して書いている状況だと思います。
①に関しては電話番号と一致する東京の住所
②に関しては、本社の出版部が東京都目黒区下目黒3-7-10になっていますので、この住所と電話番号があればそれを点訳書奥付に書くことになると思います。
選択する場合は、本の読者対応の係と思われる住所・電話番号を選ぶと良いと思います。

68.p203 6.奥付

祥伝社の本を点訳していますが祥伝社の住所がかわっています。
出版時の平成10年当時は神保町3-6-5にある九段尚学ビルに入居していたのですが、現在は神保町3-3に引っ越しています。
奥付に書く場合、住所や電話番号は原本通り昔の住所を書くのでしょうか。
読んだ方が連絡を取れるように現在のデータの方がよいように思うのですが、いかがでしょうか。

【A】

点訳書の奥付は、「この原本を点訳しました」ということを示すためのものですので、原本に書いてある通りに点訳します。
発行年月日と共に書いてありますので、その当時の住所・電話番号を書きます。

69.p206 7.欄外見出し

歌詞の点訳ですが、1曲ごとに用紙替え、点訳ページ行左端に原本ページを書きます。原本ページは利用者の方からの依頼です。わかりやすいように訳して欲しいとの希望です。
2行目7マス目から曲名を書き、3・4行目に作詞者と作曲者、次行5マス目から番号付き歌詞、あるいは3マス目から歌詞を書いています。楽譜は省きます。
ただ原本の歌詞が途中から前ページにあったり、2ページほど飛んで書かれていたり、と入り組んでいます。その状態がかなりの箇所で起こり、使用者が曲名の原本ページを探すのに混乱します。どういう処理がいいでしょうか。

【A】

原本のページは奇数ページに付けますので、歌詞の繰り返しや前に戻る場合、その都度書くとなれない方は読みにくいのかもしれません。
歌詞はほぼ2ページに収まると思いますので、もっとも単純な方法としては、新たな曲はかならず奇数ページから書くこととし、そのタイトルが載っている原本ページを点字のページ行に書くようにするのがいいのではないでしょうか。

70.p206 7.欄外見出し 【処理】

「てびき」には、この項以外に原本ページの書き方が記載されていませんが、索引の処理以外に、点訳書のページ行に原本ページをつける必要があるのはどういう場合がありますか。また、「てびき」の点字版には奇数ページにのみ原本ページが記されていますが、その他の書き方もありますか。

【A】

原本ページは、点訳書を読む方が原本のページが必要な場合に入れます。
例えば、「点訳のてびき」の点字版には、「てびき」墨字版のページが入っています。
点字版を読みながら、講習会で「てびき」の説明をする場合に、墨字版のページが必要になります。
教科書の点訳でも、授業を聞いていて、墨字版の教科書のページと対応させて確認することができるように原本ページを入れます。
このように、墨字版と点字版の対応が必要な場合に入れます。
原本ページをページ行に入れる場合、ページ行は奇数ページだけしか印刷されませんから、奇数ページにだけ入れます。

71.p206 7.欄外見出し 【処理】

原本ページの記入には決まりがあるのでしょうか。「表記法」などに、一部例があるだけで詳しいことがありませんので書き方がありましたら教えてください。

【A】

原本ページの書き方は、「表記法」「てびき」では、欄外見出しの書き方のところに説明があるだけで、それ以上のルールはありません。
ページ行の余白を利用することになっていますが、検索のしやすさから、ページ行の行頭に書くことが多いようです。「てびき」p206の【処理】も参考にしてください。
「てびき」p207「9.点訳書凡例」⑨にあるように、点訳書凡例で、原本ページを付けたことをその位置も含めて断ります。

72.p207 8.索引

外国人の名前の書き方について、手元にある本は本文中で紹介されている作家名はアガサ・クリスティーですが、索引では、クリスティー・アガサと表記されています。他にも外国人作家の名前はたくさん出てきますが、すべて姓と名が逆になっています。また、別の本では標題紙や奥付の著者名と著者紹介の表記が逆になっていることもあります。索引の場合、姓・名が逆では検索が難しいと思いますが原本通りに点訳するべきなのか、それとも検索性を考慮して本文と同じ表記にする配慮が必要なのか、どちらがいいのでしょうか。

【A】

名前を先に書く書き方も、姓を先に書く書き方もありますので、基本的には原本通りでよいと思います。
索引は、配列順や点字でのページや行数の入れ方などを断ってから書きますので、その際、
① 索引では、本文とは異なり、姓・名の順で書いてあることを断る
② 原本では、索引は姓・名の順になっているが、点訳書では本文通りの書き方としたと断る
上記、①②いずれかの断りを入れるのがよいと思います。
検索のしやすさから言えば、本文中の書き方と同じにした方がよいと思いますが、原本と掲載順序が異なってきますので、十分注意を払う必要があります。

73.p207 8.索引

原本巻末に索引(人名、書籍名、地名、などの解説)があります。ページ数が多いので別冊にした場合、標題紙はどうすればよいでしょうか。それまでのと同じ仕様で、巻数は通し番号でよいのでしょうか。目次が(大きい見出しで)索引となるのでしょうか。

【A】

同一タイトル内ですので、標題紙も同じで巻数も通し巻数にします。索引も含めて「全○巻」になります。
ただ、最終巻が索引であることが分かった方がよいので、点訳書凡例に、「最終巻は索引です」と断ったり、標題紙の枠内(書名・副書名を入れる枠内)に、1行「サクイン」(棒線で囲むか、カッコ内に入れるなど)と入れたり、或いは、第○巻の上の行に「サクイン」と入れたりするとよいと思います。
書き方に特にきまりはありませんので、バランスよく、分かりやすいように工夫します。

74.p207 8.索引

サピエにアップするデータの索引についてです。
1.巻数のまとめ方について
索引は650項目前後あり、項目だけを点訳したところ39ページになりました。1項目につき1~3か所の記載があります。が、中には1項目につき15~20か所の記載のあるものが約30項目あります。1巻が100ページには満たない場合は索引のみを1巻にして最終巻にするのは避けたほうが良いのでしょうか。

2.原本はあとがきの後ろに参考文献、その次に索引があります。
参考文献と索引を最終巻にまとめる場合も、索引だけを別の巻にする場合も、【著者紹介】の位置はどちらも通常のように最終巻の巻末でよいでしょうか。

3.ページの書き方について
原本には、以下のように単独数字と範囲を示している書き方の2種類があります。
【剣・・・・・・40,41,69-71,142,143,309】とあります。
点訳のページは、初出のページや、初出のページから一番最後に出てきたページの範囲を拾い上げると、以下のようになりました
40→1巻35ページ
41→1巻36~38ページ
69-71→1巻93~97ページ
142→3巻5ページ
143ページ→3巻7ページと8ページ
309ページ→6巻23ページと24ページ
「てびき」の例を参考に項目と数字部分は点線でつなぎ、数字の部分は数符を省略せずに書こうと思っています。
取り上げるページは、初出の点訳ページだけでいいのか、初出のページから一番最後に出てきたページの範囲を拾い上げるのか、原本の索引のページ毎に点訳ページを書くのか、点訳でのページを基本に記載するのか、また、同じ巻で離れてページがある場合のマスあけ等の処理、異なる巻が後ろに続くときのマスあけ等の処理など、わからないことばかりです。
また、索引以外に、約150項目の参考文献にも参照ページが以下のように書かれています。
【『神曲』(完全版 ダンテ著、平川祐弘訳/河出書房新社)・・・・・・68・69・265】
参照ページの点訳方法は、索引の点訳方法と同じでよいのか等、点訳書凡例も含めて質問します。

【A】

1.他の巻とのバランスにもよりますが、索引だけで70~80ページ以上になるのでしたら、索引だけを最終巻にしてもよいと思います。また参考文献もあるようですが、参考文献も巻末にあるのでしたら、参考文献と索引で1巻にする方法もあると思います。

2.著者紹介は最終巻の奥付の前が最も一般的ですので、索引を入れた場合も最終巻でよいと思います。

3.巻数やページ数は点訳の巻数ページ数だけを書きます。原本のページは入れません。
見出し的なものだけを索引の項目として採用しているのか、例えば「剣」という言葉が出てくるたびに索引に載せているのかによって、ページの書き方も異なってきます。
小見出し符を付けた見出しや5マス目からの見出しになるような項目だけを索引として取り上げている場合は、その最初の位置を点字の巻数とページ数で書けばよいと思いますが、「剣」という語が出てくるたびにそのすべてを索引項目として取り上げているとすると、巻数ページ数だけが書かれていてもなかなか「剣」にたどり着けませんから行数も必要となってきます。
見出し的なものだけを索引として取り上げている場合は、「てびき」p207の「暗証番号」の例をお勧めします。行数まで入れる場合は、「クーリングオフ」の書き方をお勧めします。
参考文献の参照ページの書き方も、点訳のページだけを索引と同じ入れ方で書いてよいと思います。
一般に、索引を1巻に独立させる場合は、その巻の最初に、「索引の書き方」として、凡例を設けます。そこで、ページの書き方を断ります。
例えば、「第1巻32ページを、数②32のように記した」のように具体的に例示します。
参考文献と索引を最終巻にまとめる場合は、その巻の最初に凡例を設けるとよいと思います。
索引は、校正を重ねるたびにページ数や行数が変わってきますので、最終校正は慎重に行わなければなりません。

【新規】p207 8.索引

今点訳している本の巻末に索引があります。その索引の項目の中にさらに項目があります。このような場合、どのようなレイアウトにしたらよいでしょうか?

知能  5,11,15
知能指数 24,27
統一知能テスト 63
優生学と知能 69
中国
中国の男女比 26
道徳
遺伝子操作と道徳 12
幹細胞研究と道徳 109、135
クローン技術と道徳 8-9
項目があり、次行に1字下げて項目があります。

【A】

大きい項目を見出しのように考えて
5マス目から チノー■・・・■数5、■数11、■数15
3マス目から チノー■シスー■・・・■数24、■数27
のように書いてはどうでしょうか。
5マス目からの項目でも、前の行をあけなくてもよいと思います。
5マス目から書き始めの行が2行になる場合は、2行目は7マス目から、3マス目から書き始める行が2行になる場合は2行目は一マス目から書いて良いと思います。
また、点訳の際には、原本ページではなく、点訳書の巻数とページ数を入れることになりますので、2行になるケースは多くなります。

75.p207 8.索引 【処理】

索引は点訳書の巻数・ページ数・行数などを書きますが、点訳書に原本ページを記した場合、索引のページ数を原本ページで記すのは不都合でしょうか。

【A】

「てびき」p207【処理】にありますように、プライベートの依頼で分冊ごとにお渡しする場合や、非常に急ぎの依頼の場合など、どうしてもやむを得ない場合は索引に原本ページを入れる場合もあります。
一般の図書の場合は、原本のページを入れるのではなく、点訳書の巻数・ページ数・行数などを入れます。
原本ページを奇数ページのページ行に入れても原本の1ページは点訳書では数ページにわたりますし、原本のページを入れられるのは奇数ページに限られますので、該当の項目を探すことは困難になります。

76.p207 9.点訳書凡例

点訳書凡例について「第1巻の目次の直後に下がり数字でページをつけていれる」とありますが、2巻目に点訳書凡例を必要とする場合も、まとめて1巻目に入れるだけでよいのですか。

【A】

点訳書凡例は、通常、第1巻だけに入れます。その原本全体の留意事項を第1巻の最初に書きます。第2巻目のその箇所だけに必要な留意事項は点訳挿入符で処理します。
点訳書凡例として最初に入れた方がよいのか、点訳挿入符で該当箇所で断れば良いのかは、その原本によって判断します。
ただ、索引を独立して最終巻に入れるときなどは、「索引の入れ方」「索引凡例」などとして、最終巻の最初に入れる場合もあります。

77.p207 9.点訳書凡例

1行あけが多い本を点訳したところ、点訳データのページの先頭に1行あけが連続してしまいました。ページが変わるたびに先頭行が空いていたりしますので、触読者にとって大変読みにくいと感じます。このような場合には点訳書凡例で断ることも考えられるでしょうか。

【A】

確かに、行あけの多い墨字の本が目立つようになり、点訳していても、1行目が空行になってしまうことも多くなりました。全巻通して読めば、原本の特徴も分かっていただけると思いますが、先頭行が空白になることが多く、違和感があるほどであれば、点訳書凡例で断るのもよいかと思います。
点訳書凡例は、点訳書独自の留意点を書くものですし、独立して1ページを使用しますので、読み飛ばすことも、あとから戻って読むことも、読者の判断に委ねられ、他に影響を及ぼすこともありません。ですので、このように原本の特徴によって点訳上読者が違和感を覚えるような場合も、点訳書凡例を活用していいと思います。

78.p207 9.点訳書凡例

今、校正中の本の中に挿入文があります。原本での書き方には二通りの書き方がされています。
全体としては字下げをし、書き出し位置が1字分下げた書き方。
全体としては字下げをしているが、書き出し位置は1字下げがない挿入文。
点訳者はこの書き方の違いを示したいのか挿入文では二マス下げのインデントを使っていますが、書き出し位置は二マス下げた挿入文と書き出し位置を下げない行頭からかかれた挿入文があります。
そして点訳書凡例の中で「挿入文の書き出しは原本通りとしました。」と書いています。この点訳方法でよいでしょうか。
「てびき」p147 1.に「文章の書き始めは3マス目から書く」ことが示されています。点訳書凡例で断れば一マス目から書き始めることができるという判断でよいでしょうか。
最近点訳書凡例を書きましょうとの指導でいろいろな事が点訳書凡例に書かれるようになっています。点訳書凡例についてもどのような時にどう使うのか教えてください。

【A】

ご質問の挿入文の場合は、お考えの通り、「てびき」p148【処理1】の原則で示されているように、挿入文の書き始めを二マス下げた位置から書き出すのがよく、点訳書凡例を設けることではないと思います。

点訳書凡例は、「てびき」p207~p208に示された①~⑬の場合に、必要となりますが、①~⑪は、「てびき」の該当項目に点訳書凡例か点訳挿入符で断ると示されています。
⑫は、雑誌などの逐次刊行物で、特集の関係で、原本の位置が定まっているシリーズ物が移動しているのを、毎号の通りの位置に点訳する場合や、特集を1巻に収めるために、小さい記事を移動したりした場合など必要に応じて断ります。
⑬は、原本で使われているマーク類などを、効率よく点訳するために、書き方を工夫した場合、例えば将棋の棋譜を点訳する時や、家庭科や社会科などの地図記号、洗濯マークなどが何度も出てくるので、少ないマスで表示できるよう工夫した場合などが代表的な例になります。

ご質問の場合、もし、行頭下げないで書く挿入文と、行頭を下げて書く挿入文があって、そこに著者の意図があるのであれば、原本の凡例や本文中で断ってあるはずです。墨字の読者も点字の読者も同じ条件の事項に関しては、点訳書凡例で断る必要はありません。

点訳書凡例は、点訳書独自の工夫や留意事項がある場合に入れるもので、点訳書凡例を不必要に多用することは、避けるべきだと思います。
以前は、必要な点訳書凡例も入れていない点訳書が多かったこともあり、必要性を強調していましたが、「点訳書凡例で断ればいい」というような安易な使用は避けるよう気を付けることが大事だと思います。

79.p207 9.点訳書凡例

翻訳本の凡例に「本書の原文ではロシア語とベラルーシ語が使用されています。日本語に翻訳するにあたり、ベラルーシ語の箇所については書体を変えてあります」とあり、一部ゴシック体の文字になってます。その部分をどのようにして点訳したらいいでしょう。また点訳書凡例で断る必要はありますか。

【A】

一般的には、点訳ではとくに区別しないで、ゴシック体を無視して書いてよいと思います。
本の内容が、ベラルーシ語とロシア語の違いを解説しているとか、ベラルーシ語を特に意識する必要がある内容の場合は、ベラルーシ語を第2カギまたは第1指示符で囲む方法もありますが、それが非常に多いと読みにくくなります。
ベラルーシ語であることが分かっても本の内容を理解するのに必要ない場合は、省略してよいと思います。
もし、ゴシック体を第2カギまたは第1指示符などで囲んだ場合は、原本の凡例の「本書の原文ではロシア語とベラルーシ語が使用されています。日本語に翻訳するにあたり、ベラルーシ語の箇所については書体を変えてあります」のあとに、点訳挿入符で、点挿テンヤクデワ■⑤③⑥メメ③⑥②デ■カコンダ。点挿 のように断ればよいと思います。
なお、ベラルーシ語を第2カギで囲んだ場合は、この原本をとおしてほかの箇所で、第2カギを用いないようにします。
ゴシック体を無視した場合は、原本の凡例のあとに、点挿テンヤクデワ■クベツ■シテ■イナイ。点挿 のように入れた方がよいと思います。

80.p207 9.点訳書凡例

点訳書凡例は規則性がありません。どのような時につけるべきですか。
点字は墨字より読むのが大変であるから「てびき」で「できる」と書いてあるときには必要がないのかなど、規則がない部分なので迷います。

【A】

点訳書凡例は「てびき」p207~p208(3)①~⑬の場合に入れます。
「点訳書凡例」は目次の項目として挙げますので、その点訳書に点訳書凡例があるかどうかがすぐわかります。
ですから、必要と思った方は読みますし、必要のない方は飛ばすこともできます。
読み進めていって、「あれ、これはどう読むのだろう」などと疑問に思ったときだけ点訳書凡例で確かめることができます。
点訳挿入符は、いちいちそこで強制的に読まされ、本来の文脈が分かりにくくなったりする恐れもありますが、点訳書凡例にはそれがありません。
ですから、注意としてまとめられることは点訳書凡例に書き、その場面だけに注を加える必要がある場合は点訳挿入符にするなど、上手く使い分けるのがよいと思います。
ただ、点訳書凡例としては(3)①~⑬以外のことは、ほとんど必要がないと思います。

81.p207 9.点訳書凡例

この項の(3) ①の歴史的仮名遣いで書かれた語句や文が挿入されている場合についての説明がよくわかりません。挿入文を古文の点字表記で書いた場合は凡例が必要なのは分かりますが、現代仮名遣いで点訳した場合も凡例が必要なのでしょうか。著者の主義としての歴史的仮名遣いで書かれた現代文というのはどういうものなのでしょうか。

【A】

「てびき」p23(8)は現代文の中に歴史的仮名遣いの語句や文が挿入されている場合で、そのときは、挿入部分を古文の点字表記で点訳した場合に点訳書凡例で断ります。
p24【備考】の場合は、現代の読み物でありながら、作品全体が歴史的仮名遣いで書かれている場合です。代表的な作家としては、丸谷才一、大岡信、三島由紀夫、井上ひさしなどがいますが、作品全体が歴史的仮名遣いで書かれていますので、その著者の主義をどのように点訳したかを断る必要があります。