点字・点訳の用語解説

目次

点字・点訳に関してよく出てくる用語を分かりやすく解説しました。

用語解説

意味のまとまり

「意味のまとまり」とは、複合語を構成する要素をいう。複合名詞の切れ続きでは、原則として、3拍以上の意味のまとまりは「自立した意味のまとまり」として区切る成分、2拍以下の意味のまとまりは続ける成分として扱う。

インターラインとインターポイント

点字印刷の際の2種の方法。インターラインは、表ページの点字の行間に裏ページの点字を印刷する方式で、わが国で多く用いられている。インターポイントは、表ページの点字の点間に裏ページの点字を印刷する方式で、欧米で多く用いられている。インターポイントはインターラインに比べて1ページの行数が多く、その分多くの文字数を入れることができるが、行間が狭いため、点字触読に慣れていない人には読みにくいと言われる。なお、「点字毎日」はインターポイントである。

外来語

他の原語から借り入れられ日本語と同様に日常的に使われるようになった語。一般には漢語以外の主として西欧語から入ってきた語を指す。
外来語はカタカナで書かれているが、「アイ■アム■ア■ボーイ」のように外国語がカタカナ書きされている場合とは点訳上区別して考えることが必要である。(「てびき」p71 5.外来語 参照)
漢字で書かれた外来語も日本語の読みで点訳するが、原音でルビが付いている場合は、ルビの表記に従って書く。「餃子」は、「ギョーザ」と点訳するが、「チャオズ」とルビが付いていれば「チャオズ」と書く。(「てびき」p26【処理4】参照)

片面印刷と両面印刷

ふつう、点字は両面印刷を行い、ページは表ページとなる奇数(1、3、5、・・・・・)だけが表示される。パソコン点訳の場合は、裏のページにもページが入る(1、2、3、4、・・・・・)が、プリンター側で奇数ページのみを印字する。必要に応じて片面印刷を行う場合は、ページ付けは、通しページ(1、2、3、4、・・・・・)とする。
なお、1ページ22行の片面印刷を行う場合もある。

行替えと行移し

行替えは、原文で段落の箇所に改行マークを入力して次行へ移すこと。行移しは、点字独特の方法で、一続きに書く語が行末に入りきらない場合に、その語すべてを次行へ移すこと。なお、行移しの場合、行末にマスが残っていても、また、マスが残っていなくても、その個所に必要な一マスあけ、または二マスあけが行われたとみなす。
ふつう、行替えの場合は、次行の3マス目から書き始め、行移しの場合は、次行の一マス目から書き続ける。点訳ソフトには自動行末処理機能があるので、それを利用すれば、行移しが適正に行われる。(「てびき」p149 2.行末の扱い【処理】参照)

区切り線・枠線

本文中の章や節などでページ替えをするときの区切りや、本文の終わり、目次や奥付の終わりなど、1行あけより大きな区切りを示す際に区切り線を用いることができる。9マス目または11マス目から書き出し、行頭・行末のあけ幅をそろえて行の中央に書く。実線・二重線・点線の3種類がある。
枠線は、表や図、囲み記事などを挿入する際に用い、開きと閉じで囲む。原則として一マス目から1行すべてに書くが、枠線の中に行頭・行末4マスあけた枠線を挿入することもできる。開きの枠線上に「ヒョー」「ズ■1」などと入れてもよい。区切り線同様、枠線も数種類ある。(「てびき」p187~p189参照)

形式名詞

本来の実質的な意味を失い、具体的で実質的な意味を持つ修飾語(句)を伴って用いられる名詞。名詞なので自立語であり、前を区切って書く。
短く仮名で書かれているために、初心者は見落として他の語と続けて書いてしまうことがある。「そういうわけ、あのとき、こんなふうに」など、「仮名で書いてあっても名詞なので、漢字があります、漢字でも書ける語です」と説明するとよい。
また、「もの、こと」は、助詞か形式名詞かの判断がむずかしいことがある。
助詞の「もの」は、不満・うらみ、甘え・訴えなどの気持ちを込めて理由を述べるときに用いられ、「だもの・ですもの」の形が多い。「ものな」・「ものね」となることもある。
助詞の「こと」は、断定を和らげたり、軽い感動や問いかけを表す時に用いられる。
(「てびき」p54「コラム12」、「ハンドブック第3章編」p6~p7「コラム」参照)

現代仮名遣いと点字の仮名遣い

現代仮名遣いは、1986(昭和61)年7月1日、内閣告示第1号として公布された。
現代仮名遣いの「前書き」に、以下の記載がある。
———————————————
7.この仮名遣いは、点字、ローマ字などを用いて国語を書き表す場合のきまりとは必ずしも対応するものではない。
———————————————–
これが、点字仮名遣いの拠り所となっている。
点字の仮名遣いは、次の2点を除いて現代仮名遣いに基づいている。
①助詞の「は、へ」は、発音どおり「ワ、エ」と書く。
②墨字で仮名書きしたときに「う」と書く「ウ列、オ列」の長音は、点字ではウ列オ列の仮名に長音符を添えて書く。
そのほか、現代仮名遣いどおりに書くものであっても、墨字では漢字で表すことが多いために点訳で誤りやすいものがある。
①墨字で仮名書きしたときに「お」と書く語は、長音として発音するかどうかにかかわらず「オ」で書く。この規則と、上記②の判断
例:コオリ(氷)、トオカ(十日)、ヨーカ(八日)、ホーリナゲル(放り投げる)
②「じ、ず、じゃ、じゅ、じょ」と「ぢ、づ、ぢゃ、ぢゅ、ぢょ」の使い分けについては、現代仮名遣いの本則を採用する。
例:イナズマ(稲妻)、セカイジュー(世界中)、ユーズー(融通)。
キヅク(気付く)、キズク(築く)

固有名詞

名詞を普通名詞・固有名詞・数詞・代名詞と分類したうちの一つ。普通名詞は同じ類に属するどれにも共通して適用される名称を表すのに対し、同じ類に属する他のものから区別するためにそのものだけに付けた名称を固有名詞という。人名・地名・国名・書名・曲名・会社名・団体名など。
固有名詞の固有の部分(「岐阜市役所」の「岐阜」)は、拍数にかかわらず、区切る成分として扱う。「岐阜■市役所」は区切って書き、「岐阜駅」は一続きに書く。

語種

日本文を表すために使われる語種には、①和語、②漢語、③外来語、それに④混種語があり、複合語の切れ続きを考えるうえで、大きな目安になる。なお、語種を記載する国語辞典は少なく、代表的なものとして『新潮現代国語辞典 第2版』があるほか、最近は、デジタル辞書の中に語種を記載するものがある。(「てびき」p66「コラム17」参照)

仕切りのための線

本文が終わって次の見出しが始まる前に、注記や写真説明などを挿入したいときなどに用いる線である。
仕切りのための線には、行頭のあけ幅や長さに規定はないが、区切り線と区別するため、行頭のあけ幅は4マスまたは6マス程度とし、行の中央かその少し後ろまでとする。(「てびき」p189「コラム34」参照)

書誌情報

「書誌情報」とは本や雑誌などの書物を特定するための情報で、奥付に記されていることが多い。書名、副書名、著者名、発行所、発行年、ISBNなどを指す。
これに対して、「目録」は、その図書館に所蔵している図書の情報を意味し、書誌情報+所蔵情報で目録となる。
現在は、書誌情報を格納した種々の書誌データベースが作られており、サピエでは、「TRC MARC」(株式会社図書館流通センター)を利用している。
サピエ図書館に点字図書・デイジー図書などを登録するには、点訳・音訳等に着手する際に、TRC MARCによって書誌を着手登録しなければならない。
また、原本の標題紙や奥付から正確な書誌情報が分からない場合は、TRC MARCを参考に点訳書を作成するよう勧めている。(『「サピエ図書館」登録点字文書製作基準』参照)

数字の種類

日常使われる数字には、①漢数字、②アラビア数字、③ローマ数字の3種がある。
このうち、漢数字は位を表す漢字を付けて表し(命数法 例:一万二千三百四十五)、アラビア数字は数字を並べて表す(記数法 例:12,345)。アラビア数字に近い点字では、「4桁までは一続き」(記数法)と、「4桁以上の数は、5桁ごとの位の読みを仮名で書く」(命数法)を組み合わせた書き方を行っている(例:数1マン■数2345)。したがって、アラビア数字では表現できない、数が重なったおよその数を表す際には、以下のように複雑な書き方になる。
例:二千三百五六十人 → 数2セン■数3ビャク■数5数60ニン
点訳では、原文が漢数字、アラビア数字のどちらで書かれていても、原文の表記に左右されず、点字の数字の規則に従って書く。
なお、原文にローマ数字が使われている場合は、原文どおりアルファベットで表すか、数字に換えて表すかを判断する必要がある。(「てびき」p76【処理】参照)

数字の表意性

点字の基本である仮名点字は、発音を表すもの(表音文字)であるため、意味を理解しやすくするために「分かち書き」や「切れ続き」を行っている。それに対して、数字は発音だけでなく意味を表すもの(表意文字)である。点訳でいう「数字か仮名かどちらとも判断がつかない場合は数字で書く方を優先する」のは、数字が持つ表意性を生かすためである。

接頭語・接尾語

単独で用いられることがなく、常に他の語や語の一部に付いて用いられる、語の構成要素。他の語の前に付くものを接頭語といい、他の語の後ろに付くものを接尾語という。元の語に何らかの意味を付加する。
接尾語には、意味を付け加えるだけでなく、品詞を変える働きをするものもある。
(例)
名詞を作る・・・「さ」(甘さ、暑さ)、「け」(寒気)など
形容詞を作る・・・「っぽい」(子どもっぽい)、「らしい」(女らしい)など
形容動詞を作る・・・「げ」(怪しげ)、「的」(国際的)など

点字器の種類

・標準点字器
B5判の用紙に、凹面から標準サイズの点字を1行32マス・1ページ18行・両面書きで書くことができる点字器。以前は木製が主流であったが、今はプラスチック製が主流となっている。
・小型点字器
携帯用点字器:主にプラスチック製で、真鍮・アルミなどの金属製もあり、凹面から点字を書く。最も多く使われているP6は、凹面から標準サイズの点字を1行32マスあるいは30マス、行間を狭くして6行書くことができる点字器。6行書いたら用紙をずらして次の6行を書き続ける。ほかに、1行のマス数の少ないものや行数の少ないものなど、多くの種類がある。
・Lサイズ点字器
だいてん丸:プラスチック製で、凹面からLサイズの点字を1行26マス、行間を狭くして4行書くことができる点字器。4行書いたら用紙をずらして次の4行を書き続ける。名古屋ライトハウス盲人情報文化センターが開発。
トツテンくん:プラスチック製で、凸面からLサイズの点字を1行26マス、行間を狭くして4行書くことができる点字器。4行書いたら用紙をずらして次の4行を書き続ける。定規の上板が半透明なので、墨字との位置関係を調整しながら点字を書くことができる。日本点字普及協会が開発。

点字のJIS規格

ばらつきのある点字表示の共通化のため、経済産業省が定めた日本工業規格で、点字の寸法、及び使用する材料の特性並びに実際に適用する方法について規定している。
規格番号   JIS T0921
規格名称   アクセシブルデザイン-標識、設備及び機器への点字の適用方法
主務大臣   経済産業
制定年月日  2006/03/25
最新改正年月日 2017/02/20
点字の点の間隔及びマスとマスとの間隔は、現在以下のとおり(単位はmm)
垂直点間隔(①の点と②の点との間隔) 2.2~ 2.8
水平点間隔(①の点と④の点との間隔) 2.0~ 2.8
マス間隔(①の点と次のマスの①の点との間隔) 5.1~ 6.8
行間隔(①の点と次の行の①の点との間隔) 10.0~ 15.0
※詳細は http://www.jisc.go.jp/ から T0921 を参照

転成

ある語が本来の文法的機能を失って、他の品詞としての性質を持つようになること。ある品詞から他の品詞に転成した語を転成語という。
(例)光り(動詞「光る」の連用形)→ 光(名詞)
遊び(動詞「遊ぶ」の連用形)→ 遊び(名詞)
露(名詞)→ つゆ(副詞)(つゆ知らず)
動詞が転成してできた名詞(遊び)も、名詞として扱う(遊び■仲間)が、複合動詞全体が転成してできた名詞(「扱い始め」「仕立て直し」)は一続きに書くので、注意が必要である。

電話番号などの書き方

「てびき」では、電話番号・振替口座・ISBNや個人番号などを、数量を表す数の書き方とは別の項目で扱っている。これらは、順序を表すもので順序数あるいは序数と言い、数量を表す「500人」「45枚」などの基数とは、次の点で扱いが異なる。
・4桁以上でも、数字を続けて書く。
・位の読みを書いたり、位取り点を使わない。
・000で終わっても、「セン」とは書かない。
・原文に合わせて、ハイフン(③⑥の点)を使う。

日本語のアクセント

日本語は高低アクセントであり、以下の4種がある。
で太字の箇所を高く発音する)
①頭高:嵐(らし)、富士山(じさん) 第1音節が高く、第2音節以降が低い。
②尾高:頭(あたま)、1月(いちがつ)    第1音節が低く、第2音節以降が高い。その語の後ろの助詞などは低い。
③中高:卵(たご)、美しい(うつくしい) 第1音節が低く、第2音節(以降)が高く、そのあと低くなる。
④平板:後ろ(うしろ)、点訳(てんやく) 第1音節が低く、第2音節以降が高い。語の後ろの助詞などは高い。
日本語の特徴として、以下のことが言える。
①第1音節と第2音節では高さが違う(第1音節が高ければ第2音節は低く、第1音節が低ければ第2音節は高い)。
②1語中で上がったアクセントが下がることはあるが、下がったアクセントが上がることはない。
したがって、下がったアクセントが上がれば、それは1アクセントではないので、その境目でマスあけをすることになる、と言える。
例:右半分(みんぶん)→ ミギ■ハンブン
右半身(みぎはんしん)→ ミギハンシン
ただし、アクセントは地域差、個人差が大きいので、アクセントを規則に持ち込むには無理があり、あくまでも目安としてとらえる必要がある。

「日本点字表記法」と「点訳のてびき」

日本点字委員会が発行する「日本点字表記法」(以下「表記法」)は、日本語を点字で書き表すための規則が主体であるが、点訳の際の原則についてもある程度言及している。その意味で、「表記法」は2面性を持っていると言える。このため、規則は幅が広く、また語種を規則の拠り所としていないなどの特徴がある。
一方、「点訳」は、動かし難い原文があり、それを点字に訳す作業であり、多種の文章表現や文章記号、レイアウトなど、墨字文の多様性に「表記法」だけでは対応できない。そのため、点訳に当たっては「表記法」を基に「点訳」という観点で編集した「点訳のてびき」が必要となる。

日本語の音の単位。直音に加え、促音、撥音、長音、拗音も1拍と数える。「テンヤク」は4拍、「ショーガッコー」は6拍となる。拍数は、誰が数えても同じになるため、複合名詞の切れ続きの目安として有効である。

発音上の切れ目

発音上の切れ目とは、たとえば「各種」「各方面」を発音した場合、「各種」は「くしゅ」とひと続きに発音するが、「各方面」は「く ほーめん」のように「く」と「ほーめん」の間を区切って発音することを言う。接頭語・造語要素や接続詞句・副詞句の切れ続きを考える際の目安として用いられる。

標準サイズ点字とLサイズ点字

標準サイズ点字は、わが国で長い間使われている点字の規格で、B5判の用紙(点字プリンターでは、8×10インチ)に32マス×18行(ページ行を含む)の点字を書くことができる。Lサイズ点字は、標準サイズより点間・マス間を広くしたもので、A4判の用紙(点字プリンターでは10×11インチ)に標準サイズと同じ量の点字を書いたもの。Lサイズ点字は、中途視覚障害者が点字学習をする際に有効であり、Lサイズ点字1ページを10分程度で読めるようになると標準サイズ点字に移行できることが多くの実例によって立証されている。ちなみに、B5判の用紙には1行26マスのLサイズ点字を書くことができる。
※標準点字とLサイズ点字の規格

品詞

文法上の性質によって分類された単語のグループ。代名詞を名詞に含んで分類する方法もあるが、「てびき」では、名詞と代名詞を別にして11品詞の分類表を用いている。この分類に基づいて、分かち書きや切れ続きのルールを形作っている。(「てびき」p247 品詞分類表参照)

複合語

単独で用いることができる語が二つ以上組み合わされて、新たに1語としての意味・機能を持つようになった語を複合語といい、そのうち、後ろにつく語が名詞の場合に複合名詞という。後ろにつく語が動詞の場合は複合動詞、形容詞の場合は複合形容詞となる。複合語の切れ続きを考える際は、複合名詞か、複合動詞か、複合形容詞かを判断することが大切である。なお、複合名詞では切れ続きの判断基準の一つに拍数を採用している。
二語が結合したときに、後ろの語の語頭が濁音化したり(「鼻血」「力強い」)、前の語の語末の母音が変化したり(「雨音」「風上」)、元のアクセントが変化したりする場合もある。
また、結合したときに、後ろの語の語頭音の変化によって意味が変わる場合もあるので、正しい読みを心がけることも大切である。
(例)
山川・・・ やまかわ(山と川)、やまがわ(山にある川)
大手・・・ おおて(大手企業、大手門)、おおで(大手を振って歩く)

ページ替えと用紙替え

ページ替えは、原文の大きな区切りを点字でも表す必要がある場合、その箇所に改ページマークを入力して、余白の有無にかかわらず次ページへ移すこと。用紙替えは、原文のさらに大きな区切りを点字でも表す必要がある場合、余白の有無にかかわらず次の用紙へ移すこと。両面書きでの用紙替えは、奇数ページで行う場合、その箇所と次の偶数ページの1行目の行頭に改ページマークを入力するが、偶数ページで行う場合は、その箇所に改ページマークを入力し、次の奇数ページに移る。片面書きでの用紙替えは、ページ替えと同じである。
なお、一般書の点訳では、標題紙・目次・本文・奥付、それぞれの間は用紙替え、それ以外の大きな区切り目(点訳書凡例・前書き・献辞など)はページ替えを行う。
※改行マーク、改ページマークの扱いについては、「パソコン点訳Q&A」を参照

補助動詞

「見ている」の「いる」、「これについて」の「ついて」、「お読みいただく」の「いただく」など、本来の意味ではなく、補助的に用いられる動詞。動詞なので、前を区切って書く。(「てびき」p56「コラム13」参照)

連語

二つ以上の単語が結合し、それぞれの単語よりも複雑なひとまとまりの観念を表す語(「ハンドブック第3章編」p27「コラム」参照)。
複合語の切れ続きを考える場合、「連語」であることを根拠に、続けたり、区切ったりすることはできない。

分かち書きと切れ続き

漢字仮名交じりの文は、句読符をはさむことはあっても基本的に文字を続けて書くが、点字は基本的に仮名書きなので、意味を取りやすくするために一定の規則で区切って書く必要がある。墨字でも、ひらがなだけで書いてある小学1年生の国語の教科書や幼児向け読み物などでは、分かち書きをして書かれているので、「分かち書き」は点字独自のものではなく、「日本語を仮名で書く際に必要な区切り」と言える。
区切る基本は「文節」で、自立語、または自立語に助詞・助動詞が付いたものを単位に区切って書く。これを「分かち書き」という。
また、一つの文節であっても、複合名詞などは長い言葉が多いため、触読しやすくするために一定の規則で内部を区切って書く。これを「切れ続き」という。なお、「分かち書き」も「切れ続き」も、区切り目は一マスあける。